2019/02/22

AWK と WTR 2018年期末決算比較

AWK(アメリカンウォーターワークス) と WTR(アクアアメリカ)の
2018年期末決算を比較します。

両社とも米国で水道運営をしています。
アクアアメリカは、2018年10月にガス運営会社(Peoples社)の買収を発表。
2019年中ごろの買収完了予定。

     AWK WTR
実績PER 31倍 25倍
配当利回 1.8% 2.4%

■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
AWKWTR
2017年2018年2019年(予想)2017年2018年2019年(予想)
Operating Revenues
売上
3357 3440 809 838
Net income attributable to
common shareholders
最終利益
426 567 239 191
Diluted EPS
一株利益
2.38 3.15 1.35 1.08
Adjusted Diluted EPS
(税調整後)一株利益
3.03 3.30 3.54~
3.64
1.35 1.41 1.45~
1.50
cash flow from operating activities
営業CF
1449 1386 381 未公表
cash flow from investing activities
投資CF
-1672 -2036 -480 未公表
cash flow from financing activities
財務CF
726 207 99 未公表
Capital expenditures
設備投資(投資CF)
-1434 -1586 -8000~
-8600
5年後まで
の合計
-478 -594 約-550
Acquisitions,
net of cash acquired
子会社買収(投資CF)
-177 -398 -5 未公表
Dividends paid
配当支払(財務CF)
-289 -319 7%増~
10%増
-140 未公表


予想値は、会社公表値です。
以下、会社コメントです。

アメリカンウォーターワークスは、
2019年のEPS予想を、$3.54~$3.64としました。
2019年~2023年のEPS平均成長率目標(CAGR)を7%~10%としました。
配当成長も同様に、7%~10%としました。

アクアアメリカは、EPS予想を、$1.45~$1.50としました。
2021年までの設備投資を約14億ドルで見込んでいます。






■売上推移


両社の売上推移をみて、成長性を考えてみます。

アメリカンウォーターワークスは、
水道部門と、産業・軍事用水部門にわかれていますので、
各部門ごとの売上推移をみてみます。



水道部門が売上のほとんどを占めています。
水道部門は毎年微増益ですが、産業・軍事用水は売上の増減が生じています。



アクアアメリカは、やや売上の増減が生じています。
アメリカンウォーターワークスの約4分の1の売上です。





両社とも成長の源と位置付けているのが、M&Aです。
M&Aにより地方の水道事業を買収して顧客数を増加することで
売上成長を目指しています。
その成果の確認として、両社の顧客数推移をみてみます。
アメリカンウォーターワークスは、水道部門の顧客数です。



顧客数はアメリカンウォーターワークスが300万人超に対して、
アクアアメリカは100万人と、3倍くらい多いです。

増加率は、ややアクアアメリカのほうが高いです。
米国の人口自然増よりは両社とも顧客増加率が高く、
M&Aの成果は出ていると考えてよいと思います。


■感想


アメリカンウォーターワークスが米国で業界最大手ですが、
米国の人口が3億人を超えていることから考えると、
まったく寡占化されていない分野と思います。

とはいうものの、キャッシュフローの面から考えると、
営業CFのほとんどが設備投資に回っており
M&Aや、増配に回す余力は無いように感じます。

現状の10%を大きく超える成長を期待するのは難しい分野かと思います。


いまのPER(20倍台後半)から考えると、
キャッシュフローの設備投資の感じが似ていて、
より割安で高配当な電力株のほうがブログ主の好みです。

※AWKがPER10倍台くらいに安くなれば買おうとウォッチしてから、数年。
全然安くならないので買えてないのが本音です。


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