2022/12/29

香港の外食銘柄比較


中国のコロナ規制が解除されて
「外食銘柄の業績が戻るかもしれない。」とか、
「政策支援が入るかもしれない。」とか考えて
香港に上場している外食銘柄のうち、時価総額上位8銘柄を比較してみました。

(09987)ヤム・チャイナ
(06862)ハイディーラオ
(09922)ジュウマオジュウ
(09869)ヘレンズ
(00520)シャブシャブ
(00341)カフェ・ド・コラル
(02217)タムジャイ
(00052)フェアウッド



■概要


概要を一覧で、時価総額の大きい順に並べています。



右から2列目の「予想配当」は、アナリスト予想の配当利回りです。

一番右の列の「2019年の配当なら」は、今の株価で2019年の配当額が支払われるなら
どのくらいの利回りになるか?という値です。

たとえば、2行目ハイディーラオは2019年の配当0.15HKDで株価22.80HKD(12/28)で
計算すると、0.7%の配当利回りになります。






■業績比較


業績比較については、2つの観点で見ました。
(一番下に結論)

1.コロナで業績がどれだけ落ち込んだか?(戻りが大きそうか?)
2.今後の成長余地はどれくらいあるか?(出店計画)


まずは業績一覧から。



直近6か月の業績を一覧にしています。
たとえば、1行目ヤム・チャイナは2022年1-6月に4,574百万USDの売上、
6月末時点店舗数が12,170店でした。

また、一番右の列の「今後の計画」は、
店舗拡大計画を抜粋
しました。

店舗拡大計画は直近でIPOした3社(09922:ジュウマオジュウ)、(09869:へレンズ)、
(02217:タムジャイ)はIPOの資金がまだ残っていて
店舗拡大に有利なポジションにいると思います。

(06862:ハイディーラオ)はコロナによる落ち込みのほかに
顧客満足度低下による業績悪化などの問題を抱えていて
立て直し策→復活か?という状態のようです。


業績を1店舗あたり売上にしてもう少し詳しく考えてみます。



機械的にエクセルで割り算するとこんな感じになりました。

もっと厳密にするなら、
各社から前年比既存店売上を発表していることが多いので
それを確認するのが良いと思います。

こまかいので数字には触れません。
ブログ主的結論は下記の表になります。



ブログ主的評価が高めなのはこの2社です。

09987:ヤム・チャイナ
00520:シャブシャブ

ただ、ヤム・チャイナはデリバリー比率が高めで
コロナの戻り余地はそこまで無いかも。
という意見も人それぞれあると思います。

あとは、最初の表にあった配当利回りの予想なども加味しながら銘柄を選ぶのかなと思います。




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2022/12/25

(00640)星謙発展 配当9.1%


(00640)星謙発展について


実績PER 4倍
実績配当利回り 9.1%
時価総額 約65億円


時価総額が小さくて、株の売買はほとんどされていません。
なのでブログ主は株を買いませんが、
おもしろい会社だなと思って決算書を見てました。


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・9月末決算締め
・期末配当 権利落 3月下旬→支払 4月上旬
・中間配当 権利落 6月中旬→支払 6月下旬


■どんな会社?


バルカナイズ製法の靴(コンバースのイメージの靴)工場に接着剤等を納品する会社。
最大顧客に対する売上は21%。上位5社に対する売上は45%。(2021年)





■配当履歴


2010 0.0180(-)
2011 0.0120(-33%)
2012 0.0130(+8%)
2013 0.0160(+23%)
2014 0.0170(+6%)
2015 0.0240(+41%)
2016 0.0210(-12%)
2017 0.0210(+0%)
2018 0.0260(+23%)
2019 0.0520(+100%)
2020 0.0520(+0%)
2021 0.0550(+5%)
2022 0.0620(+12%)


2021年は特別配当がありました。
2022年は特別配当がありません。







■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2018年2019年2020年2021年2022年
Revenue
売上
663036
(-)
691750
(+4%)
543968
(-21%)
643446
(+18%)
862101
(+34%)
Gross profit
粗利
193682 228260 190653 196675 223180
Profit for the year attributable to
Owners of the Company
最終利益
40311
(-)
66035
(+63%)
56018
(-15%)
41463
(-26%)
101350
(+144%)
Net cash generated from operating activities
営業CF
36478 85176 117779 5208 未開示
Net cash used in investing activities
投資CF
-26631 1312 -13999 -2775 未開示
Net cash used in financing activities
財務CF
-17650 -81249 -18337 -42613 未開示
Purchases of property,
plant and equipment
設備投資(投資CF)
-26694 -12681 -4870 -6403 未開示
Repurchase of shares
自社株買(財務CF)
-16691 -25833 -15019 0 未開示
Dividends paid
配当支払(財務CF)
-13067 -15605 -30200 -44504 未開示

