2019/11/29

(00384)チャイナガス 連続増配11年 配当1.9% 2020年中間


連続増配11年(00384)チャイナガスについて

予想PER 15倍
予想配当利回り 1.7%
時価総額 約2.2兆円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・3月末決算締め
・期末配当 権利落 8月下旬→支払 9月下旬
・中間配当 権利落 1月中旬→支払 1月下旬

【2018】中国 連続増配銘柄(10年以上)


■どんな会社?


中国全土で都市ガス(天然ガス)と、LPG(液化石油ガス)を供給します。

LPGは、輸入からエンドユーザーへの供給まで行っており、
工場や、商業施設、家庭に供給されます。



↓都市ガス供給エリア



↓LPG供給エリア




ガス管新規接続による成長と、買収による成長で持続的な成長を続けています。


■配当履歴


2006 0.0100
2007 0.0120(+20%)
2008 0.0120(+0%)
2009 0.0140(+16%)
2010 0.0170(+21%)
2011 0.0220(+29%)
2012 0.0392(+78%)
2013 0.0848(+116%)
2014 0.1206(+42%)
2015 0.1615(+33%)
2016 0.1946(+20%)
2017 0.2500(+28%)
2018 0.3500(+40%)
2019 0.4400(+25%)
2020 0.1000(中間まで)

2020年の中間配当は0.08→0.10へ+25%増配しました。




■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2016年2017年2018年2019年2020年
(中間まで)
Revenue
売上
29496
(-6%)
31993
(+8%)
52831
(+65%)
59386
(+12%)
27925
(-3%)
Profit for the year attributable to
Owners of the Company
当期純利益
2273
(-32%)
4147
(+82%)
6095
(+47%)
8224
(+34%)
4909
(+16%)
Net cash generated from operating activities
営業CF
5862 4116 6445 10116 未発表
Net cash used in investing activities
投資CF
-4001 -4112 -7168 -11032 未発表
Net cash from financing activities
財務CF
-1327 -520 3908 6334 未発表
Additions of property,
plant and equipment
設備投資(投資CF)
-2722 -2639 -6340 -8602 未発表
Acquisition of subsidiaries, net of
cash and cash equivalents acquired
子会社買収(投資CF)
-214 -366 -448 184 未発表
Additions of investments
in joint ventures
合弁会社買収(投資CF)
-370 -25 -28 -2353 未発表
Interest paid
金利支払(財務CF)
-840 -963 -1048 -1454 未発表
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-942 -953 -1391 -1776 未発表

2020年中間決算の売上は-3%の減収、当期純利益は+16%の増益でした。

利益率が低いLPG部門の売上が-33%減収で、
利益率が高いLPG以外の部門の売上が増収だったため、減収増益になりました。



The wholesale business recorded a slight year-on-year decrease in sales volume.

It was mainly attributable to the greater volatility in international crude oil and LPG prices during the period under review, and the control of the Group appropriately exercised over its LPG imports to prevent the effect of the substantial volatility of international LPG purchase price on profit.

LPG部門は販売数量はほぼ横ばい、販売価格は-30%でした。
国際原油価格、LPG価格のボラティリティが大きく
利益に与える影響を防ぐため、LPG輸入量を管理していました。


■都市ガス販売量の成長率鈍化?


ブログ主的に今回の決算で一番気になったのが、
都市ガス販売量の成長率が鈍化してるのではないか?という点です。

6か月ごとのガス販売量です。




増加率が+7.8%と3年ぶりくらいに低い水準でした。
期初の通期見通し+25%と比べても低い水準です。


ガス価格との関係を見てみます。
販売先別にガス価格と販売量が開示されています。



2020年中間のガス価格は例年並みの値上がりでしたが、
販売量の増加率は軒並み鈍化しました。

ですので、ブログ主は、成長率の鈍化を懸念しています。


ですが、決算後のアナリストコメントを見てみると、
販売量は堅調という論調が多そうでした。


会社コメントでは、中国-ロシアガスパイプラインのことに触れています。
In addition, the construction of the China-Russia east-route natural gas pipeline has already been completed and will be put into operation in December 2019.

