2020/03/08

(00066)MTR(香港鉄路)の2019年期末決算確認


(00066)MTR(香港鉄路)の2019年期末決算確認

予想PER 29倍
予想配当利回り 2.9%
時価総額 約3兆5700億円


■どんな会社?

香港、中国本土、英国、豪州、スウェーデンで
鉄道の運営を行います。その他に、不動産開発、運営を行います。


・香港のMTR運営路線




・欧州のMTR運営路線




・アジアのMTR運営路線




※いずれの図も2018年のannual reportをもとに加工しています。


■配当履歴

2001 0.10
2002 0.42
2003 0.42
2004 0.42
2005 0.42
2006 0.42
2007 0.45(+7%)
2008 0.48(+6%)
2009 0.52(+8%)
2010 0.59(+13%)
2011 0.76(+28%)
2012 0.79(+3%)
2013 0.92(+16%)
2014 1.05(+14%)
2015 1.06(+1%)
2016 3.27(+208%)※うち2.2が特別配当
2017 3.32(+1%)※うち2.2が特別配当
2018 1.20(-63%)
2019 1.23(+2%)

本サイトの連続増配の調査方法ですと、
特別配当がなくなる2018年に連続増配は途切れてしまいますが、
普通配当部分の連続増配は2019年も継続されています。





■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2015年2016年2017年2018年2019年
Revenue
売上
41701
(+3%)
45189
(+8%)
55440
(+22%)
53930
(-2%)
54504
(+1%)
Profit for the year attributable to
Shareholders of the Company
当期純利益
12994
(-16%)
10254
(-21%)
16829
(+64%)
16008
(-4%)
11932
(-25%)
Net cash generated
from operating activities
営業CF
14941 17135 19603 10950 未発表
Net cash genereted
from investing activities
投資CF
-18046 -17118 900 -11665 未発表
Net cash generated
from financing activities
財務CF
-5913 1092 -14207 -3824 未発表
Depreciation and Amortisation
減価償却費、無形資産償却
-3849 -4127 -4855 -4985 未発表
Capital expenditure
設備投資
-21670 -11939 -8523 -6962 未発表
Dividend paid
配当支払
-5748 -18508 -15358 -1281 未発表


2019年の売上は+1%の増収でした。
増収の要因は、2018年9月に開始した広深港高速鉄道(High Speed Rail)の運賃、
駅広告が通年で寄与したことです。

2019年の当期純利益は-25%の減益でした。
減益の要因は、3点の一時的な損失を計上したことです。



■一時的な損失により減益


一時的な損失を3点計上しました。

・POE(public order events in Hong Kong) impact:香港デモ
・Hung Hom construction incidents of the SCL project provision:「沙中線」手抜き工事問題引当金
・SWR(South Western Railway) Provision:SWR収益悪化による引当金


金額は、以下の図のとおりで




香港デモがHK$-2.3b、沙中線がHK$-2.0b、SWRがHK$-0.4bでした。
その結果、継続的な事業(Recurrent Businesses)の利益はHK$5.0bに減少しました。


それを除く場合の利益(Normalised profit)は、HK$9.7bでした。



2020年の見通しは、香港デモ、コロナウイルスの影響で乗客減少等が発生し、
1月~2月の段階でHK$1.3bのマイナス影響があると述べられています。
Based on preliminary unaudited internal management accounts, the estimated total financial impact of the COVID-19 outbreak and aftermath of the Hong Kong public order events for the first two months of 2020 amounted to around HK$1.3 billion on net profit of the Group’s recurrent businesses.

この結果を全社に展開すると、




2019年は鉄道運営事業が特別損失でへこんだ分、
不動産開発で埋めることができました。



■香港の鉄道運営について


年間の鉄道運営状況を見ると、厳しい状況が続いています。




上段の顧客数(Patronage)が減少、下段の運賃(Fare)はほとんど変わっていません。


6か月ごとでは、2019年下期の売上減少が顕著です。




前年比で増収になっていたHigh Speed Railも直近月次の顧客数は激減しています。





ただ、こうした状況でも線路の拡張は着々と進んでいます。(破線のところ)




直近2月に開業した「 Tuen Ma Line Phase 1 」(図のTai wai~Kai Tak)と、
「 Tuen Ma Line 」(図の破線5駅くらい)の全線開通2021年予定。
「 East Rail Line 」(図の南の破線)の拡張2022年予定。


その他、香港外でも鉄道の拡張プロジェクトを抱えており、
そういう部分が日本の鉄道会社にはあまりない魅力かと思います。




ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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