連続増配9年を継続中の(00257)中国光大国際について
予想PER 8倍
予想配当利回り 3.5%
時価総額 約6000億円
スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末配当 権利落 5月下旬→支払 6月下旬
・中間配当 権利落 9月初旬→支払 10月初旬
※中国 連続増配銘柄(5年~9年)の一覧
■どんな会社?
中国の光大グループ傘下。環境関連の企業として、廃棄物発電、汚水処理、
バイオマス発電、風力発電、太陽光発電を行っています。
これを3つの部門に分けて管理しています。
・環保エネルギー部門:廃棄物発電
・環保ウォーター部門:汚水処理
・グリーンテック部門:バイオマス発電、風力発電、太陽光発電
中国本土のほか、ドイツ、ポーランド、ベトナムに事業展開しています。
※ゴミが電気になるまで
■配当履歴
2004 0.010
2005 0.012(+20%)
2006 0.016(+33%)
2007 0.016(+0%)
2008 0.016(+0%)
2009 0.022(+37%)
2010 0.025(+13%)
2011 0.045(+80%)
2012 0.060(+33%)
2013 0.085(+41%)
2014 0.110(+29%)
2015 0.185(+68%)
2016 0.205(+10%)
2017 0.240(+17%)
■業績
・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
Revenue 売上 |
5319 (-) |
6355 (+19%) |
8528 (+34%) |
13971 (+63%) |
20043 (+43%) |
Profit for the year attributable to Equity holders of the Company 最終利益 |
1324 (-) |
1703 (+28%) |
2084 (+22%) |
2784 (+33%) |
3509 (+26%) |
EPS 一株利益 |
32.60 (-) |
37.90 (+16%) |
46.50 (+22%) |
62.12 (+33%) |
78.30 (+26%) |
Net cash flows from operating activities 営業CF |
-363 | -122 | -1538 | 220 | -3101 |
Net cash flows used in investing activities 投資CF |
-950 | -438 | -2675 | -4235 | -4833 |
Net cash flows from financing activities 財務CF |
3893 | 282 | 6203 | 4713 | 9943 |
Increase in gross amounts due from customers for contract work 工事発注者への債権(営業CF) |
-2229 | -2127 | -3315 | -4785 | -9217 |
PRC and overseas income taxes paid 税金支払(営業CF) |
-156 (-) |
-173 (+10%) |
-217 (+25%) |
-334 (+53%) |
-369 (+10%) |
Purchase of items of property, plant and equipment and prepayment of land leases 設備投資(投資CF) |
-56 | -216 | -660 | -520 | -838 |
Additions of intangible assets 無形資産投資(投資CF) |
-246 | -869 | -421 | -2636 | -2716 |
Acquisition of subsidiaries 子会社買収(投資CF) |
0 | 262 | -2163 | -1042 | -36 |
New bank loans 銀行借入(財務CF) |
3403 | 3208 | 10598 | 12581 | 12961 |
Repayment of bank loans 銀行借入返済(財務CF) |
-2597 | -2021 | -3806 | -6361 | -5296 |
Capital contributions received by non-controlling shareholders 増資(財務CF) |
34 | 86 | 137 | 214 | 3727 |
Interest paid 利息支払(財務CF) |
-315 | -380 | -457 | -645 | -919 |
Dividend paid to equity holders of the Company 配当支払(財務CF) |
-263 | -448 | -560 | -874 | -1120 |
営業CFがマイナスの年が多いです。
