2026/10/03

(MSFT)マイクロソフト AIのシステム開発会社について

マイクロソフト買うにあたり勉強したこと書いてみます。

■1.データセンターがなぜこんなに必要なのか?


従来からデータセンターはあったのに、
AI時代になってデータセンターがなぜこんなに必要なのか?
というブログ主の疑問から始まりました。

AIは大きく分けて「学習」と「推論」に分類されます。
「学習」と「推論」にわけてデータセンターの必要性を考えてみます。

学習


学習について図にしてみました。
(正確さは80点。認知しやすさ重視のつもりです)



誇張表現すると、インターネットの世界をgoogleやマイクロソフトの中に作る。
そうしてはじめてAI(LLM)の製造ができるという構造
になっていると思うんです。
だから大量の保存場所(SSDやHDD)であったり、
それを使った計算資源(CPU、GPU、DRAM)が必要
で
それらを入れる箱としてデータセンターが必要となっています。

推論


企業の業務システムを例に推論について図にしてみました。
(正確さは80点。認知しやすさ重視のつもりです)



おおざっぱにいうと、AI型のシステムは旧来に比べて
取り扱うデータ量が桁違いに増える
ために
学習と同様に、保存場所(SSDやHDD)や計算資源(CPU、GPU、DRAM)がたくさん必要になり、
それらを入れる箱としてデータセンターが必要となっています。






■2.データセンター投資回収は何年くらい?


データセンター投資回収について、各社がコメントしています。

microsoftの論文
旧来型データセンター
 IT provisioning. Servers follow a fixed 4-6 year lifecycle, with new hardware released every 2-3 years and older servers phased out accordingly
 サーバーは固定された4~6年のライフサイクルに従い、2~3年ごとに新しいハードウェアがリリースされ、それに合わせて古いサーバーは段階的に廃止されます

AI型データセンター
 IT provisioning may involve mixedgeneration GPU pools or reassigning older GPUs to lowerperformance workloads (e.g., fine-tuning or batch analytics).
 異なる世代のGPUを混在させたGPUプールを構成したり、古いGPUをより低い性能要件のワークロード(例えばファインチューニングやバッチ分析)に再配置したりすることがある。

AI型について、こんなイメージだろうと思います。
新しいGPU
↓
高負荷処理
↓
新世代GPU導入
↓
旧GPUを別用途へ再配置
↓
低負荷処理

何年使うかは、壊れるまでではなく最も利益を出せる組み合わせで入れ替えていく感じです。

amazonの2026年6月決算コメント
For servers and networking equipment, on average, it takes a little less than three years to break even on that investment. The servers currently have a useful life of at least five to six years, and most of our AI capacity these days is being contracted for at least five-year terms. That means that we're driving significant free cash flow on the servers and networking equipment in the two to three years after we break even.
サーバーは3年弱で投資回収し、5~6年程度稼働する


T-mobileのコメント
Osvaldik said, I have AI data centers with a payback of 1-1.5 years, and I'm gonna spend $100+ billion on building a non-competitive network.
T-mobileのデータセンター。投資回収期間は1年~1.5年。


アリババ(中国)の2026年6月決算コメント
Based on average gross margins today, roughly, we can breakeven on AI-related CapEx in 3 years. And of course, average gross margin continues to rise, and we expect to be able to shorten that payback period, say, to 2.5 years. [Interpreted] Following that 3-year payback period, these AI assets that we've invested in can achieve very positive and robust cash flow. So to give you some direct examples A100 purchased in 2020 or A100 purchased in 20 -- sorry, V100 purchased in 2018, even today are still running at full capacity. [Interpreted] Additionally, we have 3 means that we can leverage to further enhance gross margin and return on invested capital.
設備投資は3年以内に回収できる見込み。2020年に購入したA100、あるいは2018年に購入したV100は、今日でもフル稼働


4社の前提がおそらく異なるので単純に比較はできませんが、
「おおむね3年で投資回収、5~6年稼働」というのが平均的な意見ではないかと思います。

nVIDIAのブログ
Barkr puts useful life at five to six years for an eight-GPU H100 system and nine to 10 years for GB300 NVL72, based on what those systems resell for. Silicon Data shows a six-year-old A100 GPU is still worth a quarter of what it cost, where a five-year depreciation schedule had it at zero more than a year ago.
経済的な耐用年数について、8つのGPUを搭載したH100システムの耐用年数を5~6年、GB300 NVL72システムの耐用年数を9~10年と見積もっている


アナリストの中には「もっと短く3-4年ではないか?」というような悲観的な意見もあるようで、
各社のレンタル表を見てみました。
google(最古P4:2016年)




coreweave(最古A100:2020年)




Microsoftは表がややこしいんですが、(最古T4:2018年)がレンタルに出ていました。
ということは、結構息長く少なくとも6年使われていると思いました。

■3.ユーザーは安く利用できないの?

この項は完全にブログ主の感想なんですが、
実際にgoogleのweb版geminiと、オフライン版gemmaを使って試しました。

用途によりますがそれなりにハードにお金かけないとAIが使い物にならないと感じました。

ブログ主の個人PCでgemma3 4Bを使って転出届の入力チェックをさせてみました。







結果だけいうと、gemma3 4Bは人間的には的外れな回答が返ってきました。

■4.データセンターのビジネスモデルは鉄道に似ている(まとめ)

データセンターのビジネスモデルは鉄道に似ている気がする(好み)。



これまでの話をまとめると構造的に初期投資がかなりかかる。
初期投資が終わって3年後くらいから収穫期にはいる。
ということは、2028年~2029年から収穫期に入るのでは?と予想しています。

そういう意味でとあるサイトのアナリストコンセンサスを見てみると
2029年からフリーキャッシュフローが拡大するシナリオになっており、
ブログ主と似たようなシナリオを想定しているのかもしれないです。





ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





2026/07/05

(8043)スターゼン 食肉卸 予想PER8倍 予想配当4%


食肉卸業者(8043)スターゼンの話



■1.どんな会社?


