2018/12/26

(00823)Link REIT 連続増配11年 配当3.4% 2018年

連続増配11年を継続中の(00823)Link REIT(領展房地産)について

予想PER 29倍
予想配当利回り 3.4%
時価総額 約2.3兆円

スケジュールはだいたい以下の通りです。
・3月末決算締め
・期末配当 権利落 6月下旬→支払 7月上旬
・中間配当 権利落 11月下旬→支払 12月上旬

中国 連続増配銘柄(10年以上)の一覧

■どんな会社?

香港で不動産賃貸。不動産は、商業施設、駐車場、オフィスビル。
中国本土にも進出しはじめました。
物件価格による所有割合は、
香港91%(商業施設70%、駐車場17%、オフィスビル4%)。中国本土9%。






















上記引用した 2018年 annual report に
当REITの特徴と思われる点が書かれています。
以下、ブログ主の理解です。

~~持続的な成長を目指す物件管理の方針~~
非中核的な物件を売却し、よりグレードの高い物件へ買い替えることで
物件ポートフォリオを強化し、株主へ持続的なリターンをもたらします。

~~物件管理の実績~~
2011年4月以降、以下のポートフォリオ入れ替えを実施。
物件売:350億HKドル
物件買:310億HKドル。(中国本土の3物件を含む。)

その結果、2011年以降の平均的な各種成長率は12%~19%を達成しました。

■配当履歴

2007 0.3462
2008 0.7440(+114%)
2009 0.8399(+12%)
2010 0.9737(+15%)
2011 1.1045(+13%)
2012 1.2952(+17%)
2013 1.4646(+13%)
2014 1.6574(+13%)
2015 1.8284(+10%)
2016 2.0618(+12%)
2017 2.2841(+10%)
2018 2.4978(+9%)

■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2014年2015年2016年2017年2018年
Revenue
売上
7155
(-)
7723
(+7%)
8740
(+13%)
9255
(+5%)
10023
(+8%)
Profit for the year
最終利益
17305
(-)
27230
(+57%)
16295
(-41%)
17711
(+8%)
47761
(+169%)
Net cash generated from operating activities
営業CF
4659 4853 5682 6077 6485
Net cash genereted from investing activities
投資CF
-1736 -4610 -9562 422 8087
Net cash used in financing activities
財務CF
-4020 1430 1987 -6291 -11962
Gains on disposals of investment properties
不動産売却益
0 445 396 1387 7306
Change in fair values of
investment properties
不動産評価益
13445 22699 11263 11494 35493
Capital expenditure
設備投資
-1105 -8316 -12594 -8402 -7031
Distributions paid to Unitholders
配当支払
-2800 -4030 -4368 -4898 -5254
不動産評価益のため、
売上より最終利益のほうがはるかに大きくなっています。
そのため、配当性向やPERはとてつもない数字が出てしまいます。

営業CFで賃貸収入の実態を見られます。
下のグラフの青い部分の収入で緑部分、赤部分の費用を賄えています。
賃貸収入から得られた営業CFの約8割が配当にまわされています




当社の方針どおり、
投資CFと、財務CFで値上がりした不動産の売却や、
それで得た資金をもとに新たな不動産の取得を行っているように見えます。
後述する貸借対照表で、有利子負債がほとんどありません。


・貸借対照表
2014年2015年2016年2017年2018年
Total assets
総資産

113466

143144

163452

175940

216404
Non-current liabilities, excluding net
assets attributable to Unitholders
固定負債

11583

20158

31624

33397

30111
Interest bearing liabilities
有利子負債

9699

15130

25965

27197

23196
Net assets attributable to Unitholders
純資産

96351

118106

127387

138241

178594

不動産(Investment properties)は、203091。
発行済株式数は直近5年ほとんど変化なし。
株式の時価総額は、166424。
リートだから?純資産と株価(=時価総額)がほぼ同じ水準で推移しています。

■感想


増資や、負債の大規模な借入れは、まだ無さそう。(今後も、不要?)
そういう意味では既存投資家には株式希薄化懸念等がなくいいかもしれないです。
実績として、売上10023に対して、ファイナンスコスト(おもに金利払)665と
それなりに負担があります。

これまでは香港不動産の値上がり益で成長してきました。
これからも方針が変更されなければ不動産価格と連動するでしょう。

ただし、そもそも不動産価格が上昇しなくても、賃料の下落や、
従業員コスト等に変化がなければ、現状の配当は維持できると思われます
つまり、今後の連続増配可能性は、不動産価格の上昇にかかっているといえそうです。
そういう意味で、中国政府の不動産引き締め方針は当社にとって逆風と思えます。

0 コメント:

コメントを投稿