それが気になり、本稿に記載した項目がかなり多めです。
営業CFマイナスに貢献している科目は「工事発注者への債権」です。
おそらく、PPP方式のビジネスモデルによるもので
まずは、環境施設を自己負担で建設する先行投資の必要があります。
環境施設が完成したら、売上、利益を計上できますが、
実際に入金されるのは何年も後ということだと理解しています。
典型的な「PPP」方式による環境事業を、汚水処理場建設を例に説明する。
まず母体となる民間企業体を設立する。地方政府などが出資する場合もある。
この民間企業体が融資などにより資金を調達して汚水処理場を建設し、
建設完成後、契約で規定した期間に(一般的に 10 年から 30 年程度)
運営する。汚水処理場の収入により建設時の債務を返済し、完済後は
汚水処理場の運営権などを地方政府などに引き渡し、民間企業体は解散する。
(jetroより引用)
建設による利益が税金の計算に含まれるか不明ですが、
税金支払い額が、利益と同様に2桁パーセントの伸びをしていますので、
利益成長は正しく行われていると思われます。
そのほかに、施設の運営に関して、運営権を購入する必要がありそうです。
理由は、無形資産投資額が年々増加しており、
その結果、バランスシートに無形資産が8592たまっています。
内訳は、「環保エネ権1768(20%)」、「汚水処理権1474(17%)」、
「グリーンテック権5135(59%)」と記載されています。
この建設費負担のため、返済分を差し引いた純粋な銀行借入額が多くなっています。
場合によっては、増資による調達が行われます。
2018年にライツイシューにより、約10000の増資(調達)が行われ、37%株数が増えました。
調達金額は、例年借り入れている金額の1年分程度ですので、
翌年も何らかの資金調達が必要な可能性が高そうです。
基本的に外国のライツイシューに応募できない日本人にとって、
株価下落の大きなリスクです。
「工事発注者への債権」は将来確実に受け取れるか?という点も若干気になります。
■部門別売上
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | ||
建設 | 環保エネ | 2516 (-) |
2810 (+16%) |
3715 (+32%) |
5779 (+55%) |
8178 (+41%) |
汚水処理 | 449 (-) |
112 (-75%) |
591 (+427%) |
1133 (+91%) |
2111 (+86%) | |
グリーン | 150 (-) |
704 (+369%) |
608 (-14%) |
2073 (+240%) |
2952 (+42%) | |
合計 | 3117 (-) |
3627 (+16%) |
4915 (+35%) |
8987 (+82%) |
13242 (+47%) | |
運営 | 環保エネ | 642 (-) |
762 (+18%) |
880 (+15%) |
997 (+13%) |
1548 (+55%) |
汚水処理 | 564 (-) |
627 (+11%) |
755 (+20%) |
821 (+8%) |
879 (+7%) | |
グリーン | 246 (-) |
374 (+52%) |
549 (+46%) |
914 (+66%) |
1547 (+69%) | |
合計 | 1453 (-) |
1764 (+21%) |
2184 (+23%) |
2733 (+25%) |
3975 (+45%) | |
その他 | 748 | 962 | 1427 | 2250 | 2825 |
近年はどの部門も伸びていますが、2014年ごろは前年比マイナスの
部門があるのは意外でした。
部門別売上割合は、建設の割合が高くなっています。
■地域別売上
中国:97%
ドイツ:0.02%
ポーランド:2%
ベトナム:0%
2017年末時点でベトナムは建設中で、売り上げはこれからです。
施設規模はポーランドとほぼ同額です。
■感想
環境施設の建設がまだまだ多く、本稿には記載していませんが、
2018年中間時点で+12%建設の売上が増加しています。
この売上が運営中心にシフトしていくと、大きな資金調達もなくなっていき
増資の懸念がなくなるように思えます。
そうなった場合、建設部門の売上が減るために
しばらくは減収減益となる可能性がありますが、
むしろ資金的には楽になりそうな感じがします。
いまは現金がたくさん必要な時期なので、あまり配当を出さずに、
運営業務中心にシフトしたあとで配当をたくさん出してほしいと思います。
そのときに今のようなPER水準であれば
株価の大きな下落を心配するとこなく配当を受け取れるのではないかと。
定量的な判断基準としては、
「工事発注者への債権が減り始める」≒「営業CFが黒字」になるまで
待ってから投資を検討したいと思いました。
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