優良銘柄である(00696)トラベルスカイ・テクノロジーの株価が最近下がっています。
チャンスがあれば株を購入してみたいので、
何が起きているか見てみました。
予想PER 14倍
予想配当利回り 2.3%
時価総額 約2000億円
スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末一括配当 権利落 7月上旬→支払 9月下旬
■どんな会社?
中国全体の空港関連のITシステムを独占的(dominant)に供給しています。
下図の通り、事業は主に4つに分かれています。
・飛行機の予約管理
・チケット管理/発券
・旅行全般
・代金決済
それぞれのサービスを、航空会社向け、飛行場向け、
旅行代理店向け、運輸業者向けに供給します。
中国の3大航空会社が、約10%ずつ出資しています。
・(00753)中国国際航空:100%子会社の中国航空集団から9.81%
・(00670)中国東方航空:12.21%
・(01055)中国南方航空:9.18%
■配当履歴
2001 0.1840
2002 0.1920(+4%)
2003 0.1020(-46%)
2004 0.2000(+96%)
2005 0.2300(+15%)
2006 0.2200(-4%)
2007 0.1300(-40%)
2008 0.1860(+43%)
2009 0.1340(-28%)
2010 0.1570(+17%)
2011 0.1200(-23%)
2012 0.1330(+10%)
2013 0.1400(+5%)
2014 0.1330(-5%)
2015 0.1660(+24%)
2016 0.2220(+33%)
2017 0.2530(+14%)
2018 0.2690(+6%)
2010年までは、特別配当や株式配当を実施していましたが、
ここ数年は行っていません。
■業績
・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
Revenue 売上 |
5336 (-) |
5471 (+2%) |
6223 (+13%) |
6734 (+8%) |
7472 (+11%) |
Operating profit 営業利益 |
1255 (-) |
1747 (+39%) |
2176 (+24%) |
2473 (+13%) |
2319 (-6%) |
Profit after taxation attributable to Owners of the Company 最終利益 |
1652 (-) |
1914 (+15%) |
2421 (+26%) |
2248 (-7%) |
2325 (+3%) |
Net cash from operating activities 営業CF |
1878 | 2383 | 3645 | 3062 | 2140 |
Net cash used in investing activities 投資CF |
-1814 | -1737 | -2054 | -2167 | -598 |
Net cash from financing activities 財務CF |
-417 | -396 | -501 | -664 | -763 |
Purchase of property, plant and equipment 設備投資(投資CF) |
-964 | -988 | -1134 | -928 | -1256 |
Interest received 金利受取(投資CF) |
133 | 114 | 138 | 101 | 190 |
Dividend paid to the Company’s shareholders 配当支払(財務CF) |
-409 | -389 | -485 | -649 | -751 |
2019年の売上は+11%の増収でしたが、営業利益が-6%の減益でした。
最終利益は、金融収入によって、+3%増益になりました。
営業費用を分解すると、売上の増加率+11%と比べて、
前年比コスト増加率(YOY Change)が全体的に11%をこえて上昇しています。
キャッシュフローは、設備投資して、配当支払っても営業CFが残りますし、
ファイナンスコストがなく、無借金でかなり余裕ありそうです。
営業CFから必要な支払いをした後の残りで、金融商品を購入して(投資CF)、
そこから若干の金融収入を得ているイメージと思います。
■株価が下がる理由の考察
直近で株価が下がっている理由を、「売上面」、「営業利益面」から考察してみます。
<売上面の考察>
売上額のほかに、システムの処理件数が公表されています。処理件数の前年比増加率と、売上の増収率を比較してみると以下のようになります。
処理件数の増加率と、売上の増収率は約+10%増のほぼ同じペースで増えています。
言い換えると、「1処理あたりの単価が増えていない」と推測することができます。
それを踏まえて、月次の処理件数を確認してみます。
過去3年くらいは+10%増のペースでしたが、
直近数か月は処理件数の増加率がやや鈍化している印象です。
<営業利益面の考察>
営業利益率の推移です。営業利益率は30%を越えているものの、2018年は低下しました。
コストが増えた要因が、さまざまなコストがまんべんなく増えたということから、
2017年のような利益率に戻る可能性は低そうに思えます。
<考察のまとめ>
これまでの考察から推測すると、昨年までは+10%の利益成長をする銘柄という印象でした。
2018年の決算、2019年以降の月次データから、
たとえば+5%成長のような銘柄に変わった
と考える人がいても不自然さは無いような感じがします。
それにより、PERで20倍台が受け入れられていたものが、
10倍台に下がっているかもしれません。
たしかに、売上アナリストコンセンサス(左)と、EPSアナリストコンセンサス(右)が
徐々に下がっています。
ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。
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