The Group has a large number of piped gas projects in Northeast China and Beijing-Tianjin-Hebei region, and they will directly benefit from Russian gas, which not only will significantly increase the gas supply of regional projects, but also will further optimize the regional gas supply structure, form a multi-source supply pattern, and significantly strengthen the Group’s ability to secure natural gas supply, enhancing the overall profitability of local project companies.
この12月から始まる中国-ロシアガスパイプラインで一気に巻き返すのかもしれません。

■通期見通し


引き続き、ガス販売量に着目してみると、
会社通期見通しは変更されませんでした。




2018年は、中間決算時点で見通しが上方修正されたことがありました。
2020年の通期も達成可能性があると見ているのではないかと思います。



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2019/11/25

(4485)JTOWERのIPOについて


ずっと追いかけていた(00788)中国鉄塔と同業の
(4485)JTOWERがIPOしますのでみてみました。

※ブログ主が以前書いた(00788)中国鉄塔のビジネスモデル


■概要を比較


JTOWERと、中国鉄塔の主要項目を比較してみました。



・設立年は近い
・導入物件数、Tenancy Ratioを経営上の重要な指標としている
・売上に対して、減価償却費の比率が高い
・主要顧客は大手通信キャリア

このあたりは、JTOWER社の説明と同じになってそうです。






■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2018年2019年2020年
(中間まで)
2020年
(中間~期末)
2021年
売上 756 1377 1096
減価償却費 -233 -300 -274
売上総利益 169 647 567
販売費及び一般管理費 -643 -817 -556
営業利益 -474 -169 10
営業CF 888 1290 1677
投資CF -1900 -2110 -2200 (予定)
-500
(予定)
-3990
財務CF 2603 570 -646 (予定)
IPO:5490
返済:-1000
有形固定資産の取得
(投資CF)
-800 -1775 -1616 (予定)
-500
(予定)
-3990


表の中の(予定)は、手取金の使途をIPO目論見書から引用しました。
手取概算額合計上限5,490,467千円

1. 国内IBS事業については、導入拡大のための屋内無線通信設備資金の一部として、2020年3月期に500,000 千円、2021年3月期に3,490,467千円を充当する予定であります。

2.タワー事業については、導入拡大のための屋外無線通信設備資金の一部として、2021年3月期に500,000 千円を充当する予定であります。

3. 財務体質及び経営基盤の安定化のため、金融機関からの借入金の返済資金として2020年3月期に 1,000,000千円を充当する予定であります。


・貸借対照表
2018年2019年2020年
(中間まで)
2020年
(中間~期末)
2021年
機械装置及び運搬具 1431 3597
リース資産 532 677
導入済物件数(国内) 43 97 123
導入済物件数(海外) 129 141 145


機械装置及び運搬具、リース資産は、減価償却費をマイナスする前の金額です。


■設備規模、売上をブログ主のほうで予想


IPO目論見書の手取金の使途から、2021年までの導入物件数、
売上をブログ主のほうで考えてみました。

<設備規模予想>

2019年3月時点:

・機械装置及び運搬具+リース資産=約43億円
・国内:海外の資産比率は、だいたい、3:1
・国内導入物件額=約43億円×75%=約32億円
・国内導入物件数=97
・1物件あたり額=約32億円÷97=約3300万円


2020年まで:

・屋内無線通信設備資金の一部として、5億円充当
・5億円÷約3300万円=15物件導入(予想)


2021年まで:

・屋内無線通信設備資金の一部として、34.9億円充当
・34.9億円÷約3300万円=105物件導入(予想)


グラフにしてみました。(海外の物件数は変わらない前提)




<売上予想>

国内、海外別に売上が開示されています。
国内売上÷国内導入済み物件数で、1物件あたりの国内売上を計算してみます。

2018年:約1190万円
2019年:約890万円


海外も同様に、

2018年:約190万円
2019年:約320万円


物件の導入タイミングや、Tenancy Ratioで変動するのでしょうが、
直近の売上数値と導入物件数予想で、未来の売上を予想してみます。

ここは結果のグラフだけ。



■まとめ


売上はおそらく間違いなく伸びるのでしょう。


利益ですが、プラスの要素とマイナス要素があると思います。

プラス要素:tenancy ratioの向上
既存物件に新しい顧客が増えますので、利益率は飛躍的に向上すると、
同業のアメリカンタワー社の説明もあります。


マイナス要素:減価償却費負担と、従業員数の増加が未知数
機械装置及び運搬具の耐用年数は5~9年なので、
その間は利益率が低いまま可能性もあります。



従業員数と導入済み物件数が比例して増えてるようにも見えますので、
その費用で利益率が低いままの可能性もあります。




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2019/11/19

(00177)江蘇高速道路 減配なし18年 配当4.9%


18年減配してない(00177)江蘇高速道路について

予想PER 11倍
予想配当利回り 4.9%
時価総額 約1800億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末一括配当 権利落 6月下旬→支払 7月中旬


【2018】中国 連続減配なし銘柄(10年以上)

■どんな会社?