2022年9月期は、中間決算は仕入れコスト高により粗利が減益でしたが
期末決算では増益になりました。

最終利益はここ2年で工場の買収・売却を行い増減が大きくなっています。

2021年は在庫(Inventories)の増加により営業CFが減りました。
2022年はさらに在庫の増加、売掛金(Trade, bills and other receivables)が増加しており、
営業CFがさらに減っている可能性があります。(要注意)

■東南アジアシフト


かつては中国企業でしたが、今ではベトナム、インドネシアの会社にシフトしています。



2021年にマカオ(中国)の工場売却、
2022年にインドネシアの工場用土地を買収しました。(工場建設はこれから)
買収理由はコスト競争力強化、輸送期間の短縮です。

もしもこれから工場建設にたくさんお金を使うなら、
高配当が続かなくなる可能性もあるかなとは思います。


売上、利益面に関してはほとんどがベトナムからです。



過去の売上の増減要因

2018:「2017年のベトナム工場稼働による増収」
2019:「主顧客からの需要が強く増収」
2020:「コロナの影響で減収」
2021:「すべての地域で増収」
2022:「すべての地域で増収」

といったコメントが見られます。

また、粗利率の変動がそこまで大きくないので、
原料高の価格転嫁はされているのではないかと推測します。
(2022年の増収要因の多くは価格転嫁では?と推測します。)





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2022/12/01

(BR)ブロードリッジ 配当2.0% 2022年11月買い


米国株がそろそろ底かなと思って、11月2週くらいに
(BR)ブロードリッジを買いました。

なぜ米国株が底に近いと思ったか?
なぜブロードリッジを選んだか?

を書いてみます。


■米国経済全体の話し


経済指標はたくさんありますが、ブログ主は、実質マネーストックに注目しています。

実質マネーストックの正確な定義は、wiki日銀等の説明を参照いただきたいですが、
ブログ主のざっくりした理解では、

 マネーストック=世の中のお金の総量
 実質=マネーストック÷インフレ率
 (つまり実質マネーストックは、世の中のお金の総量にインフレによる目減りを加味したもの
です。


ちなみに、「世の中のお金の総量」にもマネタリーベース、マネーストック等
いくつかの種類があります。これもブログ主のざっくりした理解では、

中央銀行がお金を刷る

マネタリーベース
(銀行の金庫に保管されたお金)

マネーストック
(銀行の金庫から世の中に出回ったお金)
(銀行の貸付、政府支出・補助金等で増える)

こんな感じかと思います。


それをふまえて実質マネーストックのチャートを見てみます。



2022年の実質マネーストックは
減少ペースが歴史的なスピードになっています。

実質マネーストックと株価の関係性を、
今と似ている70年代、80年代の歴史から考えてみます。



実質マネーストックとナスダック指数(しか見つからなかった)ですが、
下がって底打ちするタイミングがとても似てるように思います。

今回も同じ歴史をたどるなら2022年1月に実質マネーストックがピークをつけており、
前年比効果で2023年2月ごろに反転するかもしれないという気がしました。


80年代以降は、そうはならんやろ的な経済理論「フィッシャーの交換方程式MV=PQ」と、
実際のデータもあるみたいなので、絶対的な正解ではない可能性もかなりあると思います。






■ブロードリッジの話し


米国株指数の反転を願って、指数に近そうな(BR)ブロードリッジを選びました。
他の候補は、ICE(ニューヨーク証券取引所)、NDAQ(ナスダック証券取引所)、VTI(米国株全体ETF)
を考えてましたが、(BR)ブロードリッジの議決権ビジネスがブログ主的には一番わかりやすかったです。

