2019/08/11

(00363)上海実業 2018年期末決算 配当7.2%


高配当な(00363)上海実業の2018年期末決算を確認してみました。

予想PER 4倍
予想配当利回り 7.2%
時価総額 約2200億円


スケジュールはだいたい以下の通りです。
・12月末決算締め
・期末配当 権利落 5月下旬→支払 6月中旬
・中間配当 権利落 9月中旬→支払 10月上旬



■どんな会社?


中国でインフラ(高速道路、水処理施設)運営、不動産販売、
消費財(タバコ、紙梱包)を行います。

上場子会社に以下の会社があります。
・00807:上海実業環境
・01381:粤豊環保電力
・00563:上海実業城市開発
・600748:上海実業発展


<インフラ事業>



<不動産事業>




<消費財事業>




タバコ販売と、タバコの紙パッケージ作成やプレゼント用包装紙等の、
包装全般になります。

■配当履歴


2000 0.410
2001 0.480(+17%)
2002 0.450(-6%)
2003 0.500(+11%)
2004 0.550(+10%)
2005 0.420(-23%)
2006 0.520(+23%)
2007 0.800(+53%)
2008 0.810(+1%)
2009 1.080(+33%)
2010 1.080(+0%)
2011 1.080(+0%)
2012 1.080(+0%)
2013 0.870(-19%)
2014 0.900(+3%)
2015 0.810(-10%)
2016 0.920(+13%)
2017 0.940(+2%)
2018 1.000(+6%)

キレイな連続増配ではないですが、全体としては増加傾向です。





■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2014年2015年2016年2017年2018年
Revenue
売上
19967
(-)
19693
(-1%)
22131
(+12%)
29504
(+33%)
30412
(+3%)
Profit for the year
attributable to
Owners of the Company
当期純利益
3069
(-)
2770
(-9%)
2903
(+4%)
3150
(+8%)
3333
(+5%)
Net cash generated from operating activities
営業CF
-5551 311 9260 3566 359
Net cash used in investing activities
投資CF
-1641 1299 -2667 -2467 -1212
Net cash generated from financing activities
財務CF
6546 -1452 -1241 -2040 -4973
Increase in inventories
不動産在庫増減(営業CF)
-2383 -4271 3683 23 -4234
Increase in receivables under
service concession arrangements
インフラ運営収入権(営業CF)
-0 -490 -935 -2038 -2770
Interest paid
金利支払(財務CF)
-1274 -1436 -1425 -2353 -2745
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-1093 -1469 -1150 -1551 -1608

営業キャッシュフローのばらつきが大きいです。

不動産販売事業と、インフラ(水処理施設運営)事業の影響で、
同業他社も、営業キャッシュフローが赤字になりがちな事業をしているためです。


■株価は割安か?


不動産、タバコ、水処理運営と、不人気事業がメインの当社ですが、
株価が安いと思って調べてみました。

<各事業の売上、利益推移>

イメージ的には、インフラ/消費財事業は安定的で、
不動産事業は業績のばらつきが大きいイメージですが、
実際どうなっているのか、過去の推移をグラフにしました。

・部門別売上



不動産の売上が最大です。
多い年と、少ない年があります。

近年は、インフラ部門もかなり多くなってきています。



・部門別利益




利益は、消費財+インフラがかなりの割合を占めています。

2009年から2010年にかけて医薬部門の売却により利益が減少していますが、
それ以降は、徐々に増益となっています。

<株価の評価は?>

年末時点の株価をもとに、時価総額の推移をグラフにしました。



利益は増えているのに、株価はむしろ下がっています。


当社全体のPERが赤の線です。

対して、比較的安定しているインフラ事業と消費財事業の利益のみ
当社の利益としてPERを計算したものが緑の線です。


インフラと消費財の事業としても、PERが10倍を割る株価になっています。

ちなみに、PBRは約0.4、過去3年で最低レベルです。


インフラ事業は、中国政府のPPP投資が低調であること、
タバコ事業は喫煙率の減少や、電子タバコの参入の影響があることが
考えられますが、それにしてもずいぶん安くなっているように思えます。


現地の証券会社レポートでも「なぜこんなに安いのか?・・・」
というコメントも見られました。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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