上海南京高速道路を中心に、
江蘇省で高速道路、橋の運営を行います。



googleマップで調べると、上海-南京間が約300kmありました。
日本でいうと、東京-岡崎(愛知県)くらいの距離みたいです。


■配当履歴


2000 0.0900
2001 0.1300(+44%)
2002 0.1300(+0%)
2003 0.1500(+15%)
2004 0.1500(+0%)
2005 0.1500(+0%)
2006 0.1900(+26%)
2007 0.2700(+42%)
2008 0.2700(+0%)
2009 0.3100(+14%)
2010 0.3600(+16%)
2011 0.3600(+0%)
2012 0.3600(+0%)
2013 0.3800(+5%)
2014 0.3800(+0%)
2015 0.4000(+5%)
2016 0.4200(+5%)
2017 0.4400(+4%)
2018 0.4600(+4%)





■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2014年2015年2016年2017年2018年
Total operating income
売上
8830
(-)
8761
(-0%)
9201
(+5%)
9455
(+2%)
9969
(+5%)
Net profit attributable to
owners of the Company
当期純利益
2227
(-)
2506
(+12%)
3346
(+33%)
3587
(+7%)
4376
(+22%)
Net cash flow from
operating activities
営業CF
3741 4475 5463 5232 5715
Net cash flow from
investing activities
投資CF
-402 -1499 -225 -7582 -4773
Net cash flow generated
from financing activities
財務CF
-3153 -3464 -5264 2419 -689
Cash payments to acquire
or construct fixed assets,
intangible assets and other
long-term assets
設備、無形資産投資(投資CF)
-410 -786 -583 -7398 -3545
Cash payments to acquire investments
有価証券投資(投資CF)
-1929 -1386 -3262 -4278 -6102
Cash receipts from disposals
and recovery of investments
資産売却(投資CF)
1749 1041 3114 3609 4789
Cash payments for distribution of
dividends or profits or settlement
of interest expenses
配当、利息支払(財務CF)
-2792 -2790 -2589 -2679 -2889


2018年まで売上が1桁台前半で増収をしていましたが、
2019年中間期は、-6%減収でした。

これは、「Nanjing-Lianyungang Highway」が連結売上対象外となったこと、
不動産開発が減収になったことが原因でした。

連結売上対象外となった「Nanjing-Lianyungang Highway」を除く
高速道路事業は、+1%近くの増収でした。





■固定資産への投資


投資CFから、資産の取得と売却を毎年かなりの規模で行っています。
そのため、所有する高速道路の入れ替えもあります。


※ 〇:運営中
  -:運営外


ただ、投資CFのトータルはマイナスになっていて
事業に大規模投資をしているように思えたのですが、
固定資産の主要項目推移を見てみると総額があまり増えていないのです。




おそらくこの項目が高速道路事業の売上を生み出す項目だと思うのですが・・・


高速道路の1日あたりの利用車数はちょっとずつ増えてきています。




ということで、当社についても業績成長のカギは、
利用車がどれだけ増えるかということにかかっていると思います。




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2019/11/15

(9519)レノバの風力発電規模を他社比較


日本でも風力発電への投資が頻繁に報道されていて、
中でも再生可能エネルギーに特化している(9519)レノバに
注目しています。

おおよその傾向をつかむために
国内の風力発電に関する今後の計画を
概算で他社といろいろ比較してみました。

■現状の国内シェア


NEDOのデータベースに 2018年3月末時点の風力発電が掲載されています。
2017年時点のデータでシェアをまとめたわかりやすい資料が経済産業省
ほうに掲載されています。




注目のレノバは2019/2Q時点で稼働は0です。




■将来の投資計画


市場全体の規模は2030年で3倍(CAGR約8%)を予想されています。




それで、現時点の市場シェア上位10社の今後の計画と、
レノバの計画を比べてみます。

関連銘柄2017年
総出力
(kw)
(a)
2019年
総出力
(kw)
(b)
アセス中
建設中
(kw)
(c)
合計
(kw)
(b)+(c)

(b)が不明
な場合(a)
備考
ユーラスエナジー(8015)
豊田通商

(9501)
東京電力
662,7601,019,23054,9001,074,130
J-POWER(9513)
J-POWER
435,360463,0001,179,0001,642,000
エコ・パワー

