2019/06/20

(00696)民航信息網絡 2018年期末決算 配当2.3%


優良銘柄である(00696)トラベルスカイ・テクノロジーの株価が最近下がっています。

チャンスがあれば株を購入してみたいので、
何が起きているか見てみました。




予想PER 14倍
予想配当利回り 2.3%
時価総額 約2000億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末一括配当 権利落 7月上旬→支払 9月下旬


■どんな会社?


中国全体の空港関連のITシステムを独占的(dominant)に供給しています。

下図の通り、事業は主に4つに分かれています。

・飛行機の予約管理
・チケット管理/発券
・旅行全般
・代金決済




それぞれのサービスを、航空会社向け、飛行場向け、
旅行代理店向け、運輸業者向けに供給します。


中国の3大航空会社が、約10%ずつ出資しています。

・(00753)中国国際航空:100%子会社の中国航空集団から9.81%
・(00670)中国東方航空:12.21%
・(01055)中国南方航空:9.18%


■配当履歴


2001 0.1840
2002 0.1920(+4%)
2003 0.1020(-46%)
2004 0.2000(+96%)
2005 0.2300(+15%)
2006 0.2200(-4%)
2007 0.1300(-40%)
2008 0.1860(+43%)
2009 0.1340(-28%)
2010 0.1570(+17%)
2011 0.1200(-23%)
2012 0.1330(+10%)
2013 0.1400(+5%)
2014 0.1330(-5%)
2015 0.1660(+24%)
2016 0.2220(+33%)
2017 0.2530(+14%)
2018 0.2690(+6%)

2010年までは、特別配当や株式配当を実施していましたが、
ここ数年は行っていません。




■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2014年2015年2016年2017年2018年
Revenue
売上
5336
(-)
5471
(+2%)
6223
(+13%)
6734
(+8%)
7472
(+11%)
Operating profit
営業利益
1255
(-)
1747
(+39%)
2176
(+24%)
2473
(+13%)
2319
(-6%)
Profit after taxation attributable to
Owners of the Company
最終利益
1652
(-)
1914
(+15%)
2421
(+26%)
2248
(-7%)
2325
(+3%)
Net cash from operating activities
営業CF
1878 2383 3645 3062 2140
Net cash used in investing activities
投資CF
-1814 -1737 -2054 -2167 -598
Net cash from financing activities
財務CF
-417 -396 -501 -664 -763
Purchase of property, plant and equipment
設備投資(投資CF)
-964 -988 -1134 -928 -1256
Interest received
金利受取(投資CF)
133 114 138 101 190
Dividend paid to the Company’s shareholders
配当支払(財務CF)
-409 -389 -485 -649 -751


2019年の売上は+11%の増収でしたが、営業利益が-6%の減益でした。
最終利益は、金融収入によって、+3%増益になりました。


営業費用を分解すると、売上の増加率+11%と比べて、
前年比コスト増加率(YOY Change)が全体的に11%をこえて上昇しています。





キャッシュフローは、設備投資して、配当支払っても営業CFが残りますし、
ファイナンスコストがなく、無借金でかなり余裕ありそうです。

営業CFから必要な支払いをした後の残りで、金融商品を購入して(投資CF)、
そこから若干の金融収入を得ているイメージと思います。


■株価が下がる理由の考察


直近で株価が下がっている理由を、「売上面」、「営業利益面」から考察してみます。


<売上面の考察>

売上額のほかに、システムの処理件数が公表されています。
処理件数の前年比増加率と、売上の増収率を比較してみると以下のようになります。




処理件数の増加率と、売上の増収率は約+10%増のほぼ同じペースで増えています。
言い換えると、「1処理あたりの単価が増えていない」と推測することができます。


それを踏まえて、月次の処理件数を確認してみます。




過去3年くらいは+10%増のペースでしたが、
直近数か月は処理件数の増加率がやや鈍化している印象です。


<営業利益面の考察>

営業利益率の推移です。




営業利益率は30%を越えているものの、2018年は低下しました。

コストが増えた要因が、さまざまなコストがまんべんなく増えたということから、
2017年のような利益率に戻る可能性は低そうに思えます。


<考察のまとめ>

これまでの考察から推測すると、
昨年までは+10%の利益成長をする銘柄という印象でした。

2018年の決算、2019年以降の月次データから、
たとえば+5%成長のような銘柄に変わった
と考える人がいても不自然さは無いような感じがします。


それにより、PERで20倍台が受け入れられていたものが、
10倍台に下がっているかもしれません。


たしかに、売上アナリストコンセンサス(左)と、EPSアナリストコンセンサス(右)が
徐々に下がっています。







ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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