建設コンサルの(9768)いであを新たに買いました。
ブログ主が考えた、
1.基本的な考え方
・売上=社員数×単価
・売上は公共工事予算に依存
2.良いところ
・防衛省への売上が多い
・中期経営計画を公表
3.悪いところ
・社員数で売上の上限がある程度決まる
・想定外の費用のリスク
を書いてみます。
■基本的な考え方
<売上=従業員数×単価>
この式がすべてです。(ITシステムの受託開発と同じ)
ビジネスモデルを同業の(9621)建設技術研究所の資料で見てみます。
ポイントは「設計・成功分離の原則」により建設コンサルは必要な存在であること。
5~6名のチームで構成されること。
リーダーに資格保有者が必要なことです。
いであ単体の売上原価が労務費72億、外注費46億で、
過去10年ほぼ3:2の比率で推移してますので、
イメージ的には従業員3人、外注2人の5人チームが標準モデルと考えます。
仮に単価が月1人あたり100万円なら、5人チームで月の売上が500万円になります。
従業員1人あたりに直すと500万円÷3人=166万円/月
166万円/月×12か月=2000万円(従業員1人あたり年間売上)
というのがざっくりとしたブログ主のイメージです。
それをふまえて、 単価について、従業員1人あたりの売上を計算してみました。
海外事業のある会社もありますので雑な言い方ですが、
従業員1人あたりの売上はだいたい年間2000万円強になるようです。
また、単価が少しずつ上がっていることがわかります。
<売上は公共工事予算に依存>
公共事業関係費と売上の推移です。
公共事業関係費は(9621)建設技術研究所の資料から抜粋しました。
いであは国・地方自治体から86%の売上があります。
また、建設技術研究所は国・地方自治体から90%の売上があります。
そのため、建設コンサルの売上は公共事業関係費と強く関係していると言えると思います。
2025年で前回の国土強靭化5ヵ年対策が終わり、
今後、公共事業関係費が増えるか減るかは国土強靱化年次計画2025次第だと思います。
ブログ主が首相官邸の資料を見ると、
公共事業関係費推移はこういう感じではないかと思います。
・3か年緊急対策
平成30年度から令和2年度
おおむね7兆円程度
・国土強靱化年次計画2020
令和3年度~令和7年度
おおむね15兆円程度
・国土強靱化年次計画2025(2025年6月に閣議決定?)
令和8年度から令和12年度
おおむね20兆円強程度
書き直すと
2018-2020年 2.3兆円/年
2021-2025年 3.0兆円/年(+29%)
2026-2030年 4.0兆円/年(+33%)
計画通りにすすんだ場合建設コンサル全般的に
2030年(令和12年度)までの売上が確保されてる状態に近いんじゃないか?と
■良いところ
<防衛省への売上が多い>
各社の売上上位先です。
いであ(と協和コンサル)は、防衛省への売上比率が大きいです。
防衛省の発注実績を見ると、それ以外の会社も防衛省から受注していることもあるようです。
このところ防衛予算の引き上げが相次いでいるので、
おこぼれがあるかもしれないし、無いかもしれません。いや、ないか・・
<中期経営計画を公表>
中期経営計画で売上目標を公表しています。
各社の目標を1つのエクセルにまとめてみました。
いであは2027年に2024年比売上+10%を目標にしています。
毎年4%前後の売上成長のイメージで、
同業他社と比べて大きく違わないような気がします。
売上目標の根拠となる従業員数の中期経営計画です。
会社ごとに記載レベルが異なるので比較が難しく、
参考程度のものです。
マイナビから直近の新卒採用計画を集計してみました。
平均すると既存の従業員数の5%前後を新卒採用する感じのようです。
これも会社ごとに記載レベルが異なりますし、中途採用の人数を含まないため参考程度に。
■悪いところ
<社員数で売上の上限がある程度決まる>
国の予算で売上がほぼ決まる一方で、
費用の大半を占める労務費、外注費(つまり給料)が上がる懸念があります。
労務費、外注費が仮に5%上昇したら
利益にどのくらい影響があるか試算・考察してみました。
国の事業だから売上が変わらないまま、
営業利益率13%くらいの事業で、原価率が3%くらい上がるなら、
営業利益率は10%くらいに減るのでは?という試算・考察です。
ただ、単価の推移を見てみると、
コスト上昇は単価の上昇で吸収できるかもしれないです。
<想定外の費用のリスク>
営業利益の推移です。
営業利益が低下した年が4つあります。
2015年 現地調査などの原価率が高い大型業務が増加
2016年 現地調査などの原価率が高い大型業務が増加。受注済みだった大規模海洋工事の中断
2017年 現地調査などの原価率が高い大型業務が増加
2023年 売上減少による減益
2015年~2017年と同様なことが今後も起きるなら、
現地調査などの原価率が高い大型業務というのは
外部の人間にはなかなか予測が難しいリスクだと思います。
また、国からの受注でも工事中断のリスクがあるということです。
(国との標準的な契約(中断との関連性)はよくわからなかったです。)
■まとめ
これまでの内容をまとめますと、・建設コンサルごと会社間の違いはあまりなさそう
・売上は堅そう
・利益上振れ要因より下振れ要因のほうが多い気がする
・(それなら株主還元が良さそうなところで・・)
というイメージで買いました
ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。
