2019/10/01

株主優待が株価に与える影響を考えてみる


株主優待を実施している銘柄と、していない銘柄で
株価がどのくらい違うのか3000銘柄以上のデータから考えてみました。


普段は外国株メインのブログ主ですが、
一応、株主優待目的の銘柄(日本株)を20銘柄くらい保有してます。

なので、どちらかというと、株主優待制度に賛成の立場かもしれません。

■仮説


株主優待を実施すると市場(特に個人投資家)で人気が出て、
割高になるまで買われるのではないか?

という仮説を考えてみます。

■検証準備


<検証に使用したデータ(概要)>

東証に上場している銘柄の中で、

・株主優待あり/なし
・来期予想PER
・来期予想配当利回り

の関係性を検証することで、どのくらい違いがでるのか見てみます。


<検証に使用したデータ(詳細)>

・東証上場銘柄
株価等のデータは2019/9/27の終値を使用
・1週間以上、株価の値が付かなかった銘柄は対象外
・株主優待有無、来期予想PER、来期予想配当利回りは、yahoo financeを参照
・株主優待の内容は問わない(QUOカード、自社商品・・等々あればいい)
・来期予想PERが算出できない「会社予想を出してない銘柄」、
「赤字予想の銘柄」は検証対象から外す
・この条件だとETFやREITも外れている(はず)






■検証結果


<予想PERの検証結果>

予想PERの単純平均を「優待あり銘柄」、「優待なし銘柄」別に計算してみました。

優待あり銘柄優待なし銘柄優待あり/
優待なし比率
全体
平均32.9倍40.1倍0.82倍37.2倍
標準偏差86.6262.3209.4
銘柄数137319983371

「優待なし銘柄の予想PERが40.1倍で高く買われる・・・」としたいところですが、
標準偏差が262.3もあって、一部の超高PER銘柄が異常値のような存在になり、
そこに引っ張られて平均値が高くなっているみたいです。


分布をグラフにしてみると・・・



高PER銘柄のデータ(異常値)を除外したほうがやっぱり良さそうです。


ということで、データ訂正版。

優待あり銘柄優待なし銘柄優待あり/
優待なし比率
全体
平均20.7倍19.0倍1.09倍19.75倍
標準偏差15.415.715.6
銘柄数129818483146

今度は「優待あり銘柄の予想PERのほうが、ほんのり高く買われる」
という結果になりました。



<予想配当利回りの検証結果>

予想配当利回りも同様に単純平均を計算してみました。

優待あり銘柄優待なし銘柄優待あり/
優待なし比率
全体
平均2.00%2.29%0.87倍2.18%
標準偏差1.191.461.36
銘柄数132518423167


「優待なし銘柄の予想配当利回りが2.29%で、
優待あり銘柄より利回りが高い」という結果になりました。



分布も予想配当利回り2%~3%の銘柄数が最も多く、
5%を越える銘柄数はわずかという、直感的にも正しそうな分布になっています。


■まとめ


これまでのまとめです。

・優待あり銘柄は、PERがやや高く買われる
・優待あり銘柄は、PERが高い分配当利回りが低くなる
・配当にまわす金額の一部を優待に回してるとも解釈できる
・とはいえ標準偏差から考えると誤差の範囲の可能性も高い
・つまり、別の日の株価で検証すると、真逆の結果になることもある


例えば(2702)日本マクドナルドをイメージすると
優待銘柄の株価はすごく高いイメージがありましたが、
実はそうでもないかもしれない。ということですね。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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