連続増配11年(00384)チャイナガスについて
予想PER 15倍
予想配当利回り 1.9%
時価総額 約2兆円
スケジュールはだいたい以下の通りです。
・3月末決算締め
・期末配当 権利落 8月下旬→支払 9月下旬
・中間配当 権利落 1月中旬→支払 1月下旬
※【2018】中国 連続増配銘柄(10年以上)
■どんな会社?
中国全土で都市ガス(天然ガス)と、LPG(液化石油ガス)を供給します。
LPGは、輸入からエンドユーザーへの供給まで行っており、
工場や、商業施設、家庭に供給されます。
↓都市ガス供給エリア
↓LPG供給エリア
ガス管新規接続による成長と、買収による成長で持続的な成長を続けています。
■配当履歴
2006 0.0100
2007 0.0120(+20%)
2008 0.0120(+0%)
2009 0.0140(+16%)
2010 0.0170(+21%)
2011 0.0220(+29%)
2012 0.0392(+78%)
2013 0.0848(+116%)
2014 0.1206(+42%)
2015 0.1615(+33%)
2016 0.1946(+20%)
2017 0.2500(+28%)
2018 0.3500(+40%)
2019 0.4400(+25%)
連続増配年数が11年になりました。
■業績
・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
Revenue 売上 |
31666 (-) |
29496 (-6%) |
31993 (+8%) |
52831 (+65%) |
59386 (+12%) |
Profit for the year attributable to Owners of the Company 当期純利益 |
3371 (-) |
2273 (-32%) |
4147 (+82%) |
6095 (+47%) |
8224 (+34%) |
Net cash generated from operating activities 営業CF |
4652 | 5862 | 4116 | 6445 | 未発表 |
Net cash used in investing activities 投資CF |
-5170 | -4001 | -4112 | -7168 | 未発表 |
Net cash from financing activities 財務CF |
-708 | -1327 | -520 | 3908 | 未発表 |
Additions of property, plant and equipment 設備投資(投資CF) |
-3617 | -2722 | -2639 | -6340 | 未発表 |
Acquisition of subsidiaries, net of cash and cash equivalents acquired 子会社買収(投資CF) |
-174 | -214 | -366 | -448 | 未発表 |
Additions of investments in joint ventures 合弁会社買収(投資CF) |
-506 | -370 | -25 | -28 | 未発表 |
Interest paid 金利支払(財務CF) |
-554 | -840 | -963 | -1048 | 未発表 |
Dividend paid 配当支払(財務CF) |
-605 | -942 | -953 | -1391 | 未発表 |
2019年の売上は+12%の増収、当期純利益は+34%の増益でした。
当初アナリスト予想等と比較して、売上は未達、当期純利益は超過しました。
■売上未達の原因考察<全社>
アナリストコンセンサス予想の売上未達の原因を探るため、
6か月ごとの業績に分解して分析してみます。
実は、直近(2018年10月~2019年3月)の売上は前年比-4%減でした。
同様に、純利益は+48%増でした。
売上をさらに部門別に分解してみます。
売上金額が大きい「(天然)ガス販売」、「LPG」部門の
前年同期比変化率が低くなっています。
(天然)ガス販売は+7%増、LPGは-33%減でした。
この2部門に売上未達の原因がありそうです。
■売上未達の原因考察<天然ガス販売部門>
天然ガス販売のどこに原因があるか探ってみます。
ガス販売量×ガス価格=売上
になると思いますので、ガス販売量から確認してみます。
<天然ガス販売量>
天然ガス販売量の6か月ごと推移です。前年同期比で+30%増のペースで増え続けており、
ペースが鈍化する傾向は見られません。
<天然ガス価格>
天然ガス価格表です。天然ガス価格は少なくとも+5%は上昇しています。
こちらも、売上の伸び率が少なくなる要因とは考えにくいです。
<天然ガス販売量×価格>
販売先別 6か月ごとガス販売量の推移です。グラフから少し読み取りづらいのですが、
表から、比較的高単価な商業用、工業用ガスの販売量伸び率が低くて、
低単価な家庭用ガスの販売量伸び率が高くなっています。
ここが増収率が低くなった原因と考えられます。
■売上未達の原因考察<LPG部門>
LPG販売量の6か月ごと推移です。
直近はやや減少しています。
この点に関して会社コメントがあります。
1. LPG wholesale business recorded a slight year-on-year decrease in sales volume. It was mainly attributable to the control of the Group appropriately exercised over its LPG imports to prevent the effect of the substantial volatility of international LPG purchase price on purchase costs and profit.
2. As the crude oil and LPG prices fell sharply in 2018 Q4, causing sales loss for those LPG purchased before the oil price drop, which was the main reason behind the 81.5% decline in core net profit attributable to the owners of the Company during the period.
おそらく↓こんな内容と思います。
1.LPG販売量は減少しました。この理由は、LPG価格の変動が業績に
大きく影響してしまうことを避けるために、調整しました。
2.LPG価格は2018年(10月-12月)に大きく下落しました。
この時期にLPGを販売すると、下落前に仕入れた分とのギャップで
損失が出てしまうためです。
何が起きていたのかLPG価格を確認します。
一般財団法人日本エネルギー経済研究所の石油情報サイトによると、
以下のような価格推移をしているそうです。
ドルの列を見てみると、
プロパン、ブタンともに2018年12月近辺で3割程度下落しています。
2019年4月~5月は持ち直してきていますが、6月にまた下落しています。
その結果、業績は以下のとおりギリギリ黒字を維持しました。
売上:15917に対して、粗利:101でした。
会社コメントの通り、LPG価格の下落によりLPG売上減少したということです。
■今後の見通し
会社発表の今後の見通しを確認します。
6か月前に発表された会社見通しと、
今回の決算で発表された会社見通しを比較します。
LPGの販売量が下方修正されています。
また、value-added-service※の粗利がやや下方修正されています。
※value-added-service:ガス給湯器等のガス器具販売事業。
■感想
ブログ主はこの銘柄をポートフォリオで一番多く保有していますが、
順調に成長してくれていて、良くもなく悪くもなくな内容でした。
売上がアナリスト予想未達となった原因が、
市況や政府の影響を大きく受ける価格に起因する問題でした。
ブログ主が当社に期待しているのは、ガス販売量をとにかく増やすことで、
+30%増は考えていたよりかなり増えていて良かったです。
また、米中貿易戦争の影響で、工業向け天然ガスの販売量が落ち込むとこを
懸念していましたが、今のところそのようには感じませんでした。
LPGは実績、見通しともに下方修正されましたが、
もともとブレが大きい事業という印象のため、
利益をあまり期待してないのです。
この銘柄はPER14倍くらいで売買されることが多いと思いますので、
そういう意味から今の株価(HK$28)は妥当な株価かなと思います。
ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。
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