食肉卸業者(8043)スターゼンの話
■1.どんな会社?
豚肉、牛肉をメインに国内または海外から仕入れて、
国内のスーパーや外食(マクドナルドなど)に卸しています。
■2.外部環境 米国の牛肉価格高騰
AP通信の記事ですが、 米国で干ばつや飼料価格高騰により牛の頭数が数十年ぶりの低レベルまで落ち込んでおり、牛肉価格が高騰している。
牛群の回復(産まれてから大人になるまで)には少なくとも2~3年かかる。と言われています。
牛肉価格指数をインフレ率(CPI)で割り算した実質価格指数です。
2020年以降、ひどいインフレ率以上の勢いで牛肉価格が値上がりしていることがわかると思います。
(この指標で判断していいのか?という議論はありますが・・)
米国はオーストラリア、カナダ、ブラジル等から牛肉を輸入して
不足分を補う状態になっています。
じゃあ牛肉を販売する業者は儲かっているの?というと
米国食肉大手タイソンフーズの決算から判断して、まったく儲かっていません。
■3.外部環境 日本の牛肉市場衰退
日本の牛肉消費についてもUSDAのサイトで同様に見てみます。
牛肉の消費量は減少傾向にあります。
スターゼン決算短信(2025年10-12月)の引用で、
> 食肉業界では、国産豚肉は昨年の猛暑の影響で出荷が減少し相場が一時的に乱高下しました。また、米国産牛
肉の現地価格高や鶏肉の輸入量減少などの影響により、食肉相場は全般的に高止まりとなり、厳しい調達環境と
なりました。販売環境においては、インバウンドによる外食産業への好影響はあるものの、消費者の節約志向か
ら比較的安価な食肉に消費が移行し続けており、依然として食肉マーケット全体は力強さを欠く環境が続いてい
ます。
や
スターゼン決算短信(2026年1-3月)
>食肉業界におきましては、食肉相場が全般的に高値で推移しました。特に、鶏肉においては消費者の低価格志
向を背景に需要が高まる中、ブラジルやタイなどの輸出国における供給制約もあり相場が高騰しました。また、
米国産牛肉の現地価格高もあり、厳しい調達環境が続きました。販売環境においては、訪日観光客の増加を背景
に需要の押し上げ効果があったものの、節約志向の強まりから消費者の慎重な購買姿勢が続き、食肉マーケット
全体としては力強さを欠く環境となりました。
という記述は、こうした傾向を説明したものと思います。
■4.海外進出の計画
中期経営計画2026-2030の中で本格的に海外進出を目指しています。
イメージ的には豪州で牛を育てて東南アジアへ販売する方向だと思います。
Jetroの説明によると、
東南アジアの卸売り業者で売上が約27億円(2023年度)の会社のようです。
また豪州の牧場(ブロードウォーターダウンズ)を100%子会社化して
自社で生産することとなり、飼料高騰のリスクを受け入れつつ利益率向上も狙えるように思いました。
ここまでの話をまとめると、
・米国の牛肉不足により豪州の牛肉が人気化
・スターゼンの豪州牛肉を東南アジアに販売
・東南アジアの牛肉消費は伸びている
という本格的な海外進出の条件が揃ったように見えました。
設備投資700億円については、従来規模に近いことと、
2023-2025:400億円(1年あたり133億円)
2026-2030:700億円(1年あたり140億円)
2026年6月5日に発表された第2回無担保社債100億円の発行をしたことから
(第1回無担保社債は50億円で償還期限は2026年6月17日)
営業CF700億円を計画どおりに稼げれば
増資の可能性はほとんど無いような気がしました。
■5.同業他社比較
同業他社比較をしてみます。
プリマ、SFOODS、スターゼンが利益の額が近くて
その中でスターゼンだけ予想PERが低く見えます。
その理由を探るべく別の視点で比較したのが2枚目。
牛肉、豚肉、鶏肉の各売上は記載があればその値、
記載がなければ決算コメントの文章量などから
ブログ主の主観で売上が「多中少」にわけて評価しています。
スターゼンの予想PERが低い理由の考察
・営業利益率が低い
→低いところから少し上がってきました。
同業他社はコスト高などが収まれば、いつかかつての高収益(営業利益率2.5%→3.5%くらいまで?)に戻るかもしれないという期待が含まれている可能性があります。
・海外売上が少ない
→海外進出を打ち出し始めた2022年11月(中期経営計画2023-2025)以降、
時価総額上位5社のなかで日本ハムと同様に最も株価のパフォーマンスが高い
・牛肉の割合が高く、鶏肉の割合が少ない
→あまり関係ないかも
ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。












