米国株の連続増配11年(BR)ブロードリッジについて
予想PER 25倍
予想配当利回り 1.7%
時価総額 約1兆5000億円
6月末決算会社です。
■どんな会社?
機関投資家向け等に株主総会の議決権行使プラットフォーム等を提供します。
ブロードリッジと東証の合弁会社ICJのサイトに掲載されている図を引用して、
読み解いてみます。
図の右下の「国内外機関投資家」が株を保有する際、
「管理信託銀行」や「常任代理人」「カストディ銀行」が間に入ります。
(例えば、外国人が日本株を買うときに、日本国内の連絡先として
「常任代理人」を設定するような仲介的なものが必要。)
そのときの従来の株主名簿管理人の電子投票システムは、
「管理信託銀行」や「常任代理人」「カストディ銀行」が議決権行使の対象となりますが、
当社のシステムでは、「国内外機関投資家」(つまり実際に株を買った人)が
議決権行使の対象となります。
「国内外機関投資家」には以下のような画面に表示されるので、
「賛成」、「反対」、「一部賛成」等の行使をします。(Proxy Edgeシステム)
また、オンライン株主総会のサービスも行っています。
オンライン株主総会は、日本では政府が対応の検討を始めたばかりです。
当社の顧客は、「銀行」や「証券会社」、「資産管理」、「ファンド」、および、
「株式発行企業」と決算資料で説明されています。
ブログ主の感想ですが、電子投票システムにおいて、
「管理信託銀行」や「常任代理人」と、「国内外機関投資家」の間を
紐づけるデータを取得できるのは、おそらく当社のような限られた業者のみであり、
そこが、amazonや、googleと競合しないのではないかと思います。
日本株では、(7921)宝印刷や(6035)IRJが近そうな気がします。
■配当履歴
2005 0.3700
2006 0.1000(-73%)
2007 0.1800(+80%)
2008 0.2600(+44%)
2009 0.4200(+61%)
2010 0.5800(+38%)
2011 0.6200(+6%)
2012 0.6800(+9%)
2013 0.7800(+14%)
2014 0.9600(+23%)
2015 1.1400(+18%)
2016 1.2600(+10%)
2017 1.3900(+10%)
2018 1.7000(+22%)
権利確定日の年で年間配当金を計算しています。
また、2004年以前は、株式分割があったため省略します。
1、4、7、10月に配当が支払われます。
2019年の年間配当金はこのままいくと、$2.05(+20%)になります。
■業績
・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 会社見通し | |
Total revenues 売上 |
2897 (-) |
4142 (+43%) |
4329 (+5%) |
4362 (+1%) |
+3%~+6% |
Recurring fee revenue (うち)定期的売上 |
1895 (-) |
2451 (+29%) |
2610 (+6%) |
2759 (+6%) |
+8%~+10% |
Net earnings 当期純利益 |
307 (-) |
326 (+6%) |
427 (+30%) |
482 (+12%) |
- |
Diluted earnings per share 希薄化後EPS |
2.53 (-) |
2.70 (+7%) |
3.56 (+32%) |
4.06 (+14%) |
+5%~+9% |
Net cash flows provided by
operating activities 営業CF |
437 | 515 | 693 | 617 | - |
Net cash flows used in investing activities 投資CF |
-136 | -659 | -249 | -433 | - |
Net cash flows used in financing activities 財務CF |
108 | -311 | -449 | -173 | - |
Capital expenditures 設備投資(投資CF) |
-57 | -85 | -76 | -50 | - |
Software purchases and capitalized internal use software ソフトウェア投資(投資CF) |
-17 | -28 | -21 | -22 | - |
Acquisitions, net of cash acquired 子会社買収(投資CF) |
-53 | -448 | -108 | -354 | - |
Purchases of Treasury stock 自社株買(財務CF) |
-119 | -342 | -277 | -397 | - |
Dividend paid 配当支払(財務CF) |
-138 | -152 | -165 | -211 | - |
2019年6月期末決算の売上は+1%の増収でした。
なお、売上の会計基準変更がありましたが、変更前でも+1%の増収でした。
売上は、3つのセグメントで発表されています。
・定期的売上(Recurring Fee Revenues)
・イベント売上(Event-Driven Fee Revenues) ※コーポレートアクション等
・発送物売上(Distribution Revenues) ※中間報告書の発送等
もっとも大事な定期的売上は+6%の増収でした。
■定期的な売上の推移
まずは、米国上場企業数と売上の推移です。
上場企業数は、このサイトを参考にしました。
また、期間は連続増配が始まるころの2005年以降のデータを取得しました。
上場企業数は、2010年代前半に減少していたにもかかわらず、
当社の売上はほぼ増収を達成していました。
次に、前年比売上成長率推移です。
定期的な売上成長率は、2005年以降、一度も減益になっていません。
業績は株式市場次第という懸念もありましたが、
実はとてつもなく堅いビジネスなのではないかと思います。
良い銘柄をみつけたかも。
ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。
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