ビジネスモデルを図にしてみました。



おそらく、1→2→3・・・8のプロセスで議決権行使が行われて、
図の4~8で議決権管理を代行するかわりに手数料をいただくという感じと思います。

手数料単価はニューヨーク証券取引所で決められています。


競合について、決算書(annual report)には競合他社との激化や、
お客様自身が社内業務として完了することができると書かれています。

一方で、フィナンシャルタイムズの記事では
事実上の独占で、暴利をむさぼっている」という感じの批判的なことが書かれています。

記事を要約すると、

・一通25セントと高額(取引所が定める上限は25セント)
・ほとんどの投資家はブローカー等を通して株式を保有している
・急成長中のRobinhoodは、ライバル会社のMediant社を利用している
・とはいえ、90%以上はブロードリッジを利用している
・電子メールでも25セントを請求している

ということで、取引所のインフラのようなイメージを持っています。




・損益計算書(6月期末決算)
2018年2019年2020年2021年2022年
Total Revenues
売上(合計)
4330 4362 4529 4994 5709
Recurring fee revenues
うち継続的売上
2610 2759 2946 3228 3749
Operating income margin
営業利益率
13.8% 15.0% 13.8% 13.6% 13.3%
Adjusted Operating income margin
調整後、営業利益率
15.9% 17.1% 17.5% 18.1% 18.7%

継続的な売上が半分以上を占めていて、
利益率は安定的です。



5年間の株価推移↓
BR vs ICE vs NDAQ vs VTI







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2022/09/25

米国債権ETFの利回りとかリターンとか調べてみた


米国債権ETFの利回りとかリターンとか調べてみました

銘柄概要等の内容に誤りがないよう気を付けてますが、
正確な情報は、各ETFの公式サイト等でご確認ください。


■米国債権ETFの一覧


米国債権ETFの一覧は、マネックス証券で取り扱っているETF、
数字は2022/09/25時点のseekingalphaのデータを参考にしています。









ブログ主感想:
・5年リターンでみると、おそらく配当落ちの分だけ配当利回りの高いETFのリターンが悪い。
・だから、株価+配当の総合リターンは、似たような年数の米国債ETFならリターンはほぼ同じ
・経費率は高いETFもある(安いほうがよい)





■米国債権ETFの一覧(テーブル形式)


