2018/12/09

プロテスタント国への投資は?

Mヴェーバー著(1905年)の
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で、
キリスト教(プロテスタント)の教えが近代資本主義を
成立させたとされています。

そこで、現代のプロテスタント国への投資パフォーマンスは
どのくらいか検証してみました。

■プロテスタントの分布


16世紀ごろ宗教改革が発生したイギリス、ドイツを源流として
そこから移住したアメリカ、オーストラリア等に広まっています。




















赤の国   ・・・プロテスタント  & 英語圏
オレンジの国・・・プロテスタント  & 非英語圏
緑の国   ・・・非プロテスタント & 英語圏

■シミュレーションした国・銘柄


同じ通貨(米ドル)で比較できるように
米国上場の各国ETFへ投資したと仮定。

銘柄プロテスタント英語
米国VTI
カナダEWC
イギリスEWU
オーストラリアEWA
南アフリカEZA
ドイツEWG×
日本EWJ××
中国FXI××
世界全体VT
ニュージーランドENZL


■シミュレーション結果


期間は、上場が最も遅いニュージーランドETFにあわせて
2010年~執筆時点(2018年)まで。























開始地点を100とした場合のパフォーマンス。
結果は、以下のとおりです。(赤い字がプロテスタントの国)

1位、2位はプロテスタントの国ですが、
それ以外のプロテスタントの国は下位になっています。
必ずしもプロテスタントの国が優位ではないことがわかります。

 1位 米国 231
 2位 ニュージーランド 173
 3位 世界全体 152
 4位 日本 135
 5位 ドイツ 116
 6位 中国 94
 7位 イギリス 92
 8位 カナダ 92
 9位 オーストラリア 85
10位 南アフリカ 75

米国VTIの構成銘柄にはアップルやマイクロソフトが
含まれますが、海外売上比率が50%を越えています。

その企業で働く方は必ずしもプロテスタントの比率は高くなく
そういった企業をプロテスタントの国の企業と呼ぶのは
そもそも無理があったのかもしれません。

上場先の国×宗教で投資先を選ぶことが今日では
あまり意味を持っていないかもしれない。という結論です。

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