2021/05/25

(T)AT&Tのスピンオフ考察と、売却理由について


(T)AT&Tが5/17にワーナー事業のスピンオフを発表しました。

ブログ主はこのニュースを見て、保有していたAT&T株を全部売却しました。
そのときの考えについて、ここにメモしてみます。


考えは、およそ以下の3段階で考えました。
(DCF法みたいな名前のついた難しい理論のことは知りませんし、
人の数だけ正解がある世界だと思います。)

1.現AT&Tの価値をワーナーとそれ以外に分解してみる

2.新会社の株価や配当を推測してみる

3.推測した株価や配当が、魅力的かどうか考えてみる→売却



■0.前提、スピンオフの概要





AT&Tはもともと、通信事業、ワーナー事業、その他の3事業あります。

図で表現されている通り、
今回、ワーナー事業を切り離して、
ライバルのディスカバリー社と合併することになります。


■1.現AT&Tの価値をワーナーとそれ以外に分解してみる


スピンオフ発表時点(5/17)の情報を表にすると、
おおよそ以下のとおりでした。



この空白欄の時価総額、株価を2つの方法で推測しました。
(この方法が妥当がどうかは、よくわかりません)

・Discovery社の時価総額から逆算
・セグメント利益の比率で按分


推測結果は、こんな感じだと思いました。



逆算法の考え方は、
ワーナー+Discoveryの新会社のうち、29%が元Discovery株主に配られるので、
言い換えると、元Discoveryの価値が新会社全体の29%と考えて、逆算しました。

ワーナー事業の時価総額が、AT&T全体の25%弱くらいという推測です。

ただ、2020年の業績はコロナの影響で、
ワーナーのセグメント利益が2019年比-20%でしたので、
ワーナー事業の時価総額はもう少し多いのかもしれません。






■2.新会社の株価や配当を推測してみる


会社発表で配当に言及しています。
After close and on a pro-forma basis, AT&T expects its remaining assets to produce the following financial trajectory from 2022 to 2024:

Attractive dividend - resized to account for the distribution of WarnerMedia to AT&T shareholders. After close and subject to AT&T Board approval, AT&T expects an annual dividend payout ratio of 40% to 43% on anticipated free cash flow1 of $20 billion plus.

そのあたりの会社発表の事実をブログ主なりにまとめると、
こんな感じになります。



AT&T固有の考え方で、

配当総額=FCF(フリーキャッシュフロー)×配当性向

という定義をしています。

それと、1で推測した按分78%-22%の法則から、
おおまかに株価、配当を推測していくと、



赤い字のところのように推測しました。

新AT&Tは、株価が25ドル前後で、配当利回りが4%台になるのでは?ないかと。
新ワーナー+Discoveryは、最大で配当利回りが4.6%くらい、
無配もありえるのでは?
ないかと。
(もちろん、今後の発表や株価の変動で変わります。
ブログ主がこの時点で考えたことは、このくらいのイメージでした。)


おそらく新会社は初年度から利益が出るかもしれませんが、
ストリーミング事業の柱、HBO maxに
しばらく高水準の投資を続ける計画でした。(2019/10/29発表)


偶然にも?ワーナーの配当総額(ブログ主推測値)と
HBO maxへの投資規模が近いです。

新会社の利益の大部分を、HBO maxへの投資にまわして、
少ない配当が続く可能性もあると思います。






また、新ワーナー+Discoveryの予想PERが、
たとえばネットフリックス並みの高評価がされて、
もしくはたくさん利益が出て、配当がなくても
時価総額(=株価)の上昇で十分なリターンが見込める可能性もあるかもしれません。


5/24に会社発表された情報によると、
Attractive Dividend.

AT&T does not expect changes to the dividend prior to the close of the WarnerMedia-Discovery transaction, which is expected to occur in mid-2022.

Stankey reiterated that after close and subject to AT&T Board approval, AT&T is expected to continue to be among the top 5% of dividend paying stocks with an anticipated annual dividend level of $8 billion to $9 billion per year.

Also at close, existing shareholders of AT&T will continue to hold their shares in AT&T but will also hold 71% of shares of the new media company.

The expected value of those shares based on the capitalization as of May 14, 2021, is in the $7-$8 range per share of AT&T stock, or the equivalent of 4+ years of AT&T’s current annual dividend, tax free.

これまでの推測は会社の想定と大きく外れてないのでは?
という気がしなくもないです。

■3.推測した株価や配当が魅力的か?


通信事業を同業他社と比べると、
ベライゾンと配当利回りが近くなるかもしれなくて、
チャイナモバイルは配当利回りが6%以上あります。


今後の利益見通しもそれほど高くない(通信会社では普通の水準くらい?)ので、
同業他社より増配率が高い期待値は、ブログ主的にはありませんでした。
After close and on a pro-forma basis, AT&T expects its remaining assets to produce the following financial trajectory from 2022 to 2024:

Annual adjusted EBITDA and adjusted EPS growth: mid-single digits CAGR

新ワーナー+Discoveryは、
ブログ主的には配当の期待値がほとんどなくて、
それならamazon、netflixでもいいのでは?という感想でした。


配当利回り、増配率の期待値がともに高くなく、
他の銘柄と比べて相対的に
AT&Tの魅力が少なくなったと思って、売却
しました。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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