銘柄コード銘柄概要Expense RatioDiv Rate (TTM)Yield (TTM)Assets (AUM)mil1Y return5Y return
JPSTウルトラショート・インカム1年未満0.18%0.480.95%21460-1.10%0.02%
SHV米国短期国債0.15%0.480.43%19230-0.44%-0.36%
BSV米国短期債券(1-5年)0.04%1.191.59%68120-8.56%-6.17%
SHY米国国債 1-3年0.15%0.550.68%25510-5.70%-3.85%
SPTS米国短期国債1-3年0.06%0.170.58%3400-5.62%-4.24%
VGSH米国短期国債(1-3年)0.04%0.540.94%19020-5.93%-4.89%
IGSB1-5年米国社債0.06%0.971.96%21300-9.46%-6.04%
SJNK米国短期債券0.40%1.275.31%3350-12.64%-14.14%
SPSB米国短期社債1-3年0.07%0.431.48%7380-6.30%-4.44%
VCSH米国短期社債(1-5年)0.04%1.492.00%50610-9.48%-6.78%
BIV米国中期債券(5-10年)0.04%2.683.61%33060-17.51%-12.63%
IEF米国国債(7-10年)0.15%1.461.51%23020-16.58%-9.70%
SPTI米国中期国債3-10年0.06%0.291.03%3990-12.83%-6.08%
VGIT米国中期国債(3-10年)0.04%1.202.04%16300-13.59%-9.71%
IGIB5-10年米国社債0.06%1.543.15%9450-18.98%-11.06%
SPIB米国中期社債0.07%0.692.17%5880-13.79%-8.50%
VCIT米国中期社債(5-10年)0.04%2.773.60%42690-19.33%-12.95%
AGG米国総合債券0.03%2.082.14%82230-15.92%-11.63%
AGGY米国債券(利回り強化型)0.12%1.262.94%952-18.41%-15.69%
BLV米国長期債券(10年超)0.04%3.224.34%8300-29.24%-21.37%
BND米国トータル債券0.03%1.882.61%283300-16.39%-12.39%
FIXD米国総合債券0.55%1.042.35%3550-18.28%-13.60%
EDV超長期米国債(20-30年)0.06%2.733.01%2200-35.76%-24.87%
SPAB米国総合債券0.03%0.612.43%6330-16.14%-12.98%
SPTL米国長期国債0.06%0.752.47%5450-27.91%-16.42%
VGLT米国長期国債(10年超)0.04%1.672.58%7770-27.92%-16.95%
TLT米国国債20年超0.15%2.392.27%25410-28.75%-16.61%
SPLB米国長期社債0.07%0.974.32%651-30.15%-20.04%
VCLT米国長期社債(10年超)0.04%3.274.30%5090-29.93%-19.52%
HYG米ドル建てハイイールド社債0.48%3.705.13%12280-18.07%-18.58%
HYLS米国ハイ・イールド債0.95%2.706.92%1690-19.18%-20.38%
HYZD米国ハイイールド社債0.43%0.954.67%183-8.95%-15.18%
LQD米ドル建て投資適格社債0.14%3.173.02%34830-22.48%-13.67%
USIG米ドル建て投資適格社債0.04%1.432.91%6910-19.53%-12.86%
CWB米国転換社債0.40%1.682.63%4690-27.45%26.04%
LMBS米国不動産関連証券1-5年0.65%0.931.95%5260-5.60%-8.27%
MBB米国モーゲージ債0.04%2.362.56%21170-14.61%-13.97%
TOTL米国債券0.55%1.724.22%2240-15.67%-17.53%
VMBS米国モーゲージ担保証券0.04%0.831.84%15800-14.92%-14.34%
RLY米国インフレ連動債0.05%3.4813.27%511-8.52%3.52%
TIP米国物価連動債0.19%17.2616.05%29620-16.08%-5.88%
VTIP米国短期インフレ連動債(0-5年)0.04%2.745.65%60430-7.61%-1.98%
TMF20年超米国債 ブル3倍0.88%0.080.82%400-66.77%-56.72%
TMV20年超米国債 ベア3倍0.88%--%505114.5%-32.49%
BNDXインターナショナル債券(米ドルヘッジあり)0.07%2.074.30%81530-16.1%-12.11%
BWX世界国債(除く米国)0.35%0.261.23%809-27.59%-25.36%
EBND新興国債券(現地通貨建て)0.30%0.934.81%2070-24.47%-35.31%
ELD新興国現地通貨建債券0.55%1.385.56%88-22.11%-35.9%
EMB米ドル建てエマージング・マーケット債券0.39%4.265.20%15600-26.46%-29.56%
EMBD新興国債券0.39%1.236.05%93-23.79%5年未満%
EMLC新興国債券(現地通貨建て)0.30%1.375.86%2910-23.55%-39.72%
HYEM新興国ハイ・イールド債0.40%1.227.08%424-26.09%-30.41%
IGOV世界国債(除く米国)0.35%--%973-29.43%-25.46%
IHY国際ハイ・イールド債(米国を除く)0.40%1.015.56%60-27.93%-29.19%
JNKハイ・イールド債券0.40%4.955.58%7390-19.23%-20.57%
LEMB新興自国通貨建て国債0.30%1.534.64%393-23.45%-32.25%
VWOB米ドル建て新興国政府債券0.20%3.195.39%2950-25.31%-27.07%
YYYグローバルハイ・インカム0.50%1.4412.18%342-31.04%-40.03%


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2022/09/21

(00270)粤海投資 配当8.9% 2022年中間決算


(00270)粤海投資について


予想PER 10倍
予想配当利回り 8.9%
時価総額 約8000億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末配当 権利落 6月下旬→支払 7月下旬
・中間配当 権利落 10月初旬→支払 10月下旬

【2021】中国 連続増配銘柄(10年以上)

■どんな会社?


香港や、広東省等で水道事業を中心に、
不動産販売&賃貸、デパート、ホテル、発電、高速道路の運営を行います。







■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2018年2019年2020年2021年2022年
(中間まで)
Revenue
売上
13363
(-)
16691
(+24%)
23173
(+38%)
29715
(+28%)
11913
(-12%)
Attributable to
Owners of the Company
最終利益
5015
(-)
5044
(+0%)
4509
(-10%)
4696
(+4%)
2949
(+6%)
Net cash flows from/(used in)
operating activities
営業CF
6327 6639 3412 -4939 未公表
Net cash flows used in investing activities
投資CF
-5348 1411 -2234 -5849 未公表
Net cash flows from/(used in)
financing activities
財務CF
-389 -5795 -1463 10205 未公表
Increase in properties held for
sale under development
不動産建設費(営業CF)
-352 -1788 -3668 -24358 未公表
Additions to service concession arrangements
運営権取得(投資CF)
-126 -1387 -2028 -3109 未公表
Purchases of property, plant and equipment
設備投資(投資CF)
-577 -674 -825 -847 未公表
Interest paid
金利支払(財務CF)
-157 -299 -310 -778 未公表
Dividends paid
配当支払(財務CF)
-3460 -3852 -4122 -4211 未公表

