2020/10/31

(00696)民航信息網絡 2020年中間決算 配当0.5%


(00696)民航信息網絡(トラベルスカイ)について


予想PER 67倍
予想配当利回り 0.5%
時価総額 約2000億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末一括配当 権利落 6月下旬→支払 9月下旬


■どんな会社?


中国全体の空港関連のITシステムを独占的(dominant)に供給しています。

下図の通り、事業は主に4つに分かれています。

・飛行機の予約管理
・チケット管理/発券
・旅行全般
・代金決済




それぞれのサービスを、航空会社向け、飛行場向け、
旅行代理店向け、運輸業者向けに供給します。


中国の3大航空会社が、約10%ずつ出資しています。

・(00753)中国国際航空:100%子会社の中国航空集団から9.81%
・(00670)中国東方航空:12.21%
・(01055)中国南方航空:9.18%


■配当履歴


2001 0.1840
2002 0.1920(+4%)
2003 0.1020(-46%)
2004 0.2000(+96%)
2005 0.2300(+15%)
2006 0.2200(-4%)
2007 0.1300(-40%)
2008 0.1860(+43%)
2009 0.1340(-28%)
2010 0.1570(+17%)
2011 0.1200(-23%)
2012 0.1330(+10%)
2013 0.1400(+5%)
2014 0.1330(-5%)
2015 0.1660(+24%)
2016 0.2220(+33%)
2017 0.2530(+14%)
2018 0.2690(+6%)
2019 0.2890(+7%)

配当性向は30%前後を推移しています。





■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2016年2017年2018年2019年2020年
(中間まで)
Revenue
売上
6223
(+13%)
6734
(+8%)
7472
(+11%)
8121
(+8%)
2286
(-40%)
Operating profit
営業利益
2176
(+24%)
2473
(+13%)
2319
(-6%)
2463
(+6%)
-389
(-125%)
Profit after taxation attributable to
Owners of the Company
最終利益
2421
(+26%)
2248
(-7%)
2325
(+3%)
2542
(+9%)
-323
(-122%)
Net cash from operating activities
営業CF
3645 3062 2140 2227 -206
Net cash used in investing activities
投資CF
-2054 -2167 -598 -1078 1146
Net cash used in financing activities
財務CF
-501 -664 -763 -952 -48
Purchase of property, plant and equipment
設備投資(投資CF)
-1134 -928 -1256 -852 -425
Interest received
金利受取(投資CF)
138 101 190 221 88
Dividend paid to the Company’s shareholders
配当支払(財務CF)
-485 -649 -751 -854 0


コロナの影響で、飛行機の利用が著しく減り、
損益、営業CFともに赤字になりました。

この危機は、過去の貯金を取り崩したおかげで、
乗り切ったと思いました。




■売上の回復


国内海外あわせた月次の処理件数です。




直近9月の処理件数は回復してきていて、
2017年ごろの水準に戻ってきました。

また、おおまかな処理件数あたり売上を計算してみると、
(処理件数に依存しない”System integration services、Data network services等”も売上に含めて計算)