豚肉、牛肉をメインに国内または海外から仕入れて、
国内のスーパーや外食(マクドナルドなど)に卸しています。








■2.外部環境 米国の牛肉価格高騰


AP通信の記事ですが、 米国で干ばつや飼料価格高騰により牛の頭数が数十年ぶりの低レベルまで落ち込んでおり、牛肉価格が高騰している。
牛群の回復(産まれてから大人になるまで)には少なくとも2~3年かかる。と言われています。

牛肉価格指数をインフレ率(CPI)で割り算した実質価格指数です。



2020年以降、ひどいインフレ率以上の勢いで牛肉価格が値上がりしていることがわかると思います。
(この指標で判断していいのか?という議論はありますが・・)


米国はオーストラリア、カナダ、ブラジル等から牛肉を輸入して
不足分を補う状態になっています。



じゃあ牛肉を販売する業者は儲かっているの?というと
米国食肉大手タイソンフーズの決算から判断して、まったく儲かっていません。




■3.外部環境 日本の牛肉市場衰退


日本の牛肉消費についてもUSDAのサイトで同様に見てみます。



牛肉の消費量は減少傾向にあります。

スターゼン決算短信(2025年10-12月)の引用で、
> 食肉業界では、国産豚肉は昨年の猛暑の影響で出荷が減少し相場が一時的に乱高下しました。また、米国産牛
肉の現地価格高や鶏肉の輸入量減少などの影響により、食肉相場は全般的に高止まりとなり、厳しい調達環境と
なりました。販売環境においては、インバウンドによる外食産業への好影響はあるものの、消費者の節約志向か
ら比較的安価な食肉に消費が移行し続けており、依然として食肉マーケット全体は力強さを欠く環境が続いてい
ます。

や

スターゼン決算短信(2026年1-3月)
>食肉業界におきましては、食肉相場が全般的に高値で推移しました。特に、鶏肉においては消費者の低価格志
向を背景に需要が高まる中、ブラジルやタイなどの輸出国における供給制約もあり相場が高騰しました。また、
米国産牛肉の現地価格高もあり、厳しい調達環境が続きました。販売環境においては、訪日観光客の増加を背景
に需要の押し上げ効果があったものの、節約志向の強まりから消費者の慎重な購買姿勢が続き、食肉マーケット
全体としては力強さを欠く環境となりました。

という記述は、こうした傾向を説明したものと思います。

■4.海外進出の計画


中期経営計画2026-2030の中で本格的に海外進出を目指しています。
イメージ的には豪州で牛を育てて東南アジアへ販売する方向だと思います。



Jetroの説明によると、
東南アジアの卸売り業者で売上が約27億円(2023年度)の会社のようです。
また豪州の牧場(ブロードウォーターダウンズ)を100%子会社化して
自社で生産することとなり、飼料高騰のリスクを受け入れつつ利益率向上も狙えるように思いました。

ここまでの話をまとめると、

・米国の牛肉不足により豪州の牛肉が人気化
・スターゼンの豪州牛肉を東南アジアに販売
・東南アジアの牛肉消費は伸びている




という本格的な海外進出の条件が揃ったように見えました。


設備投資700億円については、従来規模に近いことと、

2023-2025:400億円(1年あたり133億円)
2026-2030:700億円(1年あたり140億円)

2026年6月5日に発表された第2回無担保社債100億円の発行をしたことから
(第1回無担保社債は50億円で償還期限は2026年6月17日)
営業CF700億円を計画どおりに稼げれば
増資の可能性はほとんど無いような気がしました。





■5.同業他社比較


同業他社比較をしてみます。



プリマ、SFOODS、スターゼンが利益の額が近くて
その中でスターゼンだけ予想PERが低く見えます。

その理由を探るべく別の視点で比較したのが2枚目。



牛肉、豚肉、鶏肉の各売上は記載があればその値、
記載がなければ決算コメントの文章量などから
ブログ主の主観で売上が「多中少」にわけて評価しています。

スターゼンの予想PERが低い理由の考察
・営業利益率が低い
 →低いところから少し上がってきました。
 同業他社はコスト高などが収まれば、いつかかつての高収益(営業利益率2.5%→3.5%くらいまで?)に戻るかもしれないという期待が含まれている可能性があります。



・海外売上が少ない
 →海外進出を打ち出し始めた2022年11月(中期経営計画2023-2025)以降、
  時価総額上位5社のなかで日本ハムと同様に最も株価のパフォーマンスが高い



・牛肉の割合が高く、鶏肉の割合が少ない
 →あまり関係ないかも



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





2026/03/17

AI時代にNVIDIAがどれだけすごいか【基礎をいまさら勉強した話】

この記事は、AI時代にNVIDIAがどれだけすごいかということを
勉強し始めて1か月の初心者の独り言です。


1.AIとは行列計算と三角関数のかたまり

この項で言いたいことは、
「AIは多次元のデータを一気に処理する行列計算と、
データの変換に関わる三角関数を大量に計算した結果である。」
です。


AIは、Excelで例えると「究極の予測式」を自動で作る仕組みです。

工程エクセルの例
入力と正解を並べるA列に「画像データ」、Z列に「正解ラベル(猫・犬)」を数億行並べます
間の列を埋めるB列からY列までに、最初は適当な数字が入った計算式をギッシリ埋めます
誤差を埋める特訓A列のデータを計算して、Z列の正解とズレていたら、B~Y列の計算式の「数字」を少しずつ書き換えます(これが重みの更新)
関数が完成何兆回も繰り返すと、どんな画像を入れても正しい答えを導く「黄金の計算式(B~Y列)」が完成します
本番完成した後は、正解(Z列)を消しても、A列に新しい画像を入れるだけで、B~Y列を通り抜けた結果が「猫」と出てくるようになります

実際にはこの計算(行列計算)が膨大すぎて、普通のパソコン(CPU)ではフリーズしてしまうため、計算専用のモンスターマシン(GPU)を使って力技で終わらせているのが今のAIです。

もう少しAIっぽい表現を使います。
AIが処理の中で一般的に行う工程です。

工程作業内容一般的な呼び方保存先
準備1
(田舎DC)
モデルに特徴(重み)を覚えさせる学習
(Training)
モデルファイルに保存
準備2
(田舎DC)
未学習のデータ等をベクトル化してDBに入れるインデキシング
(Indexing)
ベクトルDBに保存
実行1
(都会DC)
ユーザーの質問をベクトル化埋め込み
(Embedding)
メモリ
実行2
(都会DC)
ベクトルDBから似たデータを探す検索
(Retrieval)
メモリ
実行3
(都会DC)
ベクトル化結果、検索結果からモデルを通し回答を作る推論・生成
(RAG)
結果返却

※DC=データセンター
※ベクトル化=あらゆるデータを3次元空間の(x軸, y軸, z軸)座標のイメージで保存する(実際にはn次元)
意味の近さが、距離の近さになる
※検索(Retrieval)では角度が0に近いことで似たデータを探すことが多いです
例「猫が好き」
「猫が好きで好きで毎日吸ってます」
は意味(角度)は同じですが、文字数(距離)が違いすぎて意味が違うと判定されてしまうことがあります

土地や電力コストが低い田舎では、データ量が多く処理負荷が大きい学習・インデキシングを行います。
ユーザーに近い都会では、田舎で整理されたデータをコピーし、それをもとに埋め込み・検索・推論・生成を行います。