(現:コスモ
エコパワー)
(5021)
コスモ
エネルギーHD
213,200266,000-266,000長期計画
2022年
約500,000

2030年
約1,100,000
日本風力開発非上場221,150333,350-333,350
CEF(1944)
きんでん

(5631)
日本製鋼所
172,810195,000-195,000
ガスアンドパワー(9532)
大阪ガス
86,450110,95025,300136,250
日立サステナ
ブルエナジー
(8586)
日立キャピタル
120,170--120,170
シーテック(9502)
中部電力
101,000152,00065,990217,990
ミツウロコ
グループ
(8131)
ミツウロコ
グループ
51,650--51,650
SBエナジー(9984)
ソフトバンク
グループ
48,43048,430-48,430
レノバ(9519)レノバ00900,000900,000




ブログ主が、各社のサイトや、決算資料から発電実績や計画の数字を
2019年11月時点で確認できる範囲で拾って作成しています。
エコ・パワーのみ長期計画が発表されていたので、その数字を採用しています。

各社の稼働予定時期の多くは未定/非公表になっています。
なので、あえて時期を定めずに比べています。


この他にも例えば
東北電力が合計約140万kwの風力発電を計画していたり(表の中で上から2番目に多い)
と、まだまだ拾えてない会社が色々ありそうなのです。

風力発電、このペースだと3倍以上に増えるかもです。


■レノバ全体の発電予想


ブログ主が、風力以外の電力も含めた今後の発電予想をしてみました。
予定されている発電容量(mw)×設備利用率※1のグラフです。


なお、各発電所への出資比率は一律100%で見てます。
(実態とやや違います。正確な情報はレノバの開示資料をご参照ください)


この予想発電量に以下の3~4?要素を掛けると
概算の売上見通しが出てくるのではないかと。

・エネルギーごとのFIT単価
・24時間
・365日
・(出資比率)

もちろん、需要超過で単価が上がることがあれば、
供給過多で単価が下がることもあるんだと思います。

※1 設備利用率は経済産業省の値を参考にしました。




■米中の風力発電会社の株価推移


風力発電で先行する米中の会社の株価です。




・NEE:ネクステラエナジー:PER30倍越え
・0916:龍源電力:PER約7倍

両社とも増収増益を続けていますが、なぜこれだけ株価に差がつくのか・・・



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2019/11/10

(PFF) 配当5.6% iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF


米国株のPER高い。
債権の利回り低い。

とはいえ、現金で寝かせておくのも・・・
ということで、(PFF)iシェアーズ優先株式&インカム証券ETFのお勉強をしてみました。


■分配金の推移


2007年5月から、2019年11月権利落ち分までの推移です。




分配金は減少していますが、なんで減るのか?考えてみました。

■分配金の減少理由の考察


分配金の減少理由の考察をしてみます。


結論から先に言ってしまうと、

PFFの投資先優先株が分配金を決めるときに債権利回りを考慮していて、
2007年ごろは債権利回りが高かったが、
近年は債権利回りが低いため、連動して分配金が減少した。

ということではないかと。

<構成銘柄>

構成銘柄は以下のとおりとなっています。



この中でWELLS FARGOに注目してみました。
WELLS FARGOは発行している優先株の一覧が見やすく整理されています。


PFFの構成銘柄とISINコードで紐づけてみました。

ティッカー銘柄名保有比率(%)ISIN紐づけてみたクーポン
WFCWELLS FARGO
& COMPANY SERIES L
1.77US9497468044Series L7.5%
WFCWELLS FARGO
DEPOSITARY SHARES CO
0.56US9497465560Series Q※1
WFCWELLS FARGO
& COMPANY
0.36US94988U6727Series X5.50%
WFCWELLS FARGO
& COMPANY
0.31US94988U7303Series V6.00%
WFCWELLS FARGO
& COMPANY
0.31US94988U7147Series W5.70%
WFCWELLS FARGO DS CO0.29US9497464654Series R※2
WFCWELLS FARGO
DS REPRESENTING PERP
0.24US9497463664Series T6.00%
WFCWELLS FARGO
& CO
0.23US9497467475Series N5.20%
WFCWELLS FARGO
& COMPANY
0.22US94988U6560Series Y5.625%
WFCWELLS FARGO
& COMPANY
0.2US9497467210Series O5.125%
WFCWELLS FARGO
& COMPANY
0.19US9497466550Series P5.25%
WFCWELLS FARGO
REAL ESTATE INVESTMENT
0.08US94988N2071Series A6.375%


