前編の過去の業績確認に引き続き、
各種制度変更の影響考察と、業績予測をしていきます。
■「民航発展基金」廃止の影響
売上をセグメント別に分解して基金からの収入を見てみます。
「Airport Fee」という項目の説明が、以下のように記載されていますので、
これが基金からの収入と考えてよさそうです。
The charge rates of the Airport Fee (Note 2(w)) are regulated by relevant authorities and the Company recognises the revenues of the Airport Fee according to the authorised charge rates attributable to the Company on the Airport Fee collected by the CAAC from outbound passengers.
・セグメント別売上
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | ||
航空 | 民航発展基金 | 1065 | 1091 | 1142 | 1201 | 1221 | |
航空料金 | 1494 | 1575 | 1663 | 1745 | 1951 | ||
旅客料金 | 1641 | 1701 | 1787 | 1889 | 1927 | ||
非航空 | 小売、 駐車場等 |
3023 | 3288 | 3916 | 3892 | 4473 | |
合計 | 7224 | 7655 | 8509 | 8729 | 9574 | (ブログ主予想) 10256 | |
ご参考 | 旅客者数 | 8371万人 | 8612万人 | 8993万人 | 9439万人 | 9578万人 | 1億0098万人 |
単価 ※ 民航発展基金 の売上除く |
73.5 | 76.2 | 81.9 | 79.7 | 87.1 |
グラフにするとこの形になります。
「民航発展基金」は航空部門の売上の25%を占めています。
「民航発展基金」を除く平均的な売上成長率は約8%です。
旅客者数の平均的な伸び率は約5%です。
旅客者数は2018年分まで開示されています。
単価は、民航発展基金を除く売上を、旅客者数で割って当ブログで算出しています。
単価の平均的な伸び率は約4%です。
2018年の単価も4%伸びたと仮定した場合の2018年売上(ブログ主)予想は、
9156百万人民元+基金受取(1100百万人民元?)くらいと予想しました。
旅客者数の伸びと、単価の伸びで3年程度で基金の廃止影響を吸収できると期待します。
■「北京大興国際空港」の影響
中国政府系航空部門のこのサイトによると、
新空港「北京大興国際空港」の利用者目標を
2021年:4500万人
2025年:7200万人
としています。
それにより、「北京首都国際空港」は8200万人の旅客者数に緩和することを目標にしています。
この目標が達成できることと、旅客者数全体が5%ずつ増えていくことを前提に
ブログ主のほうで適当に旅客者数を組み合わせてみました。
・旅客者数 予測
北京首都国際空港 | 北京南苑空港 | 北京大興国際空港 | |
2013 | 8371万人 | 500万人 | |
2014 | 8612万人 | 500万人 | |
2015 | 8993万人 | 500万人 | |
2016 | 9439万人 | 500万人 | |
2017 | 9578万人 | 500万人 | |
2018 | 10098万人 | 500万人 | |
2019 | 10000万人 | 1100万人 | |
2020 | 9000万人 | 2700万人 | |
2021 | 7700万人 | 4500万人 | |
2022 | 7700万人 | 5200万人 | |
2023 | 7800万人 | 5900万人 | |
2024 | 8000万人 | 6400万人 | |
2025 | 8200万人 | 7200万人 |
2022年ごろまでに新空港への移行が終わり、その後はもとのペースに戻るようなイメージです。
■感想
これまで考察したことをもとにブログ主のほうで、売上や、EPS、DPSを予想してみました。
(注 こういうのは、だいたい当たりません。)
キャッシュフローで考えると減配しなくてもすむかもしれませんが、
当社はEPSと配当性向から、配当を決める方針なので、
おそらく2019年以降は減配するのでしょう。
EPSや、DPSが40%くらい減ると、株価7HKDくらいで
PERが15倍前後、配当が2~3%くらいです。
そこまで魅力的な水準ではないような感じがします。
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