Geminiさんに最も典型的なAIプログラム例を作ってもらいました。

このプログラム例から言えることは(この項で言いたいこと)、
・行列計算をたくさんしている
・三角関数の概念を活用している
ということなのです。

プログラムの解説を少しだけすると、
multiply関数でforが3重にネストしているところがn次元×n次元×n次元の繰り返し処理で、
「1件の学習データ」や「1つの質問」に対する計算量が数十億~数百億回になる部分です
それをネット上のありとあらゆるデータで学習したり、ユーザーからの質問の答えを推論するのです。


Javaプログラム例
public class AiProcessSimulation {

    public static void main(String[] args) {
        // --- 1. 準備:学習 (Training) & インデキシング ---
        // モデルの「重み」:特徴を [ペット適性, 野生度] に変換する2x2の行列
        double[][] weightMatrix = {
            {0.8, 0.2}, // 「動物らしさ」の重み(左:ペット、右:野生)
            {0.1, 0.9}  // 「可愛さ」の重み
        };

        // ベクトルDBに保存された「正解データ」の座標(インデキシング済み)
        // ここでは「理想的なペット」という概念の座標を [1.0, 0.0] とします
        double[] vectorDB = {1.0, 0.0}; 

        // --- 2. 実行:推論 (Inference) / 行列の掛け算 ---
        // 入力:[猫のデータ(動物度, 可愛さ), 犬のデータ(動物度, 可愛さ)]
        double[][] inputData = {
            {0.9, 0.8}, // 猫
            {0.7, 0.4}  // 犬
        };

        System.out.println("【工程:推論】行列計算により特徴を変換します...");
        // 入力(2x2) × 重み(2x2) = 変換後の特徴(2x2)
        double[][] transformed = multiply(inputData, weightMatrix);

        // --- 3. 実行:検索 (Retrieval) / 三角関数の応用 ---
        System.out.println("\n【工程:検索】ベクトルDBとの角度(類似度)を計算します...");
        String[] labels = {"猫", "犬"};
        
        for (int i = 0; i < transformed.length; i++) {
            // ここでコサイン類似度(三角関数)を使用
            double score = calculateCosineSimilarity(transformed[i], vectorDB);
            System.out.printf("%s のペット親和性スコア: %.4f\n", labels[i], score);
        }
    }

    /**
     * 行列の掛け算:AIが入力データを「意味の空間」へ飛ばす作業
     */
    public static double[][] multiply(double[][] A, double[][] B) {
        double[][] C = new double[2][2];
        for (int i = 0; i < 2; i++) { // 入力データの行(猫、犬)
            for (int j = 0; j < 2; j++) { // 重みの列(ペット性、野生度)
                for (int k = 0; k < 2; k++) { // 掛けて足す「内積」の計算
                    // ここがAIの計算の9割を占める「積和演算」
                    C[i][j] += A[i][k] * B[k][j];
                }
            }
        }
        return C;
    }

    /**
     * コサイン類似度:三角関数を用いて「原点からの角度」を求める
     * cos(θ) = (A・B) / (|A| * |B|)
     */
    public static double calculateCosineSimilarity(double[] vecA, double[] vecB) {
        double dotProduct = 0.0;
        double normA = 0.0;
        double normB = 0.0;
        for (int i = 0; i < vecA.length; i++) {
            dotProduct += vecA[i] * vecB[i]; // 分子:内積
            normA += Math.pow(vecA[i], 2);   // 分母:大きさの計算(2乗)
            normB += Math.pow(vecB[i], 2);
        }
        // √(2乗の和)で割ることで、純粋な「角度(cos)」を取り出す
        return dotProduct / (Math.sqrt(normA) * Math.sqrt(normB));
    }
}

****実行結果****
【工程:推論】行列計算により特徴を変換します...

【工程:検索】ベクトルDBとの角度(類似度)を計算します...
猫 のペット親和性スコア: 0.6644
犬 のペット親和性スコア: 0.7682
********

ベクトルDBについて独断と偏見で補足します。
データベースの種類特徴流行した時代
RDBほぼエクセル。金融取引で振込元と振込先のデータ更新を同時に行わなければならないような場面が得意2000年代

IBM,ORACLEの時代
NoSQLテキストファイルのイメージ。例えばtwitterのシステムを作成するならユーザーごとにテキストファイルを用意してその中につぶやきの履歴を格納する。テキストファイルが分かれていれば日本のユーザーのデータは日本サーバーに、米国のデータは米国サーバーに保管を分散させられる。2010年代

SNS,MongoDBの時代
ベクトルDBNoSQLにベクトルデータ(文章の意味)をもたせたイメージ。例えばtwitterで「猫」を検索するときNoSQLだと「猫」を含む文章を検索していたが、ベクトルDBだと猫っぽい文章「タマのエサ」も検索にヒットさせられる。2020年代

AIの時代






2.3Dグラフィックは三角関数と行列計算のかたまり

この項で言いたいことは、
「3Dグラフィックは三角関数と行列計算のかたまりである。
GPUは3Dグラフィックスを専門的に行うものであるので、 GPUは三角関数と行列計算をCPUよりはるかに高速に処理できる。」
です。

NVIDIA等のGPUはもともと3Dグラフィックス処理を専門とする機械でした。
3Dグラフィックスを描くとき、画面上では座標の「回転」や「拡大縮小」が行われています。
これらはすべて、sinやcosを用いた回転行列によって計算されています。

具体例として立方体が回転する3Dグラフィックスのプログラム例を描いてみました。

Javascriptプログラム例

このプログラム例から言えることは(この項で言いたいこと)、
・行列計算をたくさんしている
・三角関数の概念を活用している
ということなのです。(AIの項と同じ)


3D 回転デモ

辺の長さ:

x' = x ・ cos(θ) - z ・ sin(θ)
z' = x ・ sin(θ) + z ・ cos(θ)

ソースコードの解説

このデモで使用している行列計算の核心部分関数は以下の通りです。

// 1. 立方体のローカル座標 (頂点データ)
const vertices = [
    [-1, -1, -1], [1, -1, -1], [1, 1, -1], [-1, 1, -1],
    [-1, -1,  1], [1, -1,  1], [1, 1,  1], [-1, 1,  1]
];

const edges = [
    [0, 1], [1, 2], [2, 3], [3, 0], [4, 5], [5, 6], 
    [6, 7], [7, 4], [0, 4], [1, 5], [2, 6], [3, 7]
];

// --- 【行列計算部分】 ---
// ラジアン角に変換
const rad = angle * Math.PI / 180;