※1 Fixed to Floating (5.85% to 9/23; 3mL + 309bps thereafter)
※2 Fixed to Floating (6.625% to 3/24; 3mL + 369bps thereafter)


おそらく、「Series A」、「Series B」・・・ていうのは
日本でいうと「第1回××優先株」、「第2回××優先株」・・・という意味ではないかと。


上記一覧の中では「Series N」以降が2010年以降の発行で、
それ以前よりも利回り(クーポン)がやや低くなっています。

つまり、最近発行された利回りの低い優先株を
PFFの構成銘柄に組み込んだために分配金が減少してると思います。








■株価と利回りの関係の考察


WELLS FARGOのほかにBANK OF AMERICA
優先株も見てみました。


まず、クーポンの決まり方はだいたい2通りが多そうです。

・発行時点でクーポンが固定されているケース
・債権(LIBOR)との関係で決まるケース



ここから考えると、基本的には債権と同じで

・分配金利回り上昇→株価下落
・分配金利回り下落→株価上昇

となりそうなのですが、



普通株との利回り差も意識されているかもしれなくて、

普通株の利回り+XX%=優先株の利回り

であれば、

普通株の増配は、クーポン固定の優先株
の株価が下がることで利回りが調整される可能性も考えられます。


また、株価が上昇して分配金利回りが下がると
普通株にシフトするかもしれないので、上値が限られている可能性も考えられます。


■まとめ


ここまでを踏まえて考えてみると、増配のないPFF(優先株)は
数年単位の長期保有には不向きな銘柄という感じがします。

優先株の発行ペースが1年に数回のようなので、
数か月単位で保有するなら、良い銘柄のような気がします。





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2019/11/07

(WBK)ウエストパック銀行 配当6.3% 2019期末決算


オーストラリアの4大銀行の1つ
(WBK)ウェストパック銀行
2019年9月期末決算が発表されました。

様々な問題が発生した中間決算からやや持ち直して
業績が回復途上にある印象をもちました。


■銘柄概要


上場先:銘柄コード
オーストラリア:WBC.AU
アメリカADR:WBK

決算期:9月
ADR株価:18.58 米ドル
PER:14倍
配当利回:6.3%


■配当推移


配当(豪ドル)
1999 0.45
2000 0.50
2001 0.90
2002 0.70
2003 0.78
2004 0.86
2005 1.00
2006 1.16
2007 1.31
2008 1.42
2009 1.16
2010 1.39
2011 1.56
2012 1.66
2013 1.94 ※うち特別配当0.2
2014 1.82
2015 1.87
2016 1.88
2017 1.88
2018 1.88
2019 1.74

2019年の期末配当は、0.80豪ドルとなり、通期で減配になりました。




■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2015年2016年2017年2018年2019年
Net operating income before operating expenses
売上
21642 20985 21802 22133 20649
Net profit attributable to owners of
Westpac Banking Corporation
最終利益
8012 7445 7990 8095 6784
Diluted EPS
一株利益
2.48 2.17 2.29 2.30 1.89
Net cash provided by operating activities
営業CF
-541 5497 2820 19802 7104
Net cash provided by investing activities
投資CF
-18715 -7245 -1698 -1620 -10769
Net cash provided by financing activities
財務CF
5513 4573 552 -11092 -3633
Loans
貸付金(営業CF)
-39569 -38082 -26815 -24740 -4188
Deposits and other borrowings
預金及びその他借入金(営業CF)
8526 38771 23062 23928 1113
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-4340 -5402 -4839 -5769 -4977


経常収益は半期の前年同期比で、
中間決算時-10.0%から、期末決算時-2.3%になりました。

税引前利益も同様に
中間決算時-24.5%から、期末決算時-8.8%になりました。





■金利収入(Net interest income)


売上の大部分を占める金利収入です。
貸付(当社の場合、60%以上が住宅ローン)をして金利で収益を上げる形です。






金利マージンが横ばい、貸付残高が増加しており、
中間期より+4.6%増収になっています。


■非金利収入(Non-interest income)


非金利収入です。



やや回復。


Wealth and insurance(資産運用と保険)の詳細です。



2019年下期は、
wealth management(資産運用業務)において、
「Notable items(事業不正による顧客返金、事業撤退等)」の特殊な費用が減少

insurance(保険業務)において、
「insurance」の保険金請求が減少したことによる収入増。


■営業費用(Expense movements)