2021年の営業キャッシュフローが赤字でした。
また、2022年の中間決算は売上が大幅に減少しました。

不動産事業の売上が約半減しました。(1H21:3702→1H22:1748)
これは、不動産販売不振ではなくて、もともと販売用の在庫(販売予定)がなかったためと思います。

不動産在庫(Completed properties held for sale )推移
2H20:4258
1H21:2835
2H21:987
1H22:679

逆に、建設中の不動産(Properties held for sale under development)が増えて、
営業キャッシュフローが赤字になっています。

2H20:6213
1H21:18342
2H21:33852
1H22:34662


■株価は安い?


<会社全体考察>


2022年9月の株価は7HKDくらいになっています。
ブログ主はホルダーですが、安くなってると感じています。
以下、その理由です。

当社の理論株価的なものをDCF法的な考え方で考察してみます。



まず、事業をおおざっぱに3つにわけて考えました。
1.給水(業績安定)
 ・香港東莞深セン地域向け

2.不動産販売(業績振れ幅大きい)
 ・子会社GD Land分のみ(厳密にはもう少しある)

3.その他(業績比較的安定)
 ・給水:香港東莞深セン地域以外向け
 ・不動産賃貸
 ・デパート、ホテル、発電、高速道路


次に、各事業がどのくらいEPSを稼いでいるか?
毎年のEPSを税引前利益の割合によって各事業に按分しました。
※株数は10年間ほぼ変わっていません。
なので安定的な香港東莞深セン給水事業のEPS按分結果が2020年に減るのは本来不自然です。
ですが、そういう感情的な部分(というか、税率の問題)はややこしくなるだけなので、あえて排除しています。


上記算出した過去10年平均EPSをもとに、
今後10年でEPSをどのくらい稼ぎそうかブログ主なりに予想した表が下記です。



今後10年の合計EPSは686香港セント(=6.86香港ドル)となりました。
今後10年としたのは、当社の予想PER、香港ハンセン指数の予想PERが約10倍だったためです。

株価7香港ドルの意味は、以下のことを前提とした
今後の業績予想のイメージという目安だと思いました。


・香港東莞深センの給水契約は2029年で終わり
・不動産販売はあまり利益がない
・各事業はコロナ前の2019年より業績がやや悪い

この予想をベースにして各事業を考察してみます。


<事業ごと考察>


給水事業は業績がほぼ固定の契約になっています。

2000年から30年契約で始まりました。
おそらく2029年にいったん契約が切れます。
契約終了後、法律上の定義はわかりませんが、
欧米各国のケースを調べてみると、契約終了になるパターンと、契約延長になるパターンもありそうです。


不動産事業は過小評価されてるのでは?ないかと感じます。



今後、不動産販売予定が目白押しです。
ちなみに、不動産販売の売上計上タイミングはおそらく引き渡し時に行われます。

Revenue recognition
Income from sale of properties

Revenue is recognised at the point in time when the customer obtains the physical possession or the legal title of the completed properties and the Group has present right to payment and the collection of the consideration is probable



その他の中では給水工事の割合が多くて、
工事が終わるもの、新しく契約するものの差し引きで、
ここは今後増えるか減るかわからないです。



また、ホテルや高速道路事業はコロナ前を回復していない状況です。


ブログ主の脳内では、今の業績よりは上振れる確率が高いかもしれないと思いました。
なので、業績を積み上げた結果で株価が決まるなら、
株価は安いほうと考えています。






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2022/08/29

(NVT)nVent Electric 配当2.1%


(NVT)nVent Electricについて


予想PER 15倍
予想配当利回り 2.1%
時価総額 約8000億円



■どんな会社?