/* * [ Y軸周りの回転行列 ]
 * | x' |   |  cosθ  0  sinθ | | x |
 * | y' | = |   0    1   0   | | y |
 * | z' |   | -sinθ  0  cosθ | | z |
 */
let nx = x * Math.cos(rad) - z * Math.sin(rad);
let nz = x * Math.sin(rad) + z * Math.cos(rad);

/* * [ X軸周りの回転行列 ]
 * | x'' |   | 1    0      0    | | x' |
 * | y'' | = | 0   cosθ  -sinθ | | y' |
 * | z'' |   | 0   sinθ   cosθ | | z' |
 */
let ny = y * Math.cos(rad * 0.5) - nz * Math.sin(rad * 0.5);
nz = y * Math.sin(rad * 0.5) + nz * Math.cos(rad * 0.5);

// --- 【スケーリングと投影】 ---
nx *= size; ny *= size; nz *= size;

// 透視投影 (遠近法): 奥(z)に行くほど座標を中央に寄せる
const distance = 400; 
const factor = distance / (distance + nz);

// 全頂点を行列計算で変換
const projectedPoints = vertices.map(v => project(v[0], v[1], v[2], size));

// 描画処理
ctx.strokeStyle = '#00ffcc';
ctx.lineWidth = 2;
edges.forEach(edge => {
    const p1 = projectedPoints[edge[0]];
    const p2 = projectedPoints[edge[1]];
    ctx.beginPath();
    ctx.moveTo(p1.x, p1.y);
    ctx.lineTo(p2.x, p2.y);
    ctx.stroke();
});

angle += 1; // 角度を更新
requestAnimationFrame(draw);






3.NVIDIAのCUDAは計算を高速化する

NVIDIAが覇権を握った理由は、この膨大な行列計算を「並列処理」で爆速にするCUDAというプラットフォームを構築したからです。
↑こういう説明を散々みました。で、CUDAって何?って話です

Geminiさんに最も典型的なCUDAプログラム例を作ってもらいました。

C++プログラム例(C++からCUDAを利用するのが王道みたいです)
#include <iostream>
#include <cuda_runtime.h>

// 1. GPUで実行されるカーネル関数
__global__ void matrixAddKernel(float *A, float *B, float *C, int N) {
    // スレッド番号の計算
    int i = blockIdx.x * blockDim.x + threadIdx.x;
    
    // 配列の範囲内であれば計算を実行
    if (i < N) {
        C[i] = A[i] + B[i];
    }
}

int main() {
    int N = 4; // 2x2 行列なので要素数は 4
    size_t size = N * sizeof(float);

    // 2. ホスト(CPU)メモリの準備
    float h_A[] = {1.0f, 2.0f, 3.0f, 4.0f};
    float h_B[] = {5.0f, 6.0f, 7.0f, 8.0f};
    float h_C[4];

    // 3. デバイス(GPU)メモリのポインタと確保
    float *d_A, *d_B, *d_C;
    cudaMalloc(&d_A, size);
    cudaMalloc(&d_B, size);
    cudaMalloc(&d_C, size);

    // 4. データをCPUからGPUへ転送
    cudaMemcpy(d_A, h_A, size, cudaMemcpyHostToDevice);
    cudaMemcpy(d_B, h_B, size, cudaMemcpyHostToDevice);

    // 5. カーネルの起動 GPUに処理を命令
    // 第1引数: ブロック数, 第2引数: ブロックあたりのスレッド数
    matrixAddKernel<<<1 n="">>>(d_A, d_B, d_C, N);

    // 6. 結果をGPUからCPUへ書き戻す
    cudaMemcpy(h_C, d_C, size, cudaMemcpyDeviceToHost);

    // 結果の表示
    std::cout << "Result Matrix (2x2):" << std::endl;
    for (int i = 0; i < 2; i++) {
        for (int j = 0; j < 2; j++) {
            std::cout << h_C[i * 2 + j] << " ";
        }
        std::cout << std::endl;
    }

    // 7. メモリの解放
    cudaFree(d_A);
    cudaFree(d_B);
    cudaFree(d_C);

    return 0;
}
このプログラムはだいたいこんな感じで処理されてます図↓




AIの処理をするプログラムの中にNVIDIAのGPU(CUDAライブラリ)を利用して処理するコードが直接書かれていて
世界中のデータセンターにCUDAプログラムが星の数ほど埋め込まれている
のです。
NVIDIAのGPUから他のメーカーのGPUに乗り換えるなら、
プログラムを修正しないといけないのが深い堀になっているのです。


話題が少しそれますが、
NVIDIAのGPU処理が高速な理由がGPUの並行処理が得意ということです。

1つのサーバーにCPUが1個、GPUが2個挿さっていて並行処理させるプログラム例

個人のPCでGPUを2枚挿している人もいますが、
AIデータセンターのサーバーでは8枚挿して並行に計算させるのが一般的なようです。


1つのサーバーにCPUが1個、GPUが2個挿さっていて並行に処理させる例
#include <iostream>
#include <cuda_runtime.h>

// 1つの列(2要素)を加算するカーネル
__global__ void addColumnKernel(float *d_A, float *d_B, float *d_C) {
    int i = threadIdx.x; // 0行目と1行目をスレッドで並列化
    if (i < 2) {
        d_C[i] = d_A[i] + d_B[i];
    }
}

int main() {
    // 2x2行列のデータ (列優先で考えると扱いやすい)
    // GPU 0用 (0列目): {A[0,0], A[1,0]} = {1, 3}
    float h_A0[] = {1.0f, 3.0f}; 
    float h_B0[] = {5.0f, 7.0f};
    
    // GPU 1用 (1列目): {A[0,1], A[1,1]} = {2, 4}
    float h_A1[] = {2.0f, 4.0f};
    float h_B1[] = {6.0f, 8.0f};

    float h_C0[2], h_C1[2]; // 結果格納用
    float *d_A0, *d_B0, *d_C0; // GPU 0用ポインタ
    float *d_A1, *d_B1, *d_C1; // GPU 1用ポインタ

    size_t col_size = 2 * sizeof(float);

    // --- GPU 0 の処理 ---
    cudaSetDevice(0);
    cudaMalloc(&d_A0, col_size);
    cudaMalloc(&d_B0, col_size);
    cudaMalloc(&d_C0, col_size);
    cudaMemcpy(d_A0, h_A0, col_size, cudaMemcpyHostToDevice);
    cudaMemcpy(d_B0, h_B0, col_size, cudaMemcpyHostToDevice);
    
    addColumnKernel<<<1 2="">>>(d_A0, d_B0, d_C0); // 0列目の計算開始

    // --- GPU 1 の処理 ---
    cudaSetDevice(1);
    cudaMalloc(&d_A1, col_size);
    cudaMalloc(&d_B1, col_size);
    cudaMalloc(&d_C1, col_size);
    cudaMemcpy(d_A1, h_A1, col_size, cudaMemcpyHostToDevice);
    cudaMemcpy(d_B1, h_B1, col_size, cudaMemcpyHostToDevice);

    addColumnKernel<<<1 2="">>>(d_A1, d_B1, d_C1); // 1列目の計算開始

    // --- 結果の回収 ---
    cudaSetDevice(0);
    cudaMemcpy(h_C0, d_C0, col_size, cudaMemcpyDeviceToHost);
    
    cudaSetDevice(1);
    cudaMemcpy(h_C1, d_C1, col_size, cudaMemcpyDeviceToHost);

