2019/04/25

部長、課長、係長の年収を推定


部長、課長、係長の年収を厚生労働省の賃金構造基本統計調査から推定してみました。


推定は、

・会社組織の構成
・役職別の年収
・役職別、業種別の年収

という順に行いました。


<元ねた(賃金構造基本統計調査)の概要説明>

賃金構造基本統計調査というのは、日本全国にある各産業の事業所から、
一定の方法で抽出した事業所を対象に調査票の記入してもらうことで調査されています。


2018年の結果については、調査対象数:78,203事業所、有効回答数:56,651事業所
から回答されていて、労働者数の加重平均によって賃金等が算出されています。

以降の推定で使用したのは、従業員数が100人以上の大企業正社員のデータです。


<調べたきっかけ>

ブログ主的に興味あるのは、出世して給料的に割に合うか?というところですね。
上司との面談で「出世したい?」と聞かれても、給料もわからなくて、答えようがないんです。


■会社組織の構成


正社員の役職は、

非役職

係長

課長

部長

と昇進していくモデルで統計データが公表されています。

全産業の平均として労働者数が役職別に集計されていて、
2018年の平均的な会社組織の構成としては、以下のような人数比になります。




部長が1人いて、その下に課長が約2人。
課長1人に対して、係長が約1人。
係長1人に対して、非役職者が約13人という構成になっています。




■役職別の年収


収入は、3つに分けて公表されています。

1.きまって支給する現金給与額(残業代含む)
2.1か月の所定内給与額(残業代含まない)
3.年間賞与その他特別給与額(=ボーナス)

今回は、2、3のデータを使って、残業代を含まない年収を推定してみました。
※年収に残業代を含む場合でも、係長、非役職者の年収が約10%増えますが、
部長、課長の年収は残業代が入ってもほとんど変わりません。


推定の方法(というか式)は、

推定年収 = 1か月の所定内給与額 × 12か月 + 年間賞与その他特別給与額

で計算しました。

<2018年の結果>

2018年の結果ですが、以下の通りでした。

役職部長課長係長非役職
年収1060万円866万円626万円452万円
手取750万円635万円475万円350万円
非役職からの増加率214%181%135%-
平均年齢52.6歳48.5歳44.9歳39.2歳
超過実労働時間(=残業)2時間3時間17時間16時間

※手取はこちらの税理士さんのサイトを参考にさせていただきました。


<年収の解釈の仕方>

年収は、統計学的に言うと、一般的に対数正規分布に従うと言われています。
下の図のような分布ですね。



この分布の見方なんですが、ざっくりいうと、平均以上になるのが全体の3分の1です。
中央値(ちょうど真ん中の人)は平均より100万円近く低い数字になると考えられます。
(よく、「平均年収や平均貯金額で、中央値が大事」と言われるアレです。)


ということは、部長の中で上位3分の1に入るくらい優秀な成果を出して、
年収1060万円になり、平凡な部長年収は900万円代
優秀でない部長になると年収800万円代と見ることもできそうです。


<2001年からの推移>

役職別の年収推移です。



係長だけ2001年より低い年収(-23万円)になっています。

非役職別からの年収増加率推移です。




2001年と、2018年を比べて
課長の年収増加率(うま味)が2%減
係長の年収増加率(うま味)が8%減っています。


部長になれば給料的には報われるかもしれませんが、

・会社組織の構成上、部長になる確率はそもそも低い
・ブログ主的には平均年齢が遠い未来すぎて、この傾向が続くかわからない

というところから、出世の給料的な魅力が無いです;;
(注:個人の感想です)

出世とは?(哲学)




■役職別、業種別の年収


業種別の年収のばらつきが大きいので、
最後に役職別、業種別の年収テーブルを書いておきます。

業種の分類は、政府の統計サイトに詳細な基準が書かれています。


教育,学習支援業の非役職→係長の年収は出世して年収が下がってるように見えますが、
元データのとおりです。

業種部長課長係長非役職
鉱業,採石業,砂利採取業1380万円981万円747万円566万円
建設業1114万円935万円649万円506万円
製造業1083万円895万円647万円454万円
電気,ガス,熱供給,水道業1286万円1072万円812万円557万円
情報通信業1112万円935万円717万円532万円
運輸業,郵便業885万円756万円581万円414万円
卸売業,小売業1019万円834万円593万円454万円
金融業,保険業1407万円1126万円680万円473万円
不動産業,物品賃貸業1099万円866万円642万円476万円
学術研究,専門・技術サービス業1087万円1015万円682万円567万円
宿泊業,飲食サービス業716万円570万円486万円318万円
生活関連サービス業,娯楽業845万円669万円541万円360万円
教育,学習支援業976万円853万円655万円715万円
医療,福祉1093万円680万円556万円408万円
複合サービス事業837万円707万円614万円430万円
サービス業,その他817万円734万円571万円366万円




ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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