電気、電源関連の設備や部品の製造、設置を行う会社。
顧客は、産業、商業・住宅、エネルギー、インフラ等の幅広い業種。

Enclosures部門、Electrical & Fastening Solutions部門、Thermal Management部門の3部門で構成される

・Enclosures部門
ビルの受変電設備で見かけるような電源を保護する箱等の製品


・Electrical & Fastening Solutions部門
電気工事事業者、通信事業者、屋外工事業者等向けの製品


・Thermal Management部門
建物の温度、熱管理(凍結防止、床暖房等)するための製品



世界的な大手企業ですが、小規模会社まで含めると各地域に競合他社がたくさんいます。

あらゆるものが電化されていく過程で当社のような製品が必要になります。というのが成長ストーリー

近年の成長分野は、データセンター、再生可能エネ電力、スマートビル、工場自動化です。








■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2018年2019年2020年2021年2022年
(中間まで)
Net sales
売上
2214
(-)
2204
(-0%)
1999
(-9%)
2462
(+23%)
1422
(+24%)
Net income
最終利益
231
(-)
223
(-4%)
-47
(-121%)
273
(-)
148
(+12%)
Net cash provided by operating activities
営業CF
344 336 344 373 64
Net cash provided by investing activities
投資CF
-39 -160 -65 -274 -27
Net cash provided by financing activities
財務CF
-167 -226 -273 -167 -20
Capital expenditures
設備投資(投資CF)
-40 -39 -40 -40 -21
Acquisitions, net of cash acquired
子会社買収(投資CF)
-2 -128 -27 -235 -9
Repurchases of ordinary shares
自社株買(財務CF)
-56 -236 -43 -112 -9
Dividends paid
配当支払(財務CF)
-63 -121 -119 -118 -58

2022Q2の売上は買収の影響をのぞくと+10%増収でした。
すべての部門で2桁増収で、数量+9%、価格+12%の寄与でした。
その結果、2022年の会社業績予想が上方修正されました。




■景気の業績への影響考察


会社の10-Kリスク説明の最初に、「当社は景気サイクルにより売上、損益の変動が生じます。」と書かれています。
景気が悪いときにどのくらい業績変動が生じるのか考察してみます。

2000年~2021年までの売上推移です。



※当社は2018年4月にPentair社(銘柄コード:PNR)から独立しました。
2017年まではPentair社のElectrical部門の売上を記載しています。

減収となった年が何度かあり、各年の理由を一覧にしてみました。



だいたい2種類に分類できて、
顧客の設備投資減少か、前年大型プロジェクトの反動という感じです。

売上が減ったときに利益が出るか?過去のデータを調べてみました。





景気が悪くて売上が減ってもセグメント利益(営業利益に近いもの)は
利益が出る会社のように思えます。


売上が減るタイミングは米国鉱工業生産指数の前年比(industrial production yoy)が
悪化するタイミングとかなり似てるような気もします。

それ(赤い線のほう)がマイナスに下がったあと上昇に転じるころに買うのがいいのかなという気もします。




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2022/07/03

(02380)中国電力国際 配当3.2%


(02380)中国電力国際について


予想PER 16倍
予想配当利回り 3.2%
時価総額 約9300億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末一括配当 権利落 6月上旬→支払 6月下旬


■どんな会社?


中国の発電会社

石炭火力のほか、水力、風力、太陽光、ガス火力発電を行う。
クリーンエネルギー(水力、風力、太陽光、ガス火力)の発電容量がおよそ50%。

↓クリーンエネルギーの比率が年々高まっている様子



香港上場の発電会社ではおそらく唯一の水力発電を所有。



↑売上、利益の割合

風力と太陽光はもともと稼働時間が短く、水力は雨量によって稼働時間が増減するなか
石炭発電の売上が最も大きい。2021年は利益は赤字。

クリーンエネルギーの利益で石炭発電の赤字を相殺。
↓稼働時間



■配当履歴


2004 0.0265(-)
2005 0.0790(+198%)
2006 0.0800(+1%)
2007 0.0540(-32%)
2008 0.0450(-16%)
2009 0.0450(+0%)
2010 0.0450(+0%)
2011 0.0450(+0%)
2012 0.0900(+100%)
2013 0.1600(+77%)
2014 0.1680(+5%)
2015 0.2320(+38%)
2016 0.1600(-31%)
2017 0.0810(-49%)
2018 0.1100(+35%)
2019 0.1300(+18%)
2020 0.1300(+0%)
2021 0.0500(-61%)