    // 結果の統合表示
    std::cout << "Result Matrix (Combined from 2 GPUs):" << std::endl;
    std::cout << h_C0[0] << " " << h_C1[0] << std::endl; // 0行目
    std::cout << h_C0[1] << " " << h_C1[1] << std::endl; // 1行目

    // 解放 (各デバイスをセットしてから解放)
    cudaSetDevice(0); cudaFree(d_A0); cudaFree(d_B0); cudaFree(d_C0);
    cudaSetDevice(1); cudaFree(d_A1); cudaFree(d_B1); cudaFree(d_C1);

    return 0;
}
GPUに並行処理させたいときもプログラムで制御するようです。
並行処理をさせるとGPU1個あたりの処理量が減るので処理時間の大幅な短縮になります。

GPUを並行処理させるというのは一般的なやり方で
↓図はLINEヤフーの引用ですが、



(1サーバーにCPU=1、GPU=4)×2サーバーの図で、
NIC(LANケーブルを挿しこむ穴の機械)8つを介したネットワークで接続されることで
プログラムは8つのGPUを認識できるようになります。
※NICはGPUに対して必ずしも1対1である必要はないが、
NICが少ないと、GPUからデータが殺到したときに送信待ちが発生してしまい、
高価なGPUが送信待ちで遊ばせるのはもったいないから1対1が最も効率的な可能性が高いと思われます。

ネットワーク接続のケーブルは短くて太い銅線であったり、長くて細い光ファイバーであったりしますが、
チップ間のデータ送受信は「チップ(電気)→ 基板(電気)→ NIC(電気)→ 【光モジュールで変換】 → 光ファイバー」
というように「電気+銅線」「光+光ファイバー」で混在していたものをチップで光に変換することで
データ送受信速度をさらに向上させようという技術が次世代の光電融合といわれています。

データセンターでAIサーバーを構築するためにはCPUはそれほど必要ではないが、
GPUやケーブルが大量に必要になってくるのです。

また、この図にはありませんがメモリDRAMも大量に必要になります。
たとえば動画の学習をするさい、動画1ファイルあたり容量が1GBを超えることはよくあります。
GPUのなかのメモリVRAMにおさまらなければメモリDRAMに一時保存をしながら処理しますので、
メモリDRAMもあればあるだけ嬉しいという性格のものです。





4.NVIDIAの牙城を崩すもの

NVIDIAのCUDAエコシステムがAI計算の標準となっています。
ライバルのAMDの「ROCm」やGoogleAIクラウド専用の「TPU」に加え、
クラウド企業の「独自ASIC(Trainiumなど)」が依存を減らす動きとして台頭しています。

依存を減らす動きというのは、ソフトウェアの観点では
サンプルプログラムにあったCUDAエコシステム「cuda_runtime.h」を前提としたプログラムを
AMDで動く命令に置き換えてGPUもプログラムも置き換えてしまう動き、
どんなGPUやTPUでも動く共通言語「Triton」や「PyTorch」が普及する動きがあります。
NVIDIA自身もCUDA縛りからマルチプラットフォームに舵を切っています。

ハードウェアの観点では競合がいろいろ出てきてて、
ブログ主の主観で評価するとこんな感じのようです(異論は認める)

種類企業チップ主な機能性能柔軟性価格
GPUNVIDIARubin行列計算・並列処理・画像描画高高高
GPUAMDMI350行列計算・並列処理・画像描画高高中~高
カスタムASICGoogleTPU(Tensor Processing Unit)行列計算(AI学習・推論特化)極高低低~中
カスタムASICMetaMTIA行列計算(AI推論・レコメンド特化)高低低
カスタムASICMicrosoftMaia行列計算(LLM推論特化)高低中
カスタムASICAmazonTrainium/Inferentia行列計算(学習・推論)高低低~中

ちなみにMicrosoftのコンピューター機器の減価償却期間は2年~6年とされています。
個人向けNVIDIAのGPUは2年ごとにバージョンアップされますが、
AIサーバー向けGPUはそんなに頻繁に買い替えるのか?
最初は処理が重い学習用のAIサーバーで利用して、
2年で性能が陳腐化したら推論用のAIサーバーに転用するのかもしれません。(わかりません)


チップのニュースで「TSMCの3nmプロセス」という言葉をよく見ます。
原子の大きさは0.1~0.3nm程度なので、半導体は原子数十個ほどのスケールで作られる非常に精密な技術です。
マスク(型枠)を使って回路をチップに焼き付ける機械(露光装置)を作っているのがASMLで、 最先端のEUV露光装置はほぼASMLだけが作れます。
また、その回路を写すためのマスク(型枠)の欠陥を検査する装置で強いのがレーザーテックだそうです。

5.AIの学習が終わったその後

内閣の成長戦略会議の引用です。
・これまでインターネット上の大量のテキストデータを学習し、性能を向上させてきた生成
AIも、昨今では目前に迫っている「学習データの枯渇」が大きな問題に。
・今後は、全世界で流通するデータの6割を占める企業内データ(≒エンタープライズデータ)
の利活用が産業戦略上の焦点に。
これまではGAFAを中心にネット上のきれいなデータを学習するステップでした。
これから各企業がAIを利用するなら企業内の秘密データを覚えさせる(インデキシング)必要があります。

ただ、企業内のデータの問題として
・紙しかない
・会社合併の名残で合併前2社のデータフォーマットがばらばら
・蓄積されたデータがそもそも少ない、偏っている

という問題がでてくるような気がして
そういうデータをクレンジングするサービス(SIer?)の需要が徐々に生まれてくるんじゃないかと思うんです。


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2026/02/18

(6101)ツガミ 予想PER14倍 予想配当1.9% 自動旋盤機械メーカー


自動旋盤機械メーカーの(6101)ツガミを新たに買いました。

主に中国視点で調べたことを、以下の目次に沿って書いてみます。
1.会社概要:製品、子会社「津上精密機床(中国)」との関係
2.中国の自動車について
3.中国のAIサーバーについて
4.中国のフィジカルロボットについて
5.まとめ


■どんな会社?


