2020/01/10

(00062)載通国際控股 配当5.9%


(00062)載通国際控股について


実績PER 11倍
実績配当利回り 5.9%
時価総額 約1200億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末配当 権利落 5月下旬→支払 6月下旬
・中間配当 権利落 8月下旬→支払 10月中旬


■どんな会社?


香港をメインに、深セン、北京でバス、タクシーの運営を行います。
その他、商業/オフィスビルの賃貸も行います。



事業は主に4事業に分かれています。

1.香港路線バス(Franchised Public Bus Operations Division)
・The Kowloon Motor Bus
・Long Win Bus
KMB(Kowloon Motor Bus)は、
香港で2位、約25%のシェアを持っています。(1位は地下鉄)




2.香港臨時バス(Non-franchised Transport Operations Division)
・Sun Bus
・New Hong Kong Bus
Sun Busは貸切バス。New Hong Kong Busは、香港-深セン間を運行します。

3.ビル賃貸(Property Holdings and Development Division)

4.中国本土バス/タクシー(China Mainland Transport Operations Division)
深セン、北京で他社と共同で運行します。(持分50%未満)


■配当履歴


2000 1.580(-)
2001 1.860(+17%)
2002 2.030(+9%)
2003 2.030(+0%)
2004 2.030(+0%)
2005 2.030(+0%)
2006 2.030(+0%)
2007 5.530(+172%)
2008 1.350(-75%)
2009 2.350(+74%)
2010 1.350(-42%)
2011 0.600(-55%)
2012 0.600(+0%)
2013 0.600(+0%)
2014 0.900(+50%)
2015 1.200(+33%)
2016 1.250(+4%)
2017 1.250(+0%)
2018 1.200(-4%)
2019 0.300(中間まで)

配当金額に大きな増減があります。

要因は、2000年代まではバス運営と、不動産販売がメイン事業でしたが、
2013年までに不動産を売却し、現在はほぼバス運営のみとなっています。







■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2015年2016年2017年2018年2019年
(中間まで)
Revenue
売上
7779
(-)
7936
(+2%)
7887
(-0%)
8009
(+1%)
4073
(+3%)
Profit for the year
attributable to Equity
shareholders of the Company
最終利益
628
(-)
830
(+32%)
1294
(+55%)
720
(-44%)
302
(-2%)
Net cash generated from operating activities
営業CF
1740 1978 1768 1726 628
Net cash used in investing activities
投資CF
-2434 -3327 -652 -2736 -416
Net cash used in financing activities
財務CF
52 1333 -618 33 -109
Payment for the purchase of
other property, plant and equipment
設備投資(投資CF)
-2030 -1738 -1190 -1599 -392
Payment for the purchase of
investment property under development
設備投資(開発中)(投資CF)
0 -2152 -15 -51 -52
Payment for the purchase of
intangible assets
無形資産買収(投資CF)
0 0 0 -228 0
Dividends paid to equity
shareholders of the Company
配当支払(財務CF)
-3411 -3373 -244 -236 -191


2019年中間決算の売上は+3%の増収でした。
地道に新しいバス路線を開拓して顧客を増やしているようです。

設備投資は主に新しいバスの購入に使われます。


■事業別業績


事業別売上です。



香港の路線バス(KMB)が売上のほとんどを占め、
毎年1桁台前半の成長をしています。

中国本土事業は持分50%未満なので売上に含まれません。


事業別税引前利益です。



メディア事業は、2016年に売却しました。
金融は保有する債権からの利益です。

香港路線バス事業の利益増減が大きいです。
次に利益増減の要因を見ていきます。

■利益増減の要因分析


利益増減の要因をコスト面から分解してみます。



利益増減の要因は2つです。

・人件費の増加(グラフの青)
人件費が売上と比例するように増えています。

燃料費の増加(グラフの黄)
燃料費が2012年ごろ大きくなり、その後やや縮小、
2018年はまた大きくなる。という推移をたどっています。


燃料はディーゼル(軽油)です。

燃料費は市況に左右される部分が多いですが、
ディーゼル使用量削減のための取り組みをしています。


■燃料使用量削減の取り組み


環境規制の対策レベルを(Euro II/III)から(Euro V/VI)へ
バスを順次入れ替えています。

効果は、燃費が向上して、燃料使用量を23%~27%削減できると
当社の「annual report 2017」で説明しています。

The average energy use per kilometer of Euro V/VI buses was 23-27% less than that of Euro II/III buses.




2018年末時点で、約70%のバスが入れ替わりました。


その他、電気自動車や、バスの屋根にソーラーパネルを
設置する取り組みもありますが、現状は数十台レベルで割合は少ないです。

取り組みの結果、下記グラフのとおり
ディーゼル市況が高騰しても燃料費が
以前ほど増えない構造に変わったのではないかと思います。




■2019年下期は赤字?


とはいえ、香港デモの影響があり、
業績悪化は避けられないと考えています。


当社は月次公表がないものの、
香港地下鉄(MTR)が月次顧客数を公表しています。
前年比で2019年上期(1-6月)が+2.5%、下期(7-11月)が-14.2%でした。


2019年下期に-14.2%当社の売上が減少すると想定して(コストは前年と同じ)
ブログ主が予想をしてみました。



下期赤字になるのでは?という気がします。


過去の配当が業績連動だったことから、下期は無配の可能性が高そうです。


ただ、香港が正常に戻れば売上が戻り
コスト削減の効果等で利益が増え、
高配当をもらえる銘柄に戻る期待をもてそうです。


リスクは、地下鉄の路線が増えると顧客がそちらに流れることがあります。
(と、深セン事業が低調だったときにコメントされてました。)


環境対策をすることが、自社の利益に直接つながるという循環が
なんかいいなと応援したくなる気持ちになりました。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





0 コメント:

コメントを投稿