配当性向はかつては40%前後でした。
2020年は76%、2021年は赤字で配当がありました。





■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2017年2018年2019年2020年2021年
Revenue
売上
19966
(-)
23175
(+16%)
27763
(+19%)
28427
(+2%)
34734
(+22%)
Profit attributable to
Equity holders of the Company
最終利益
795
(-)
1098
(+38%)
1284
(+16%)
1708
(+33%)
-515
(-130%)
Net cash generated from operating activities
営業CF
3132 2784 5158 5501 1342
Net cash used in investing activities
投資CF
-6284 -12184 -15816 -15768 -18515
Net cash generated from financing activities
財務CF
5982 6676 10047 10346 17608
Payments for property, plant and equipment
and prepayments for construction of power plants
設備投資(投資CF)
-7554 -9430 -15200 -16168 -16959
Dividends paid
配当支払(財務CF)
-1526 -1264 -1603 -2159 -1842

2021年は中国全体の電力消費が+10.3%、電力供給が+8.1%。
当社の売電量は+11.9%、売上が+22%増となりました。

利益は原価(石炭価格)の上昇により赤字になりました。

■今後の設備投資計画


「再生可能エネを増やしていく」を定量的に考察してみます。

<言葉の定義>


「Attributable Installed Capacity(発電容量(持分))」と
「Consolidated Installed Capacity(発電容量(連結))」と、
2種類の言葉が出てきます。

意味は似てますが別に使われています。

Attributable Installed Capacity = Consolidated Installed Capacity × 株式保有比率




<設備投資計画>


設備投資計画については、発電設備容量と、
発電設備容量に占めるクリーンエネルギー比率の目標
が示されています。



それをもとに、2015年まで遡った実績と2025年の予想を逆算して
ブログ主なりにまとめたものが次の表です。



まず、会社とのQ&Aで
2024年まで毎年風力太陽光発電容量を8~10GW増やすという話があったとかないとか。

Q:公司新能源2021年投产情况和未来投产计划?

A:去年投产风电光伏3-4GW,在建会在年报中体现,比例方面风电偏多。未来规划8-10GW投产量,储备量6成是光伏,2022年维持8-10GW投产量。储能目标营收80亿,利润6亿。

以上を考慮した ブログ主予想ですが、
2021年に発電容量約29GWだったものが、
2025年に約54GWに約2倍近くになるのではないかと感じました。

ただ、毎年目標が変更される可能性があり
もっと少なくなるかもしれないです。

また、風力・太陽光は稼働時間が低いために
売上の増加率は2倍よりもっと少ないのでは?と感じました。

<アナリストコンセンサス>


それらを踏まえて、とあるサイトのアナリストコンセンサスの売上を見てみると
この記事を書いてる時点でこんな感じでした。

売上
2021:34,734
2022:40,892(+18%)
2023:45,641(+12%)
2024:51,239(+12%)

なんとなくブログ主と近い予想のような気がして腹落ちしました。


■再生可能エネの補助金(売掛金の回収)


再生可能エネを導入すると政府から補助金がもらえて、
でも未払いのまま売掛金が積みあがっている問題があります。

当社は売掛金の残高が少ないほうだとブログ主は思いますが、
今年未払い補助金にそれなりの額が支払われるかもしれないという観測があります。


政府の予算へのリンク






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2022/06/14

香港に上場している外国企業を調べてみた


香港に上場している外国企業(例、(06288)ファーストリテイリング)が
どのくらいあるのか調べてみました。


■調べ方


配当を支払うときの通貨が「HKD香港ドル、RMB人民元」以外だったことのある会社です。

例えば、(06288)ファーストリテイリングなら香港取引所でも日本円基準で
配当を支払っていますので、該当します。
↓香港取引所の開示




この調べ方ですと、以下のデメリットもありますが、
フィルタの条件として調べてみました。

・無配の企業はピックアップされない
・米ドルで配当を支払っている中国企業までピックアップされる

■調査結果(画像バージョン)


1行目の「ヤンコール」の場合、
配当通貨:AUD(豪ドル)→オーストラリアの企業?
売上比率:日本27%、台湾20%、シンガポール13%





















■調査結果(表バージョン)