<製品>


棒状の金属を投入すると、自動車等に使われる部品(例えばスクリューやナット)が出てくる機械を作っているようです。
ブログ主が作ったイメージ図↓



中国向けの売上が70%を越えています。
中国向けの売上は主に香港上場子会社の(01651)津上精密機床(中国)が担っています。


chatgptやgeminiに聞くと、
自動旋盤の評価ポイントは一般的に以下のような観点で評価されるみたいです。

・生産性(スピード)
・精度・安定性(正確性)
・高稼働耐久性
・剛性・加工能力(硬い素材を削れる)
・操作性・制御性能
・コスト

日本、欧州のメーカー→高品質+高価格
中国のメーカー→低品質+低価格

津上精密機床(中国)のANNUAL REPORT(日本でいう有価証券報告書)では
「『高速・高精度・高剛性』を品質目標とし、業界顧客から広く高い評価を得ている。」と記載されています。

また、中国の証券会社レポートで津上精密機床(中国)は
「コスパがよい」という評価を受けてました。


<子会社:津上精密機床(中国)>


2025年3月時点で66.4%を保有しています。
津上精密機床(中国)の2025年3月末売上が4,261(百万人民元)
為替レートをかけると88,064(百万円)となって、
ツガミの中国セグメントの売上とほぼ一致します。



津上精密機床(中国)をみれば、ツガミの7~8割は説明できるんじゃないかと思っています。
(ツガミの決算関連資料がとてもシンプルなので、併せて見る必要があると思ったのです。)


セグメント別の売上です。1枚目は日本のツガミ。2枚目は中国の津上。






日本と中国でセグメント分けが異なりますが、以降は中国中心に見ていきます。





■中国の自動車について


まず、津上精密機床(中国)の2025年9月のINTERIM REPORTで
「自動車分野はCNC工作機械の需要が3年間の上昇サイクルを経た後、調整局面に入る可能性がある。」
と記載されています。

ここでいう自動車分野はおそらく新エネ車に限らず、ガソリン車、トラック等も含んでいます。

その後の自動車販売台数の推移については、
CAAM(中国自動車工業協会)の2025年12月まで統計がこれです↓



2026年1月は、生産が245万台(+0.0%)、販売が235万台(-3.2%)
そのうち新エネ車、生産が104万台(+2.5%)、販売が95万台(+0.1%)
輸出は68万台(+44.9%)、新エネ車輸出は30万台(+100%)

調整局面に入ったかどうかはブログ主はなんとも言えない気がします。


別の視点として、中国政府が新エネ車を「量から質」へ転換を図っている?とも考えられ、
それがツガミのような高品質メーカーには追い風が吹く可能性も
少しはあるんじゃないかという気がします。

新エネ車買替の補助金が、2025年:一律20,000元→2026年:価格の12%に変更になり、
高価格帯(20万元~)の購入が相対的に有利になりました。

高級車を作るためにいろんな機能を詰め込もうとしたら
車は駐車場より大きくできないから、小さな部品をたくさん使うことになって、
それはツガミの得意分野ではないかと妄想するのです。

■中国のAIサーバーについて


まず、津上精密機床(中国)の2025年9月のINTERIM REPORTで
「液冷用クイックコネクタの加工において優れたコストパフォーマンスを誇っており、
これが2026年度および2027年3月期(次会計年度)の売上を牽引する主動力になると期待されています。」

と記載されています。

詳細の説明は以下のとおりです。



パワポを日本語にすると、
・市場全体の需要のうち、ストレート型液冷コネクタが8割を占めています。その中でも、当社の主力製品である自動旋盤を用いて加工されたコネクタは、極めて大きな優位性を備えています。
・現在、液冷用コネクタの加工技術は概ね確立されており、業界は設備の大量調達フェーズへと移行しています。
・2025年1月から9月にかけて、すでに数十社のお客様と設備発注の契約を締結しており、これは国内受注全体の約5%を占めています。
・同業界への浸透は会計年度の下半期から本格化する見通しであり、2027年度における当社の業績成長を牽引する主要な原動力の一つになると期待されています。
→その結果、
AI液冷セクターが特に好調な推移を見せました。
売上高は約1億2,000万人民元に達し、国内売上全体の5.2%を占めるなど、主要な成長ドライバーの一つとなっています。

液冷はデータセンターに置かれるコンピューターを冷やす方法の1つで、
従来の空冷では発熱に追いつかなくなって、液冷が急拡大している。と言われるんですが、
(ここからはブログ主の妄想)液冷(水みたいなもの)をコンピューターの中に入れる場合、
絶対に液漏れしてはいけないから、精度の高い加工ができるツガミのような機械から出てくる部品が好まれるのではないかと。


中国で液冷が拡大する理由が2つあります。、
・空冷だと電力効率が悪すぎる(電力効率PUE値に関する政策目標がある)
→電力効率PUE値は2024年の発表で、2025年で1.5以下、2030年で国際的に先進的なレベルを目標にしています。

・チャイナモバイル、ユニコム、テレコムの通信3社(データセンターの合計シェア50%とみられる)が液冷を大量導入の計画
→2023年に3社共同で「電信運営商液冷技術白皮書」を発表しました。
2023年:技術検証
2024年:新設データセンターで10%以上液冷採用
2025年以降:新設データセンターで50%以上液冷採用

IDCの予測(2025年8月時点)では、液冷普及率を2025年20%、2026年37%。2024年から2029年のCAGRが46.8%と予測しています。

■中国のフィジカルロボットについて


フィジカルロボットについての説明です。



パワポを日本語にすると、
・当社の機械の多くは、ヒューマノイドロボットの基幹部品である遊星ローラーネジ(プラネタリー・ローラースクリュー)、ハーモニックドライブ(波動歯車減速機)、遊星減速機などのコアコンポーネントの製造に活用可能です。
・2025年1月から9月にかけて、すでに数十社のお客様から設備受注を確保しており、その対象は自動旋盤、タレット旋盤、円筒研削盤、転造盤(ねじ転造機)など多岐にわたります。
・現在、ヒューマノイドロボット産業は依然として探索的な研究開発段階にあります。当社は今後も業界動向を注視し、お客様のニーズに迅速に対応してまいります。

→顧客の数が2025年で9000を超えている中で数十社の受注ということから、
現段階での売上は会社全体の1%にも満たない金額と推測します。



■まとめ


自動車向けの売上が弱くなるかと思っていたら
2026年3月期第3四半期の業績はむしろ成長が加速していました。

中国の自動車生産が海外現地にシフトしている点や、
香港株の津上精密機床(中国)より、日本株のツガミのほうが持分を考慮して
時価総額が安く見えたので日本株のツガミのほうを買いました。


