2019/01/24

(00694)北京首都国際機場 連続増配7年 配当4.5% 後編


前編の過去の業績確認に引き続き、
各種制度変更の影響考察と、業績予測をしていきます。


■「民航発展基金」廃止の影響


売上をセグメント別に分解して基金からの収入を見てみます。
「Airport Fee」という項目の説明が、以下のように記載されていますので、
これが基金からの収入と考えてよさそうです。

The charge rates of the Airport Fee (Note 2(w)) are regulated by relevant authorities and the Company recognises the revenues of the Airport Fee according to the authorised charge rates attributable to the Company on the Airport Fee collected by the CAAC from outbound passengers.

・セグメント別売上
2013年2014年2015年2016年2017年2018年
航空民航発展基金 1065 1091 1142 1201 1221
航空料金 1494 1575 1663 1745 1951
旅客料金 1641 1701 1787 1889 1927
非航空小売、
駐車場等
3023 3288 3916 3892 4473
合計 7224 7655 8509 8729 9574 (ブログ主予想)
10256
ご参考旅客者数 8371万人 8612万人 8993万人 9439万人 9578万人 1億0098万人
単価

民航発展基金
の売上除く
73.5 76.2 81.9 79.7 87.1

グラフにするとこの形になります。



「民航発展基金」は航空部門の売上の25%を占めています。
「民航発展基金」を除く平均的な売上成長率は約8%です。

旅客者数の平均的な伸び率は約5%です。
旅客者数は2018年分まで開示されています。

単価は、民航発展基金を除く売上を、旅客者数で割って当ブログで算出しています。
単価の平均的な伸び率は約4%です。


2018年の単価も4%伸びたと仮定した場合の2018年売上(ブログ主)予想は、
9156百万人民元+基金受取(1100百万人民元?)くらいと予想しました。
旅客者数の伸びと、単価の伸びで3年程度で基金の廃止影響を吸収できると期待します。


■「北京大興国際空港」の影響


中国政府系航空部門のこのサイトによると、
新空港「北京大興国際空港」の利用者目標を

2021年:4500万人
2025年:7200万人

としています。
それにより、「北京首都国際空港」は8200万人の旅客者数に緩和することを目標にしています。

この目標が達成できることと、旅客者数全体が5%ずつ増えていくことを前提に
ブログ主のほうで適当に旅客者数を組み合わせてみました。

・旅客者数 予測
北京首都国際空港北京南苑空港北京大興国際空港
20138371万人500万人
20148612万人500万人
20158993万人500万人
20169439万人500万人
20179578万人500万人
201810098万人500万人
201910000万人1100万人
20209000万人2700万人
20217700万人4500万人
20227700万人5200万人
20237800万人5900万人
20248000万人6400万人
20258200万人7200万人



2022年ごろまでに新空港への移行が終わり、その後はもとのペースに戻るようなイメージです。

■感想


これまで考察したことをもとにブログ主のほうで、売上や、EPS、DPSを予想してみました。
(注 こういうのは、だいたい当たりません。)




キャッシュフローで考えると減配しなくてもすむかもしれませんが、
当社はEPSと配当性向から、配当を決める方針なので、
おそらく2019年以降は減配するのでしょう。

EPSや、DPSが40%くらい減ると、株価7HKDくらいで
PERが15倍前後、配当が2~3%くらいです。
そこまで魅力的な水準ではないような感じがします。


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