2021/03/28

長江インフラ 連続増配24年 配当5.4% 2020年期末決算


(01038)長江インフラ 連続増配24年 配当5.4%

電力、ガス、水道がメインの当社、2020年期末決算を確認します。

■業績


地域別の利益。



2020年は特に上期と下期の状況が違うので、
地域別の利益をブログ主なりにまとめると、



税率、減価償却費、COVID-19の影響を除いた利益は、-7%減だそうです。
-7%減のほとんどはNorthumbrian Waterの公共料金値下げと、為替損と説明されています。


利益の比率が大きいイギリス、オーストラリアで問題になっているのが、

・税率上昇(イギリス)
・電力、ガス、水道の新公共料金(値下げ)

の2つで、以降で詳細を見ていきます。





■税率上昇(イギリス)


イギリスの税率は引き下げられてきて、
2020年から17%の適用予定でしたが、
最終的には19%のままとなりました。



また、2023年から税率25%への引き上げが発表されました。
これは未来すぎて、おそらく業績予想とかに反映されていないものと推測しています。


■新公共料金(値下げ)


イギリスの公共料金(2021年から5年間)の最終版が12月に政府(ofgem)から発表されました。


公共料金はざっくりと

公共料金=政府が認めた原価+政府が認めた利益率

で決められると思います。


このサイトでまとめられていて



左半分の仮決定(Draft Determinations)で認められていた利益率(例えばAllowed return on equity)より
右半分の最終決定(Final Determinations)で認められてた利益率のほうが高くなっています。
(つまり、当社にとってプラスだし、最悪期は越えたようにも見えます。)


とはいえ、2020年までの利益率よりは引き下げられており、
正式に異議申し立てを行っているようです。

例えば、Northern Gas Networksは、
認められた利益率(Allowed return on equity)が
おそらく以下のように決まって異議申し立て、結論は2021年秋見込みとされています。

・従前:7.7%

・仮決定:3.95%

・本決定:4.30%


少し前に異議申し立てをしていたNorthumbrian Waterは改善が認められています。
(つまり、後続の申し立ても多少は収益改善の期待値でブログ主は考えています。)
As the terms of the new determination as set by the regulator are more stringent than in previous periods, Northumbrian Water has elected to challenge the determination through the Competition and Markets Authority (“CMA”) appeal process. The final terms of the CMA’s redetermination showed improvements.



現状のタイムスケジュールからすると、



2021年から2023年まで公共料金の切替がまだ残っているので
徐々に収益が悪化していく可能性があります。


規制外の鉄道、道路事業等もあるので、
すべての事業が値下げになるわけでもなく、

また、負債が少なく現金が積み上がっていて、
新しい買収があるかもしれないので、
そこの上下の期待値をどう考えるかというところですかね。



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2021/03/15

(01052)越秀交通基建 配当8.1% 2020年期末


(01052)越秀交通基建の2020年期末決算確認

予想PER 7倍
予想配当利回り 8.0%
時価総額 約1200億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末配当 権利落 6月上旬→支払 6月下旬
・中間配当 権利落 11月中旬→支払 11月下旬

【2019】中国 連続減配なし銘柄(5年~9年)


■どんな会社?


中国南部で高速道路、橋の運営を行います。
事業エリアは、以下の図の個所になります。



2019年11月に3本の高速道路を買収しました。
3本とも湖北省(HUBEI)の武漢のとても近くの高速道路です。


さらに、親会社が2020年末に買収した高速道路(Henan Lanwei Expressway)を
当社が買収するか検討しているようです。

仮に買収すると、運営キロ数はこうなると思います。




■配当履歴


2001 0.0250
2002 0.0600(+140%)
2003 0.0850(+41%)
2004 0.0975(+14%)
2005 0.1000(+2%)
2006 0.0700(-30%)
2007 0.1350(+92%)
2008 0.1600(+18%)
2009 0.1600(+0%)
2010 0.2200(+37%)
2011 0.2400(+9%)
2012 0.2000(-16%)
2013 0.2600(+30%)
2014 0.2800(+7%)
2015 0.2800(+0%)
2016 0.3300(+17%)
2017 0.3600(+9%)
2018 0.3900(+8%)
2019 0.3900(+0%)
2020 0.0700(-82%)

2020年は業績悪化により大幅減配になりました。

配当性向は2016年以降、50%台を推移しています。



(ブログ主的には、配当性向は半期ごとではなく、
通期で考えるという会社の考え方がややショックでした。)






■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2016年2017年2018年2019年2020年
Revenue
売上
2519
(+13%)
2702
(+7%)
2847
(+5%)
3023
(+6%)
2919
(-3%)
Profit attributable to
Shareholders of the Company
最終利益
918
(+72%)
947
(+3%)
1054
(+11%)
1137
(+7%)
160
(-85%)
Net cash generated
from operating activities
営業CF
1721 1943 2096 2142 2103
Net cash used in
investing activities
投資CF
289 144 472 -5512 -238
Net cash used in
financing activities
財務CF
-1853 -289 -3069 2413 -1782
Payments of construction costs
under service concession
upgrade services
運営保守(投資CF)
-43 -88 -77 -120 未公表
Purchase of property, plant and equipment
設備投資(投資CF)
-11 -20 -15 -4 未公表
Acquisition of subsidiaries
子会社買収(投資CF)
-179 -9 0 -5841 未公表
Dividends received from
associates, joint venture
子会社からの配当(投資CF)
251 340 384 400 未公表
Interest paid
利息支払(財務CF)
-356 -344 -373 -302 未公表
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-646 -752 -822 -968 未公表