だいたい毎年同じ数字になるので、
下期の売上額は2017年ごろと近くなりそうな気がします。



■営業費用の増加


営業費用の増加率です。



スタッフコストが営業費用の最も大きな割合を占めます。

基本的には毎年増加していて、
2015年ごろに減少しているのは、新システムプロジェクト費の減少のためでした。

つまり、営業費用は2017年ごろの水準には減らなそうで、
マージンがかなり減りそうです。


営業利益率が低かった2010年代前半を含めた平均PERで
株価は評価されてるのかもしれません。






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2020/10/23

中国の太陽光発電系(売電)銘柄


おもに、新エネ系セクターに分類されている
中国の太陽光発電系(売電)銘柄を調べてみました。



■銘柄一覧


新エネ系銘柄で時価総額上位の銘柄を並べてみました。




まず、どの会社も設備資産に対する売上、営業利益率は大きく乖離がなさそうです。


時価総額の大きい信義能源は、
IPOからまだ約1年で、そのときの現金がまだ残っています。

他の銘柄は負債がかなり多く、営業利益では利益率が高いものの、
金融費用がたくさんかかって利益がかなり減っている感じでした。


利益率については、FIT制度→グリッドパリティ制度へ変更されており、
今後利益率が変わってくる可能性があります。
自然エネルギー財団の詳しい説明


固定価格から、石炭発電の価格で売電することになると、

利益=石炭発電価格-太陽光コスト

となり、

とある調査レポートでは、
2026年に太陽光(PV)のコストが石炭(Coal)コストと同等になるまで下がる見通しで、




また、ネクステラエナジー(米国ですが)では、
2023-2024年ごろにコストが同等になる見通しで




おそらく太陽光売電の利益が増え始めるのはそのころでは?
とブログ主は感じました。


おおまかな目安として各社の発電比率です。




太陽光か、風力のどちらかに集中している感じでした。







■銘柄詳細


<3868:信義能源>

太陽光装置メーカー(00968)信義光能の子会社。




過去5年売上5倍に拡大。
借入より増資で設備投資を行ってきました。





信義能源は(唯一?)配当方針を設定していて、
調整後EBITDAから、税金や負債の返済を
差し引いた分を配当しています。

証券会社によっては配当割引モデルで目標株価を設定しているようです。

(ブログ主的には、配当もう少し減らして発電設備買ってもらったほうが・・・)



<686:北京能源国際>

REPORTING TO THE COMMERCIAL CRIME BUREAU OF THE HONG KONG POLICE FORCE


よくわからないですが、最近の会社の開示によると、経済事件で警察のお世話に??

<1250:北控清潔能源>

水処理施設運営(00371)北控水務の子会社。




直近の業績は、
利益率の低い建設サービスから徐々に撤退しているために
見かけ上の売上はかなり減っていますが、売電は順調。

<451:協キン新能源>

太陽光装置メーカー(03800)保利協キン能源の子会社。




直近の業績は、
売上高は増加しているものの、
金融費用が増えて利益が伸び悩んでいる。




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2020/10/16

(00371)北控水務集団 連続増配9年 配当5.7% 2020年中間


連続増配9年を継続中の(00371)北控水務集団について

予想PER 6倍
予想配当利回り 5.7%
時価総額 約4000億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末配当 権利落 6月上旬→支払 6月下旬
・中間配当 権利落 9月下旬→支払 10月中旬

【2019】中国 連続増配銘柄(5年~9年)

■どんな会社?


中国全土で上下水処理場の建設、運営を行います。
ポルトガル、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド等にも進出しています。



■配当履歴


2011 0.030(-)
2012 0.040(+33%)
2013 0.052(+30%)
2014 0.078(+50%)
2015 0.095(+21%)
2016 0.119(+25%)
2017 0.155(+20%)
2018 0.178(+14%)
2019 0.185(+3%)
2020 0.084(中間まで。)

2011年以降、9年連続増配しています。
2020年の中間時点では、減配(0.107→0.084)になっています。







■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2016年2017年2018年2019年2020年
(中間まで)
Revenue
売上
17354
(+28%)
21192
(+22%)
24596
(+16%)
28192
(+14%)
12453
(-3%)
Profit for the year attributable to
Shareholders of the Company
最終利益
3227
(+31%)
3717
(+15%)
4471
(+20%)
4925
(+10%)
2268
(-18%)
Net cash flows used in operating activities
営業CF
-2500 -6714 -5572 -4230 -4201
Net cash flows used in investing activities
投資CF
-2028 -114 -3009 -1862 -1150
Net cash flows from financing activities
財務CF
9468 3968 13040 5598 4323
Increase in amounts due
from contract customers
契約顧客からの債権(営業CF)
-5783 -4207 -13848 -11456 非公開
Increase in receivables
under service concession arrangements
サービス委譲契約に基づく債権(営業CF)
-5312 -10296 -4891 -3201 非公開
Purchases of items of property,
plant and equipment
設備投資(投資CF)
-377 -238 -542 -483 -92
Additions of operating concessions
営業権の取得(投資CF)
-649 -917 -387 -915 0
Acquisition of subsidiaries
子会社買収(投資CF)
-683 -298 -1073 -930 -12
Acquisition of/increase in investments
in joint ventures
関連会社への投資(投資CF)
-210 -1504 -1095 -1023 -177
Acquisition of/increase in investments
in associates
関連会社への投資(投資CF)
-642 -748 -5 -26 0
Interest paid
利息支払(財務CF)
-1483 -1539 -2136 -2601 -1266
Distributions paid
配当支払(財務CF)
-957 -1227 -1600 -1902 -781