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2025/12/06

(00697)首程控股 予想PER25倍 予想配当6.8% 人型ロボット


中国の十五次五ヶ年計画(2026~2030年)の前段の会議で有望とされている
ヒューマノイドロボットのことを調べていたら(00697)首程控股にたどり着きました。

ヒューマノイドロボット業界全般のこと、(00697)首程控股のことを書いてみます。
※この記事内の引用元が英語、中国語の場合、chatgptの翻訳を載せています。


----------目次----------
1.ヒューマノイドロボット業界について(概要)
2.ヒューマノイドロボット業界について中国政府方針
3.ヒューマノイドロボット業界の課題
4.ヒューマノイドロボットのコスト構造
5.(00697)首程控股のこと


■1.ヒューマノイドロボット業界について(概要)


ロボットは従来の産業用ロボット、新しいサービスロボットの2種類にわかれます。
従来の
産業用ロボット
新しい
サービスロボット
・導入に数週間~数か月かかる
・作業変更の柔軟性がない
・導入時間を大幅に短縮可能
・環境変化に強い

新しいロボットについては、経済産業省では2030年頃から急速に拡大すると予測しています。





ヒューマノイドロボットの利用シーンが最初はイメージわかなかったんですが、
”ドラえもん”ってイメージしたら頭にスッと入ってきて、
工場、清掃、警備、介護、災害現場等が想定されているようです。



代表的な企業として、以下の企業があります。



また少し古い2022年の情報として、中国におけるシェアは以下の通りです。



2年程度でトップ企業が入れ替わってしまう世界ではないかと思います。

こちらはCOBOT(稼働可能なロボットアームを備えたロボット)という分野のシェアです。



2025年12月時点で中国に上場してるロボット系企業です。
(ブログ主調べで誤りがあるかもしれません)
銘柄コード銘柄名備考
0697首程控股投資会社
2238広州汽車人型ロボット
2432DOBOTロボットアーム
2451緑源集団ロボット部品
2498速騰聚創科技ロボット部品
2590Geek+人型ロボット(倉庫作業)
2670北京雲跡科技人型ロボット(ホテル)
6098碧桂園服務人型ロボット(清掃)
9868小鵬汽車人型ロボット
9880UBTECH人型ロボット
002050三花智控テスラ部品
002600広東領益智造ロボット部品
002896寧波中大力徳智能伝動ロボット部品
300503昊志机電ロボット部品
601689寧波拓普集団テスラ部品
603119浙江栄泰電工器材ロボットアーム
688017蘇州緑的諧波伝動科技股分ロボット部品
688322奥比中光ロボット部品
上場準備中UDITECH人型ロボット
上場準備中Unitree Robotics人型ロボット
上場準備中SEER Robotics人型ロボット


ここまでの記事は主に以下の記事を参考にさせていただきました。
経済産業省 AIロボティクス検討会 とりまとめ(20251008)
野村総研 中国における人型ロボット産業の現状と将来展望(20250718)
三菱総研 前編 ヒューマノイドロボットへの期待:社会実装される5つの意義(20250609)

■2.ヒューマノイドロボット業界について中国政府方針


中国政府は、十五次五ヶ年計画(2026年~2030年)の前段の会議(20251028)で
以下のような方針を打ち出しています。

3. 近代的な産業体系の構築と実体経済基盤の強化
(8)新興産業および未来産業の育成・拡大
・新興支柱産業の構築に注力
 産業イノベーションプロジェクトを実施し、革新施設の整備、技術研究開発、製品の反復的アップグレードを一体的に推進する。
 新エネルギー、新素材、航空宇宙、低空経済などの戦略的な新興産業クラスターの発展を加速する。

・産業エコシステムの整備
 新技術、新製品、新しい利用シナリオの大規模な応用・実証を実施し、新興産業の規模拡大を促進する。

・未来産業への先見的な布石
 多様な技術路線、典型的な応用シナリオ、実現可能なビジネスモデル、そして市場規制ルールを探索する。
 量子科学技術、生物製造、水素エネルギーと核融合エネルギー、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)、具身型知能(Embodied Intelligence)、第6世代移動通信(6G)などを新たな経済成長の柱にする。

・イノベーションの推進と規制改革
 規制方式を革新し、ベンチャーキャピタルを発展させ、未来産業への投資拡大とリスク分担のメカニズムを確立する。

・中小企業とユニコーン企業の育成
 中小企業の「専門特化・精密・独自・革新」の発展を促進し、ユニコーン企業を育てる。

市場規制ルールについては、おそらく標準化や最低限の品質保証ではないかとブログ主は思います。
20251103に清掃ロボットの基準が発布されました。
・清掃性能細分化(清掃、吸塵、塵押し、端部清掃)の性能指標
・運動性能評価(速度、障害物・段差を越える能力、脱困能力)
・安全性、騒音、環境への配慮

中国政府がロボットバブルを懸念する発言がありました。
ブルームバーグ 中国ロボット関連株に過熱警報





■3.ヒューマノイドロボット業界の課題


中国で書かれた課題の記事を2つ見つけました。
経営に失敗して倒産した事例を分析したものです。

記事1(中国語)
・消費電力の問題 自由度を上げることと、消費電力、バッテリー寿命、重量、コストの間でトレードオフ
・感知と精度の問題 複雑な環境下で誤差が大きい
・サプライチェーンと部品の輸入依存 日本やドイツへの依存
・量産のハードルの高さ、サプライチェーン未成熟
・商業化シーンが限定的でコスト回収が難しい

記事2(中国語)
・家庭用 市場規模が小さく、機能がスマホアプリやスマートスピーカーなどで代替されやすい
・高コスト
・母体企業からの過度な依存 資金繰り
・ハードウェアコストが高く、付加価値(+継続購入・利用)が低い
・研究・実験レベルの「科研試作機/サンプルマシン」 市場投入されない
・万能型家庭サービスロボット 家庭ユーザーの支払い能力やニーズとの乖離が大きい

ほかに見かけて印象的だったのは、ロボットが問題を起こしたときの責任の所在は?ということが挙げられてました。


■4.ヒューマノイドロボットのコスト構造


産業用インテリジェントロボットのコスト構造は、代表例として AMR を挙げると、認知、制御、駆動、電源システムの合計コストは総コストの 70% 以上を占める。

ナビゲーション用 LiDAR などの主要コンポーネントのコストは継続的に低下しており、平均価格は 2020 年の 1.21 万元から 2024 年には 0.77 万元に下がり、2029 年には 0.53 万元までさらに低下すると予測されている。



このコスト低下の主な要因は、技術の成熟、確立された標準化された生産プロセス、高度に統合されたモジュール、国内での規模生産によるものであり、ナビゲーション LiDAR はより信頼性が高く、手頃な価格になっている。

