AWK(アメリカンウォーターワークス) と WTR(アクアアメリカ)の
2018年期末決算を比較します。
両社とも米国で水道運営をしています。
アクアアメリカは、2018年10月にガス運営会社(Peoples社)の買収を発表。
2019年中ごろの買収完了予定。
AWK WTR
実績PER 31倍 25倍
配当利回 1.8% 2.4%
■業績
・損益計算書、キャッシュフロー計算書
AWK | WTR | |||||
2017年 | 2018年 | 2019年(予想) | 2017年 | 2018年 | 2019年(予想) | |
Operating Revenues 売上 |
3357 | 3440 | 809 | 838 | ||
Net income attributable to common shareholders 最終利益 |
426 | 567 | 239 | 191 | ||
Diluted EPS 一株利益 |
2.38 | 3.15 | 1.35 | 1.08 | ||
Adjusted Diluted EPS (税調整後)一株利益 |
3.03 | 3.30 | 3.54~ 3.64 |
1.35 | 1.41 | 1.45~ 1.50 |
cash flow from operating activities 営業CF |
1449 | 1386 | 381 | 未公表 | ||
cash flow from investing activities 投資CF |
-1672 | -2036 | -480 | 未公表 | ||
cash flow from financing activities 財務CF |
726 | 207 | 99 | 未公表 | ||
Capital expenditures 設備投資(投資CF) |
-1434 | -1586 | -8000~ -8600 5年後まで の合計 |
-478 | -594 | 約-550 |
Acquisitions, net of cash acquired 子会社買収(投資CF) |
-177 | -398 | -5 | 未公表 | ||
Dividends paid 配当支払(財務CF) |
-289 | -319 | 7%増~ 10%増 |
-140 | 未公表 |
予想値は、会社公表値です。
以下、会社コメントです。
アメリカンウォーターワークスは、
2019年のEPS予想を、$3.54~$3.64としました。
2019年~2023年のEPS平均成長率目標(CAGR)を7%~10%としました。
配当成長も同様に、7%~10%としました。
アクアアメリカは、EPS予想を、$1.45~$1.50としました。
2021年までの設備投資を約14億ドルで見込んでいます。
■売上推移
両社の売上推移をみて、成長性を考えてみます。
アメリカンウォーターワークスは、
水道部門と、産業・軍事用水部門にわかれていますので、
各部門ごとの売上推移をみてみます。
水道部門が売上のほとんどを占めています。
水道部門は毎年微増益ですが、産業・軍事用水は売上の増減が生じています。
アクアアメリカは、やや売上の増減が生じています。
アメリカンウォーターワークスの約4分の1の売上です。
両社とも成長の源と位置付けているのが、M&Aです。
M&Aにより地方の水道事業を買収して顧客数を増加することで
売上成長を目指しています。
その成果の確認として、両社の顧客数推移をみてみます。
アメリカンウォーターワークスは、水道部門の顧客数です。
顧客数はアメリカンウォーターワークスが300万人超に対して、
アクアアメリカは100万人と、3倍くらい多いです。
増加率は、ややアクアアメリカのほうが高いです。
米国の人口自然増よりは両社とも顧客増加率が高く、
M&Aの成果は出ていると考えてよいと思います。
■感想
アメリカンウォーターワークスが米国で業界最大手ですが、
米国の人口が3億人を超えていることから考えると、
まったく寡占化されていない分野と思います。
とはいうものの、キャッシュフローの面から考えると、
営業CFのほとんどが設備投資に回っており、
M&Aや、増配に回す余力は無いように感じます。
現状の10%を大きく超える成長を期待するのは難しい分野かと思います。
いまのPER(20倍台後半)から考えると、
キャッシュフローの設備投資の感じが似ていて、
より割安で高配当な電力株のほうがブログ主の好みです。
※AWKがPER10倍台くらいに安くなれば買おうとウォッチしてから、数年。
全然安くならないので買えてないのが本音です。
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