2019/10/23

(8570)イオンフィナンシャルサービス 配当4.1%


(8570)イオンフィナンシャルサービスについて

予想PER 9倍
予想配当利回り 4.1%
時価総額 約3500億円


2018年の高値から株価が3割~4割下がってます。

PER的にほかの金融銘柄と同じくらいの水準になったので
現状を確認してみました。
※いまさら2020年1Qの決算みてます。


結論から申し上げますと、

「懸念が2つあって、割安というほどでもない」
「懸念1つ目は、販売促進しても売上があがりにくい傾向が続いている」
「懸念2つ目は、景気悪化により貸倒費用増加」

という感想でした。


■経常収益(売上)面


まずは経常収益の推移からです。



2013年は13か月決算、2014年はイオン銀行と統合で成長率が高くなっています。
それ以降は、10%前後の成長率になっています。

<カードショッピング増によるプラス>

月次で開示されているカードショッピング取扱高との比較です。



これを確認していれば、おおよその経常収益は確認できそうです。

なお、月次カードキャッシング取扱高も開示されていますが、
金額が小さいため割愛しました。


経常収益が10%前後の成長を続けています
経常収益がこれほど増えている理由を2点考えました。


1.イオン本体が好調

イオンFSと、イオン本体の経常収益成長率を比較してみます。



直近3年はイオンFSのほうが成長率が高く、
イオンFSの優秀さがむしろ際立ちます。


2.販売促進に積極的

次に、経常収益成長率と、販売促進費増加率を比較してみます。



おおむね2017年以降は、経常収益の伸び以上に
販売促進費をたくさん使うようになっており、
経常収益は伸びているものの、利益率が下がって効率が悪化している懸念があります。

<貸出増によるプラス>

営業債権(貸出)の推移もみてみます。



貸出も順調に増えています。
増えている理由はおそらくカードショッピングと同じような理由ではないかと。

ただ、営業債権の増加率よりは、経常収益の成長率が低くなっています。

<金利低下によるマイナス>

会社が公表している金利の推移です。



営業債権が増えるわりに経常収益が増えていかない部分とリンクしていると
思われますが、貸出金利回りが徐々に低下し、同時に利鞘も減少してしまっています。

国債の金利がどんどん下がっているので、
ここはかなり厳しい状況ではないかと。








■経常費用面


2020年1Qで増加した費用は、販売促進費、貸倒関連費用です。
販売促進費は前述しましたので、貸倒関連費用に着目しました。


貸倒関連費用に関するグラフを一気にどどんと。








・2020年1Q決算で、貸倒関連費用が他の費用と比べて大きく増加
・これまで貸倒引当金残高は、営業債権に対して比較的低かった

と言えそうです。



貸倒引当金がどれだけ必要か?というのを
過去の一番悪かった2011年から推測してみます。

2011年は営業債権比で、7.72%積んでいます。
この後、2013年→2014年にイオン銀行との統合で営業債権が2.6倍になりましたので、
その値で調整してみると、2020年1Qの水準は、6.76%になります。




最悪を考えると、これから失業率が悪化する等したら、
もう少し貸倒関連費用が必要になりそう?な気がします。




とはいえ、貸倒関連費用-貸倒償却が一番悪いときで約-165億円
経常利益が約700億円ある会社ですので、
それまでの貸倒関連費用により、貸倒れへの備えが十分になされていて、
景気悪化で急に大赤字になるような心配はあまりない会社だと思いました。







■まとめ


これまで考察したことをまとめますと、

・経常収益が伸びた(伸びやすかった)のは2014年~2017年ごろまで
・経常費用が抑えられたのも2014年~2017年ごろまで

と思いました。

そのころと比べると、PERが下がって今の金融銘柄平均並みの株価
になっているような感想でした。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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