2020年期末売上は-3%の減収でした。
約3か月高速道路無料の影響と、2019年買収分のフル寄与で相殺されました。

利益は-85%の減益でした。

売上減少による利益減少のほか、
買収先が抱えていた負債のファイナンスコスト増加、
営業権の償却増加により減益になりました。


ホルダーのブログ主的には、
「上期は大変だったけど、下期は通常営業に戻った。」ように見えました。




■半期ごとの業績


半期ごとの業績です。



「売上」、「利益」、「金利コスト」、「1株利益」の
4点(赤いセルのところ)に注目しました。

<売上>

売上を細分化すると、下期は前年並みに回復しています。



買収分の売上は、買収時の計画から考えると、
計画線上に近いのでは?と感じました。
(税金の計画からすると、利益はもう少し遅いかも?)



※その他売上が若干あるので、全社売上と必ずしも一致しません。





<利益>

営業利益率、税引前利益率が前年より若干低いです。

買収した道路の利益率が低いので(前述の表)、
これくらいが通常になるかもしれないです。

<金利コスト>

会社の説明によると、
買収先に負債がたくさんあって、
買収先の会社の金利負担が増えた。
と言っています。

The increase in corporate finance costs mainly resulted from the acquisition of three expressways in Hubei Province in November 2019, with the increase in average external debt balance in the Reporting Year.

しばらくこの水準が続きそうな気がします。
(ブログ主はノーマークでした。)
(だし、アナリストコンセンサスにも含まれてなかったのでは?)
(おそらく、だから2020年予想未達で、2021年の予想もやや下がった?)





<1株利益>

ここまでの考察を踏まえると、
2020下期のEPSが今後2021年のベースになる気がしています。

半期EPS:0.2681×2=0.5362→通期予想EPS(RMB)?

人民元なので、香港ドルになおすと

0.5362×1.19=0.638→通期予想EPS(HKD)?


アナリストコンセンサス予想はもう少し上のようですが、
この予想EPSをベースにPERや配当性向50%~60%を考えても
ブログ主的には、今の株価が高いとは思えなかったです。

■その他、政府の動き


2035年までの高速道路総延長計画:15万km→16万km
→つまりほとんど増やさない?


インフラREIT制度新設
→当社は、積極的にアプローチしてるぽい。
→将来、いくつかの道路をインフラREITに売却?
(ほとんど情報を掴めてないので、ブログ主には影響がよくわかりません。)




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2021/03/01

(01686)サンイービジョン 連続増配9年 配当2.4%


連続増配9年(01686)サンイービジョンについて

予想PER 40倍
予想配当利回り 2.4%
時価総額 約2400億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・6月末決算締め
・期末一括配当 権利落 11月上旬→支払 11月中旬



【2019】中国 連続増配銘柄(5年~9年)


■どんな会社?


香港でデータセンターの運営をしています。

データセンターを設置した履歴と、
売上の履歴です。



とある調査によると、香港では当社がNo1の地位にあるそうです。



(当社に限らず)なぜ香港のデータセンターが選ばれるのか?


国間のインターネット海底ケーブルについて、
中国への出入口は香港に集中している。

ケーブルから物理的な距離が近いため、
クラウド等の通信時間が短くなり有利。
(通信の世界は、1000分の1秒(ms)単位で語られる世界。)





■配当履歴


2004 0.0300
2005 0.0450(+50%)
2006 0.7050(+1466%) ※うち特別配当$0.66
2007 0.0450(-93%)
2008 0.0500(+11%)
2009 0.0600(+20%)
2010 0.0800(+33%)
2011 0.0662(-17%)
2012 0.0818(+23%)
2013 0.1007(+23%)
2014 0.1146(+13%)
2015 0.1225(+6%)
2016 0.1260(+2%)
2017 0.1370(+8%)
2018 0.1510(+10%)
2019 0.1650(+9%)
2020 0.1750(+6%)

2012年から9年連続で増配しています。







■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2017年2018年2019年2020年2021年
(中間まで)
Revenue
売上
1141
(+14%)
1364
(+19%)
1625
(+19%)
1713
(+5%)
923
(+12%)
Profit attributable to
owners of the Company
当期純利益
629
(+14%)
776
(+23%)
865
(+11%)
783
(-9%)
388
(-5%)
Net cash from
operating activities
営業CF
496 739 896 1175 未公表
Net cash used in
investing activities
投資CF
-825 -1290 -6270 -1381 未公表
Net cash from
financing activities
財務CF
281 412 5375 140 未公表
Purchase of property, plant and equipment
設備投資(投資CF)
-1068 -1454 -6328 -936 未公表
Interest paid
利息支払(財務CF)
-10 -20 -77 -240 未公表
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-509 -553 -610 -668 未公表

不動産賃貸事業の売却益が消えたことで減益となりましたが、
その影響を除くと+20%の増益でした。


また、大規模な新規データセンターを建設しており、
投資CFのマイナスや、利息支払が増えています。







■新規データセンター計画


新規データセンター計画です。



供給面では、今後2年で3倍~4倍に拡張される計画です。


需要面では、IDCによると、
香港の需要は強そうです。



利益面では、新しいデータセンターができると、
利益率が上がったり下がったりしてきていて、
拡張されてから何とも言えないですね。



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