感覚的に
売上-費用=利益
だから、一般的には、売上より利益は小さくなりますよね?
ある中国企業の決算をみていて、毎年、売上より最終利益が大きい会社がありました。
(この条件にあてはまりますが(01038)長江インフラではありません。)
例えば、
・売上 :100
・営業利益:20
・特別利益:300
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・最終利益:320
のような決算をしている会社です。
バランスシートを見ていて、PERや配当性向の有効性がややこしかったので、
ブログ主の頭の整理のため
どういう要因で起きるのか考えてみました。
※注意事項 以降ででてくる図や表は大枠をとらえるために
条件や内容等、実際のルールをかなり簡素化しております。
ですので、あてはまらないケースはたくさんあります。
■連結決算の場合分け
条件 | 取り扱い |
50%をこえる投資 | 連結子会社 |
20%~50%投資 | 持分法 |
20%未満の投資 | 売買目的有価証券 or 売却可能有価証券 |
※実際の条件はもっと複雑です。
■連結子会社
図の矢印は連結決算時に影響される項目を表しています。
親会社は、子会社へ(50%~)投資します。
連結決算のときに子会社のバランスシートや損益計算書の内容が
親会社のほうへ合算され、開示されます。
投資分の株式は合算時に相殺され出てきません。
売上-費用=利益 となりやすく、直感的にわかりやすいです。
■持分法
親会社は持分法(20%~50%の範囲)で投資します。
連結決算のときに投資先の最終利益が持分に応じて親会社のほうへ合算されます。
売上等の情報が親会社の決算書に出てこないです。
このようなケースでは、「たとえば小売業における店舗数」といった情報が
開示されないということがあり得そうです。
持分法の利益が、全体利益の大部分を占めるようなケースでは、
今後の売上予想を考える場面で不確実な経営情報が多く、リスクが高いと考えられます。
また、持分法会社からの配当が大きい場合は、
キャッシュフロー計算書に記載される金額が、親会社の売上をこえることがあります。
親会社が株主へ配当を支払う際の強い元手になるかもしれません。
■有価証券投資
親会社は売買目的等(20%未満)で投資します。
連結決算のときに投資先の配当が親会社の利益へ合算されます。
おなじく、売上等の情報が親会社の決算書に出てこないです。
売上等の経営情報が少なくなりそうなのがリスクと考えられます。
投資先からの配当が大きい場合は、親会社の売上をこえることがあります。
有価証券が値上がりして評価益が大きい場合は、親会社の売上以上の利益となることがあります。
感覚的に、有価証券の評価損益は配当受取と比較すると一時的な要因となりがちな感じがします。
■まとめ
投資の割合が連結子会社(50%)に届かない範囲の投資がメインとなっている企業では、
利益が膨らんでいくケースがあります。
バランスシートの現金と、有価証券が大きくなりそうです。
投資先の経営情報開示が十分ではない可能性がリスクです。
これらの点を考慮して配当が持続可能であるのか等考えて投資をするのがよさそうです。
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