このコスト効率により、ロボットソリューションはよりアクセスしやすく競争力のあるものとなっている。
市場のさらなる成熟と導入規模の拡大に伴い、これら重要コンポーネントのコストはさらに低下し、より広範な産業への産業用インテリジェントロボット導入が加速すると見込まれている。

コストの 10~20% を占めるロボット制御システムは、プリント回路基板(PCB)、集積回路(IC)チップ、トランジスタ、抵抗器、コンデンサなど、多種多様な電子部品に依存している。
世界最大の PCB基板生産基地である中国本土は、世界の生産額の 50%以上を占めている。
中国における PCB の平均単価は、2020~2022 年パンデミックによる銅鉱山の操業停止が供給不足を招き変動が生じた。
2029 年には 1 平方メートルあたり 609 元までさらに低下すると見込まれている。


この項は、2025年11月28日SEER Robotics社のIPO資料をもとに書いています。


■5.(00697)首程控股のこと


ここまでのことを踏まえて
・どの企業が勝ち残るかわからない
・キャッシュフローがとにかく大事
ということをブログ主は優先的に考えて、
ロボットメーカーに投資する企業の(00697)首程控股が
良さそうに思いました。

会社の概要としては、
・主に空港の駐車場運営が本業(主要空港を押さえていてキャッシュフローが安定)
・ロボット企業数十社に投資している
・ロボット企業に運営中の駐車場で実戦させてデータ検証を重ねてる
・ロボット体験店を2025年に1号店オープンして以来、20店舗を目指している
という唯一の特徴があるような気がします。

DBS銀行のアナリストレポート(中国語)がほとんど同じこと言ってます。

事業セグメントごとの売上と事業内容です。



①Carpark income事業(2022年annual reportより)
 2022年、資産運営による収益は5億8,300万HKドルで、前年同期比で8.5%減少しました。
 2022年に収益が減少した主な原因は新型コロナウイルスの影響です。
 感染症対策期間中、大型交通拠点(空港など)の駐車場における収益規模が急激に減少しました。

駐車場運営権を受注した代表的な施設
  • 2018年 北京大興国際空港
  • 2018年 上海虹橋空港
  • 2018年 貴陽龍洞堡空港
  • 2018年 北京中日友好医院
  • 2018年 北京駅
  • 2019年 上海浦東国際空港
  • 2019年 南京市秦淮区の公共駐車場
  • 2019年 北京首都国際空港
  • 2020年 ボアオ国際空港
  • 2020年 唐山駅
  • 2021年 寧波櫟社国際空港
  • 2021年 鄭州新鄭国際空港
  • 2021年 張家口寧遠空港
  • 2021年 昭通空港
  • 2022年 西安咸陽国際空港
  • 2023年 広州白雲国際空港
  • 2023年 北京豊台駅
  • 2024年 ラサ・クンガ国際空港
  • 2024年 天津浜海国際空港


②Fund management services事業(2018年annual reportより)
 ・2017年末に「京冀協同発展示範区(唐山)基金管理有限公司」を買収
 ・2018年12月31日時点で、京冀キャピタルが運用または管理するファンドは17本、その目標募集総額は約300億元
 ・ファンドの投資家は、中国農業銀行、招商銀行、中国人寿保険、北京市、河北省、吉林省、四川省、黒竜江省などの地方政府系ファンド投資機関
 ・ファンドの主な投資対象は、駐車場関連インフラの建設および既存パーク(施設)の再開発
 ・併せて、医療・ヘルスケア関連の消費高度化分野、新エネルギー自動車部品・設備製造分野、および先端技術分野への投資も検討

③Leasing income事業(2019年annual reportより)
 ・グループは、各種オフィス物件および駐車場資産をリースしている。
 ・リース契約の期間は通常1年から20年ですが、延長オプションが含まれる場合がある。
 ・リース期間は個別に交渉され、さまざまな条件や条項が設定されている。

④service concession Agreement事業(2020年annual reportより)
 ・グループの建設サービス
 ・サービスコンセッション契約に基づく建設サービスの収益は、原価プラス方式(コストプラス)で見積もられ、契約日現在の同様の建設サービスに適用される市場の粗利益率を参照して算定

⑥Excess return from investment funds事業(2021年,2024年annual reportより)
 ・インフラおよび不動産ファンド管理事業においてファンド分配を認識
 ・インフラおよび不動産ファンド管理の分野において、グループは「ファンド+拠点+産業」という不動産金融モデルを採用し、産業体の開発、管理、運営、エグジット(投資回収)に参加することで、ファンド投資を通じて産業資源をカバーし、資産価値の向上を図っている。
 ・株式投資がエグジット段階に入ったときの超過リターン

 ・グループの新規投資プロジェクトは、車両向けの自動運転ソリューションや、人工知能チップなど関連分野に関連している。
 ・あるファンド投資では収益分配が開始され、グループに初回の超過リターン(税引前)として2億5,800万香港ドルをもたらした。
 ・投資済みプロジェクトの引き揚げに伴い、現在グループが管理しているファンドは順次分配される予定で、これにより相当のリターンが生み出される見込み。

 ・2024年、中国の主要企業10社以上に投資しており、対象分野は組み込み型知能、ヒューマノイドロボティクス、高インパクトシナリオで活用されるロボットなど。
 ・具体的には、Unitree Robotics、Galbot、Galaxea.ai、Narwal、X Square Robot、Noetix Robotics、Rossum Robot、X-Magtech、TowardPi Medicalなどが含まれる。
 ・今後2~3年で、さらに40~50社のトップティアのロボティクス企業に追加投資を行い、卓越した起業家とともに急速な成長を支援する予定。

 ・グループは全国の駐車場および商業施設、産業パーク、アパートメントなど多様な事業分野を網羅している。
 ・これらの場所は、清掃ロボット、警備ロボット、案内ロボットの実運用シナリオによる検証の場として活用可能。
 ・実際の運営データをロボット製品にフィードバックしてアップグレードを行うことで、グループは「技術検証-製品アップグレード-大規模適用」のチェーン全体を接続することを目指している。

 ・このアプローチにより、「資本+産業」の深い統合が促進され、ヒューマノイドロボットを含む高品質企業の事業化プロセスの加速が実現される。

この企業が投資しているUnitree、GalbotはNVIDIA基調講演時に上がったロボットのメーカーであり、
Unitreeは中国本土への上場手続きが進められています。

Unitreeのロボットは日本企業でも実証実験をされており、
生き残る可能性がある会社の1つではないかと個人的に思います。

JR東日本の実証実験例
オリエンタル白石の実証実験例

2025年の予想配当利回りが6%を越えてますが、
特別配当が含まれていて、通常は2%くらいです



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