「Notable items(事業不正による顧客返金、事業撤退等)」関連の
特殊な費用を除いた営業費用の推移です。



2018年から2019年にかけて3%増加していますが、
2019年の上期から下期へかけては1%減少しています。


■感想


期末決算の減配はもともとコンセンサス予想で予想されておりましたし、
決算直前の報道でも「減配すべき」という意見がありましたので、
驚きは無かったと思います。


ブログ主的には、オーストラリアの金利がとても低いので、
すぐに業績が回復して配当が戻るイメージはありません。


ただ、2019年期末決算では下期の6か月で、当社が良い方向に向かっている
ことを確認できたと感じてますので、このままホールドしようと思います。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





2019/11/02

(MO)アルトリアの2019年3Q決算確認


(MO)アルトリアの2019年3Q決算を確認します。

結論は、
ポートフォリオの2~3%保有していて
売るかどうか迷ってましたが、ホールドを続けることにしました。

■業績


・損益計算書
2018年
3Q時点
2018年
4Q時点
2019年
1Q時点
2019年
2Q時点
2019年
3Q時点
Net Revenues
売上
6837 - - - 6856
Diluted EPS
EPS
1.03 - - - -1.39
Adjusted Diluted EPS
調整後EPS
1.08 - - - 1.19
調整後EPS予想
2019年
- 4.15~4.27
+4%~+7%
4.15~4.27
+4%~+7%
4.15~4.27
+4%~+7%
4.19~4.27
+5%~+7%
調整後EPS予想
2020-2022年
- - +7%~+9% +7%~+9% +5%~+8%
タバコ出荷数
2019年予想
- -3.5%~
-5.0%
-4.0%~
-5.0%
-5.0%~
-6.0%
-5.0%~
-6.0%
タバコ出荷数
2019-2023年予想
- -4.0%~
-5.0%
-4.0%~
-5.0%
-4.0%~
-6.0%
-4.0%~
-6.0%


紙タバコが+0.2%の増収等で、トータル+0.3%の増収でした。

投資先のJUUL株を-$4500M減損したため、減益(赤字)になりました。

減損等の特殊な損益を除いた調整後EPSは、+10.2%の増益でした。


2019年通期の調整後EPS予想は下限が$4.15→$4.19へ上方修正されました。
2022年までの年平均成長率は「+7%~+9%」から「+5%~+8%」へ下方修正されました。




■タバコ出荷数と単価の推移


タバコ出荷数と単価の推移です。



単価は、売上÷出荷数で独自に算出しています。

タバコ出荷数が1Q+2Qで-6.9%減でした。
3Qはかなり値上げしたにもかかわらず、
出荷数-6.5%減とやや減少幅が少なくなっています。

つまり、ブログ主的には1Q、2Qまでは値上げしても
数量減ペースに追い付かない状態に陥ってしまったと考えていたのですが、
3Qの決算で、数量減は値上げでカバーできる2018年までの状態に
戻ったと感じました。




■JUULの減損


JUULの減損については、コメントがありました。
While there was no single determinative event or factor, Altria considered in totality the following indicators of impairment

・the increased likelihood of a United States Food and Drug Administration compliance policy prohibiting the sale of certain flavored e-vapor products in the U.S. market without a pre-market authorization

・various e-vapor bans put in place by certain states and cities in the U.S. and in certain international markets, coupled with the increased potential for additional bans in the future

・and the impact of heightened adverse publicity, including recent news reports and public health advisories concerning vaping-related lung injuries and deaths

米国FDA問題や、米国外ではインド等で電子タバコが禁止されたこと、
健康被害の問題等、今あるいろいろを考慮して減損を決めたようです。


減損額ですが、アルトリア決算の1か月ほど前に、
別のヘッジファンドの減損報道で-37%減でしたが、
アルトリアの決算は-35%減でした。



ブログ主の感想ですが、このJUULの減損(=将来の利益見通し減少)により、
2022年までの調整後EPS予想を下方修正したと思います。

JUUL買収時のアルトリア資料を見直したところ、
減損した額と、調整後EPSの減少額が近い数字に思えましたので。



■まとめ


紙タバコで業績の土台を固めて、
iQOSとJUULで上積みを見るっていう感覚に戻ったので
もう少しホールドすることにしました。


配当方針がこれなので、
Altria expects to maintain a dividend payout ratio target of approximately 80% of adjusted diluted EPS during this period.

「調整後希薄化後EPS」で配当性向80%が維持されるなら
今後の増配期待も+7%~+9%から、
+5%~+8%に減ってしまったのは残念なのですが、
債権感覚でホールドしてるところもあるので
増配してくれるのはありがたいです。






ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。