15年10年減配してない(00032)クロスハーバーについて
実績PER 3倍
実績配当利回り 3.2%(四半期配当)
時価総額 約600億円
スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・第一配当 権利落 6月下旬→支払 6月下旬
・中間配当 権利落 9月初旬→支払 9月中旬
・第三配当 権利落 12月中旬→支払 12月下旬
・期末配当 権利落 5月下旬→支払 6月初旬
※中国 連続減配なし銘柄(10年以上)の一覧
■どんな会社?
香港で、高速道路運営、自動車教習所、トンネル運営を行います。
高速道路は、ETCシステムを運営しています。
当社のETCタグをつけた車が、香港の高速道路を利用することで収入が決まるようです?
自動車教習所は、3件運営しています。
トンネル管理は、「Western Harbour Tunnel」「Tate’s Cairn Tunnel」がメインです。
世界で最も混雑する道路の一つといわれている「Cross-Harbour Tunnel」を
管理する目的で1965年に設立された当社ですが、
所有管理権が1999年に終わり、「Cross-Harbour Tunnel」が香港政府に戻りました。
ところが、政府との運営契約を行い運営は2010年まで当社が続けていたようです。
「Central-Wanchai Bypass」が2019/1/20にオープンしました。
各事業は、子会社への投資を通じて行っています。
■配当履歴
2000 0.200
2001 0.200(-)
2002 0.200(-)
2003 0.200(-)
2004 0.250(+25%)
2005 0.280(+12%)
2006 0.300(+7%)
2007 0.240(-20%)
2008 0.300(+25%)
2009 0.300(-)
2010 0.300(-)
2011 0.300(-)
2012 0.300(-)
2013 0.300(-)
2014 0.330(+10%)
2015 0.350(+6%)
2016 0.350(-)
2017 0.380(+8%)
四半期配当がポリシーになっており、2000年から続いています。
以前は、第一四半期配当が7月ごろでしたが、早期化し、
期末配当が5月ごろから6月ごろに変わってきており、
6月に2回配当を受け取るスケジュールになっています。
■業績
・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
Revenue 売上 |
290 (-) |
343 (+18%) |
397 (+15%) |
431 (+8%) |
461 (+6%) |
Profit for the year attributable to Equity shareholders of the Company 最終利益 |
440 (-) |
472 (+7%) |
619 (+31%) |
410 (-33%) |
1180 (+187%) |
Net cash generated from operating activities 営業CF |
81 | 88 | 99 | 123 | 79 |
Net cash generated from investing activities 投資CF |
450 | 655 | 267 | 848 | 423 |
Net cash used in financing activities 財務CF |
-144 | -145 | -154 | -165 | -164 |
Payments for purchase of property, plant and equipment 設備投資(投資CF) |
-3 | -21 | -53 | -32 | -31 |
Payments for purchase of available-for-sale securities trading securities 有価証券投資(投資CF) |
-9 | -150 | -467 | -215 | -243 |
Dividends received from associates 配当受取(投資CF) |
414 | 649 | 684 | 761 | 804 |
Dividend paid 配当支払(財務CF) |
-111 | -111 | -124 | -129 | -129 |
売上よりも関連会社等からの配当受取金額のほうが多く2倍近くあります。
サラリーマン的な例えをすると、給料より、投資の配当金のほうが多いという状態です。
かなり有価証券の保有が多いことが推測されます。
バランスシートを確認しました。
現金と有価証券だらけです。
主な有価証券投資先の投資状況を整理しました。
画像が小さくて見づらい場合は、下の簡易表をご参照ください。
全社に占める各事業(主な関連会社)の貢献割合が見えてきます。
全社 | 教習所 | トンネル | 高速道路 | |
売上 | 461 | 402 | ||
その他利益 | 605 | 133 | ||
持分法投資利益 | 596 | 596 | ||
最終利益 | 1180 | |||
営業CF | 79 | |||
配当受取(持分法) | 804 | 804 | ||
配当受取(合弁) | 5 | 5 | ||
配当受取(上場) | 6 | |||
配当受取(非上場) | 8 | |||
投資CF | 423 | |||
財務CF | -164 | |||
現金残高 | 3018 | |||
会社コメント 2017末時点見通し | 市場縮小 見通し | WHTCL: 所有管理権2023年まで TCTCL: 所有管理権2018/7まで | 成長横ばい or減少 |
売上構成で考えますと、教習所の売上が9割近くで主力事業に思えますが、
利益やキャッシュフローから考えますと、トンネル事業が主力事業に思えます。
高速道路のETCシステムは比率としては低いでしょう。
2017年期末の会社コメントですが、教習所は市場縮小見通しと書いています。
Though the economy is expected to continue to display strength, the outlook on the driving training industry, however, does not appear to be ecstatic in the coming year as the market size is expected to shrink after the continued upward trend in the last ten years and price competition among driving school operators remains vigorous.
トンネル事業は、Western Harbour Tunnel(WHTCL)が2023年まで、
Tate’s Cairn Tunnel(TCTCL)が2018年までの所有管理権と書いています。
TCTCLは権利がすでに切れていますが、その後の取り扱いは見つけられませんでした。
かつてのクロスハーバートンネルのように、香港政府と運営契約を別途結んでいるかもしれません。
■感想
当社の投資内容がとても複雑です。
ざっくりとしたイメージは、関連会社からの配当をもらい、
そのお金を株に再投資しています。
株主にもその中から安定的な配当を支払っています。
ですので、株の投資損益、評価損益で当社の利益は大きく左右され利益予想が困難です。
事業の将来会社見通しが悲観的なところもあります。
現状のPERが割安に放置されていますが、
こういう複雑さが投資を敬遠される理由なのでは?と推測します。
株価の値上がりが期待できないとなると、配当ですが、
現状のキャッシュフロー収入と、現金残高から考えると、
もっと配当を出してもらいたい感じがします。
ほかの高速道路株と同じかそれ以上に配当6%以上~くらい出してくれると
投資を考えてみたいという感想です。
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