2019/01/30

(03393)威勝控股 減配なし13年 配当5.7%

13年減配してない(03393)威勝控股について

予想PER 11倍
予想配当利回り 5.7%
時価総額 約570億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末配当 権利落 5月下旬→支払 6月中旬
※期末一括配当

中国 連続減配なし銘柄(10年以上)の一覧

■どんな会社?


エネルギー(電気、ガス、水道)のメーターを作る会社
メーターは、最新のスマートグリッドです。
検針員等が不要となるように、リアルタイムのデータ送受信を行えます。

研究開発にフォーカスしており、おそらく、自社で設計開発を行っています。
ハイエンド製品では、中国本土におけるシェアが20%をこえます。
当社の製品を使用することで、エネルギーの省エネ化等を促進できます。

<当社の製品>


















住居用の電気メーター的なもの?
設計寿命10年。




大規模蓄電池?
電池の寿命10年。




太陽光の電気メーター?



電気自動車の充電用電気メーター?


これらの製品を、Advanced Metering Infrastructure(AMI)と呼ばれる技術で
開発してきました。世界中でも10年ほど前から開発されてきていました。

<AMIの特徴>

一世代前のデジタル式電力計の技術は、米国の電力業界ではAutomated Meter Reading (AMR)と呼ばれる。
AMRが導入された電力事業者では、電力計に内蔵された赤外線通信機能などによって、
検針員が歩きながらセンサーの付いた自動検針器を電力計にかざして検針したり、
自動車に乗ったまま電力計の付近を通過することで消費電力データの収集を半自動的に行ったりしていた。

しかし、電力データの検針に人手が介在するという意味では、
従来型のアナログ電力計とそれほど大きな違いはない。検針の頻度も月に一回だけで、従来と変わらない。

AMRのこのような課題は、デジタル電力計に双方向通信機能を追加することによって解決された。
これが、スマートメーターである。スマートメーターやそれに接続された通信網などを含む、
電力消費データ取得に関連する基盤技術は、スマートグリッドではAdvanced Metering Infrastructure(AMI)と呼ばれる。

スマートメーターやAMIの仕組みは、電力消費データを、人手を介在せず自動的に計測し、
毎日あるいは毎時間といった多頻度で電力事業者に送信することを可能にした。
これによって、従来は困難であったピーク需要時の電力需要動向のリアルタイムでの把握、
時間帯や電力需要によって動的に変動する電力料金プランの設定と適用、
それに基づく電力需要抑制やピークシフトといったデマンドレスポンス(需要応答)の操作までを
すべて自動化することができるようになったのである。



ニュースサイト「産業イノベーション」より

■配当履歴


2005 0.05512
2006 0.07000(+26%)
2007 0.09000(+28%)
2008 0.11000(+22%)
2009 0.11000(-)
2010 0.11000(-)
2011 0.15000(+36%)
2012 0.18000(+20%)
2013 0.21000(+16%)
2014 0.24000(+14%)
2015 0.24000(-)
2016 0.24000(-)
2017 0.24000(-)

2005年のみ人民元表記。0.06~0.07香港ドルくらいになります。
2006年以降は、香港ドル表記。

■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2013年2014年2015年2016年2017年
Revenue
売上
2412
(-)
2811
(+16%)
2969
(+5%)
2607
(-12%)
2927
(+12%)
Profit attributable to
owners of the Company
最終利益
401
(-)
482
(+20%)
423
(-12%)
307
(-27%)
301
(-2%)
Net cash from operating activities
営業CF
267 50 768 5 608
Net cash used in investing activities
投資CF
-167 -234 -550 -114 -19
Net cash used in in financing activities
財務CF
-132 -41 466 -141 -121
Administrative expenses

Selling expenses
販売管理費(営業CF)
-356 -373 -387 -396 -466
Research and development expenses
研究開発費(営業CF)
-134 -112 -143 -147 -181
Decrease in trade and other receivables
売掛金(営業CF)
-256 -650 -427 -425 170
Increase in trade and other payables
買掛金(営業CF)
37 129 658 44 161
Expenditure on intangible assets
無形資産支出(投資CF)
-43 -71 -99 -125 -162
Investment in available-for-sale investments
有価証券投資(投資CF)
-100 0 -54 -68 -140
Purchase of property, plant and equipment
設備投資(財務CF)
-30 -122 -226 -124 -49
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-133 -157 -191 -206 -204


売上は増えたり減ったりですが、最終利益は減少傾向です。
販売管理費、研究開発費の増加が売上の増加以上のペースであることが要因と思われます。

研究開発費ですが、内容によって費用計上したり、資産計上したりするようで、
無形資産支出のうち6割くらいが研究開発をしめています。
売上の約1割が研究開発費になっています。

売掛金、買掛金の増減が年によって大きく異なり、営業CFが大きくブレがちです。

■事業構成


3事業から構成されています。

・Power Advanced Metering Infrastructure (“Power AMI”)


AMIで作られた電力計事業。大唐等の5大発電会社が発電した電気を
中国全土へ送電を行っている「中国南方電網(中国南部担当)」、
「国家電網(中国南部以外担当)」へ入札して納入しているようです。


・Communication and Fluid Advanced Metering Infrastructure (“Communication and Fluid AMI”)


AMIで作られた水道計事業。「1家に1メーター」の方針で拡大中。


・Advanced Distribution Operations (“ADO”)


鉄道、データセンター、水道等でスマート配電システムの運営を行います。
スマート配電システムの規格の確立に参加した5つの企業のうちの1つです。



3事業の事業別売上の推移を確認します。

・事業別売上
2015年2016年2017年2018年(中間まで)
Power AMI
電力計事業
1919 1590 1591 893
Communication and Fluid AMI
水道計事業
622 504 755 503
ADO
配電システム運営
426 514 581 258

2018年通期の売上見通しですが、
2018年下期の売上が上期と同程度であれば、前年比15%程度の増益になります。

利益については、販売管理費等が増加傾向ですので、利益率が改善するか不明ですが、
中間時点から考えると前年同期比横ばいくらいになりそうです。

■感想


売上面について、
事業内容が「13次5カ年計画」や「中国製造2025」に合いそうで増収の期待はできますが、
2017年から2018年の10月ごろまでは「国家電網」等の電力投資が絞られていたという報道もあり、
先行きが不透明な印象がありました。(11月以降は投資が急増しているそうです。)


一方で、利益面でも「Advanced Metering Infrastructure」で検索すると
(たとえば東芝等、中国以外も含めて)無数の会社が検索されます。
競合が多く利益が出にくいのかなと感じます。


とはいえ、PERの割安さや、配当利回り的にはかなり魅力的な水準ですので、
成長性やキャッシュフローが安定するまで、しばらくウォッチしていきたい銘柄です。


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