2020年中間決算は-3%の減収でした。
建設サービスのコロナ影響による工事遅れ、
アセットライト方針による受注の厳選により減収でした。

2020年中間決算は-18%の減益でした。
上記減収のほか、為替損、減損、下水処理コスト増により減益でした。





■建設サービスについて


建設サービスの売上詳細です。



renovation projectsの売上が特に減少しています。

会社コメントによると、建設サービスは売上が売掛金になってしまい、
営業キャッシュフローのマイナスが続いています。
(それに対して、2017年末ごろよりアセットライト方針で、
キャッシュフローの改善を図っています。)

According to the construction contracts,the Group charges an interest on the trade receivables from the customers with reference to certain mark-up on The People’s Bank of China’s lending rate for the year from the completion of the construction to time of the receipt of the trade receivables.


特に、renovation projectsに対する会社コメントが
2020年中間から(「expand」→「conservative」へ)より縮小を
目指しているように思えました。


The water environment comprehensive renovation business has focused on certain major cities and a diversified asset-light model has been applied to expand comprehensive renovation projects.
(「2019年 annual(期末) report」)


Additionally, to align with the Group’s asset-light strategy, the investment approach on the comprehensive renovation projects is more conservative.
(「2020年 Interim(中間) report」)




仮に、renovation projectsの利益が無くなったら
どうなるか試算してみました。(ありえないと思いますが)



(全社株主帰属利益-renovation利益)の計算後、EPSを再計算すると、

年間EPSがだいたい30セントくらいになりそうでした。


ただ、
キャッシュフロー改善の流れが変わる可能性があるかもしれないのが、
中国で制度的にREITが認められたこと。

(ブルームバーグの日本語記事)

当社が早ければ10月下旬にもREITを出してキャッシュフローを
やや改善させるかもしれないとみてる証券会社もありそうでした。



ブログ主的には、営業キャッシュフローが黒字になってから購入したいので、
もう少し時間がかかる気がしました。



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2020/10/05

(JPM)JPモルガン、(BAC)バンクオブアメリカ 2020年2Q振り返り


3Qの決算が近付いてきたので、
(JPM)JPモルガン、(BAC)バンクオブアメリカの、2020年2Q決算の振り返り。


■業績と株価


まず、株価の決定要因について、



2社ともEPSと株価がおおよそ連動しているように見えます。

■利益の内訳


まずは利益と貸倒引当金繰入のグラフ



本業の利益=税引後利益(青いバー)+貸倒引当金繰入(橙色バー)

と定義すると、


2020年は本業の利益がとても出ていますが、
多額の貸倒引当金繰入があり、
最終的な税引後利益はとても目減り
しています。

これ、2009年ごろの状況にとてもよく似ているように見えます。

2009年のその後どうなったかというと、
本業の利益がその後何年間も低迷して、
2018年、2019年ごろに利益が大きくなってきました。







■貸倒引当金


貸倒引当金がいまどのくらいの水準か?
貸倒引当金残高/貸付で率をはかってみました。



貸倒引当金率(緑の線)は2020年に急上昇しています。
とはいえ、2009年ごろと比べるとまだ低い水準です。

もう天井かもしれないし、まだ上昇を続けるかもしれないし・・・
というところがまずは、3Qの決算の確認ポイントと思います。



次のグラフは、



貸倒引当金繰入(青い線)のほうが先行して天井つける?のグラフです。
(関係性はよくわかりません。)

■株価と金利


株価に戻って、金利との関係も見てみると



JPモルガンのほうは特に政策金利とも
近しい動きをしてるような。

ただ、業績との相関のほうが強そうな気がします。




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