銘柄コード配当通貨銘柄名業種時価総額(M)売上比率上位3国(2021年)
03668AUDヤンコール石炭40140日本27、台湾20、シンガポール13
00945CADマニュライフ保険270710アジア50、米国26、カナダ22
01913EURプラダアパレル110540アジア38、欧州29、米国19
00973EURロクシタン化学34120中国17、米国17、日本14
09638EURフェレッティ輸送用機器7510欧中東アフリカ42、南北アメリカ32、アジア6
02378GBPプルーデンシャル保険258570香港24、シンガポール16、インドネシア11
06288JPYファーストリアパレル19750日本54、中国19
06889JPYダイナムジャパンサービス4970日本99、欧州1
06858JPY本間ゴルフその他製造2050日本28、韓国28、中国24
01245JPYニラクサービス293日本97、東南アジア2、中国1
06113MYRUTSマーケサービス492マレーシア100
01866SGD心連心化肥化学7640中国97
00807SGD上海実業環境水道3070中国100
06090SGDセンチュリオンサービス1720シンガポール69、英国17、マレーシア9
01085SGD亨キン科技電子1350中国88、インド0
01656SGD億仕登控股機械1290中国70、シンガポール12、ベトナム4
01730SGDLHN不動産691シンガポール87、カンボジア6、インドネシア3
03302SGD光控精技電子626シンガポール76、米国12、中国8
01843SGD快餐帝国サービス232シンガポール51、マレーシア41、インドネシア6
08313SGD傑地集団金融124シンガポール96、英国2、豪州1
00005USDHSBC金融1011440香港29、英国22、米国8
09999USDネットイースIT559340中国100?
01876USDバドワイザーAPAC飲料272810中国インド等82、日韓等18
02057USD中通快逓運輸171400中国100?
02888USDスタンダード・チャータード金融169170アジア70、アフリカ中東16、欧米13
00316USD東方海外運輸154790アジア81、欧州12、北米5
09987USDヤム・チャイナサービス135040中国100?
00151USD中国旺旺食品86150中国90以上
01179USD華住集団ホテル79730中国88、ドイツ10
00322USD康師傅食品76250中国99
00486USDUCルサール非鉄54540ロシア28、トルコ9、中国6
02588USD中銀航空租賃金融42990中国27、欧州26、アジア20
02518USD汽車之家IT33700中国100?
01691USDJS環球生活家電28480米国58、中国21、欧州12
01208USD五鉱資源非鉄27730南米70、オーストラリア20、アフリカ10
00867USD康哲薬業医薬27080中国100?
03918USDナガコープサービス27000カンボジア88、ロシア12
01910USDサムソナイトその他製造23770米国38、中国11、インド7
02285USD泉峰控股機械23630北米68、欧州23、中国6
02343USD太平洋航運運輸18230非公開(国際海運のため地域特定不可)
01258USD中国有色鉱業非鉄16000中国56、香港12、スイス12
00303USDブイテック家電15120北米45、欧州43、アジア10
01811USD中国広核新能源電力15100中国50、韓国50
00142USD第一太平食品14220インドネシア60、シンガポール15、フィリピン10
01316USDネクスティア自動車13180米国35、メキシコ24、中国20
02099USD中国黄金国際非鉄9550中国100
00179USDジョンソン・エレク機械8970欧州30、北米30、中国28
02038USD富智康通信用機器8370中国72、インド27、メキシコ1
01836USD九興控股繊維5880北米54、欧州22、中国15
00799USDIGGIT4010アジア36、北米35、欧州23
01970USDIMAXチャイナサービス2940中国香港台湾マカオ100?
01442USDインフィニティL&T運輸2390マレーシア57、シンガポール17、タイ8
00770USD上海発展投資金融1820香港100?
00133USD招商局中国基金金融1390資産比:香港ドル77、米ドル23
01358USD普華和順その他製造1190中国100?
02317USD味丹国際食品898ベトナム44、中国17、日本16
00503USD朗生医薬医薬670中国96
00685USD世界華文媒体メディア481東南アジア62、香港台湾32、北米6
00311USD聯泰控股繊維440米国51、中国19、欧州18
01832USD海天地悦旅観光302サイパン81、グアム12、ハワイ7
01747USDホーム・コントロールIT281欧州38、北米25、アジア25
00575USD寿康集団医薬274中国98、欧州2
00422USDVMEP二輪227タイ40、ベトナム27、マレーシア25
01079USD松景科技IT93アジア65、米国35







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