2019/12/15

(UL)ユニリーバ 配当3.0%


(UL)ユニリーバについて

予想PER 24倍
予想配当利回り 3.0%
時価総額 約17.5兆円


■どんな会社?


世界190か国で家庭用品の販売をします。

事業は美容(Beauty & Personal Care)、
家庭(Home Care)、食品(Foods & Refreshment)から構成されています。

↓美容(Beauty & Personal Care)


↓家庭(Home Care)


↓食品(Foods & Refreshment)



新興国での売上比率が高く、2018年末で59%になります。
新興国の売上上位4国は、インド(9%)、ブラジル(6%)、
中国(5%)、インドネシア(5%)です。





■配当履歴


会社のIR資料をそのまま引用します。



ユーロベースで2003年以降増配が続いており、
平均増配率は+7%です。

自社株買い(SBB:share buybacks)も行っています。




■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2015年2016年2017年2018年2019年
(中間まで)
Turnover
売上
53272
(-)
52713
(-1%)
53715
(+1%)
50982
(-5%)
26126
(-0%)
Net profit Attributable to
Shareholders’ equity
当期純利益
4909
(-)
5184
(+5%)
6053
(+16%)
9389
(+55%)
3006
(-0%)
Net cash flow from operating activities
営業CF
7330 7047 7292 6753 2392
Net cash flow from investing activities
投資CF
-3539 -3188 -5879 4644 -716
Net cash flow from financing activities
財務CF
-3032 -3073 -1433 -11548 -856
Net capital expenditure
設備投資(投資CF)
-2074 -1878 -1621 -1424 -558
Acquisition of group companies,
joint ventures and associates
子会社買収(投資CF)
-1897 -1731 -4896 -1336 非公開
Disposal of group companies,
joint ventures and associates
子会社売却(投資CF)
199 30 561 7093 非公開
Interest and preference dividends paid
金利、優先株配当支払(財務CF)
-579 -472 -470 -477 -369
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-3331 -3609 -3916 -4066 -2080


2019年2Qまでの売上は-0.9%の減収、3Qまでの売上は+1.5%の増収でした。

3Qまでの売上のうち、現地通貨での増収(Underlying sales growth)が+3.4%、
為替の影響が+1.5%、事業買収&売却がトータルで-3.2%でした。


通期の見通しは変わらず、現地通貨での増収(Underlying sales growth)を
3%台(in the lower half of our multi-year 3-5% range)と見込んでいます。

■ユニリーバの特徴


ユニリーバの前年同期比売上増収/減収の原因を、
4つの要因に分解して開示されています。


四半期ごとの要因別増収率・減収率をグラフにしました。

・下記3つをすべて合計した会計上の売上増減
・事業買収・売却によるもの(Acquisitions-Disposals)
・為替変動によるもの(Currency-related items)
・現地通貨ベースでの増収・減収によるもの(Underlying sales growth)




グラフから読み取れる特徴は、
現地通貨ベースの売上(Underlying sales growth)は、
10年近く+5%前後で推移しており、減収になっていない
ということでした。(緑の線)


さらに、現地通貨ベースの売上(Underlying sales growth)を地域別に分解しています。





新興国の増収率がやや下がってきているものの
+5%前後をキープしています。(青の線)


これがおそらく「ユニリーバは新興国に強い」と言われる理由ではないかと思います。

※増収率の推移を調べたのは、業績が悪化した場合に、
過去のデータからどのくらいの減収を見込んだほうがよいか?
という想定をするつもりでしたが、10年減収してないという結果に逆に驚きました。


■なぜ増収が持続するのか?


(現地通貨ベースで)なぜ増収が持続するのか?の答えが、
3Q決算の最初に書いてあるCEOのメッセージに集約されているように思います。

We will step-up competitive top line performance through innovation and portfolio evolution to serve the faster growing geographies and channels.

事業ポートフォリオの見直しを常に行っていることが
一番の理由だと思います。


2018年のannual reportの引用ですが、

Our brand portfolio continues to evolve to match our Divisions' strategic priorities, resulting in the sale of assets that no longer fit our growth model or the acquisition of assets that take us into new market segments and build new market positions. This active portfolio management means that in the past nine years we have sold €6.8 billion of turnover, mainly in the lower growth foods businesses. During that same period, we have acquired approximately €5.3 billion of turnover. The spreads disposals in July allow Foods & Refreshment to focus on growth.

成長を見込めなくなった事業を売却(約8300億円)して、
成長を見込める事業を買収(約6400億円)してきました。


結果からの逆算的ですが、
数値に表せないこの事業の目利きの力がとても優れていると感じました。


過去に買収した事業(上段)と、売却した事業(下段)です。



その結果、事業構成も大きく変わりました。





言い換えると、事業の買収、売却は投資キャッシュフローの
以下の項目に表れてきます。

・買収:Acquisition of group companies, joint ventures and associates
・売却:Disposal of group companies, joint ventures and associates


上記2項目の数字が例年どおりの金額であれば
事業ポートフォリオの見直しは順調で、今までどおりの成長が見込める

逆に、上記2項目の数字が例年より少ない金額であれば
事業ポートフォリオの見直しが減り、成長性に要注意。


という見方ができるのではないかと思いました。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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