(KHC)クラフトハインツの2018年期末決算を確認します。
決算後の株価20%以上マイナスと、大幅減配ということになっています。
ブログ主の保有銘柄ではありませんが、勉強のために確認します。
■業績
・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
Revenue 売上 |
10922 | 18338 | 26487 | 26232 | 26259 |
Goodwill impairment losses のれん減損 |
0 | 0 | 0 | 0 | 7272 |
Intangible asset impairment losses 無形資産減損 |
0 | 0 | 0 | 0 | 8667 |
Operating income 営業利益 |
1568 | 2639 | 6142 | 6773 | -10193 |
Provision for income taxes 税金(マイナスは還付) |
131 | 366 | 1381 | -5460 | -1006 |
Net income/(loss) attributable to common shareholders 最終利益 |
-63 | -266 | 3452 | 10999 | -10229 |
Diluted EPS 一株利益 |
-0.17 | -0.34 | 2.81 | 8.95 | -8.39 |
Adjusted EPS (調整後)一株利益 |
1.98 | 2.19 | 3.33 | 3.55 | 3.53 |
Net cash generated from operating activities 営業CF |
2140 | 1272 | 2649 | 527 | 未発表 |
Net cash used in investing activities 投資CF |
-349 | -8309 | 1452 | 1156 | 未発表 |
Net cash used in financing activities 財務CF |
-1820 | 10047 | -4621 | -4226 | 未発表 |
Pension and postretirement benefit plan contributions 年金・退職給付制度へ拠出(営業CF) |
-102 | -286 | -344 | -1518 | 未発表 |
Cash receipts on sold receivables 売掛金現金受領(投資CF) |
0 | 1331 | 2589 | 2286 | 未発表 |
Payments to acquire Kraft Foods Group, Inc., net of cash acquired クラフト買収(投資CF) |
0 | -9468 | 0 | 0 | 未発表 |
Capital expenditures 設備投資(投資CF) |
-399 | -648 | -1247 | -1217 | 未発表 |
Dividends paid-common stock, Preferred Stock 配当支払(普通株+優先株)(財務CF) |
-720 | -2202 | -3764 | -2888 | 未発表 |
まず、2015年に、クラフトと、ハインツが合併してますが、
前後の決算内容が全く異なる内容となっており、
推移の比較上は、2014年の決算は参考にならないと思います。
2018年の決算ですが、のれん減損と無形資産減損により営業利益が赤字になりました。
減損額は約160億ドルでした。
四半期配当が、0.625ドル(年間2.500ドル)から0.400ドル(年間1.600ドル)に減配(-36%減)されました。
■のれん、無形資産減損の影響考察
のれんと無形資産の減損前後の規模ですが、
以下のとおり、バランスシートの大部分を占めています。
金額的には約1000億ドルであったものが、減損で約850億ドルに減りました。
のれんと無形資産の中身は、過去に買収した企業の「のれん代」と
「ブランド」がほぼ全部のようです。
2016年の最終利益を当社の標準的な利益額と考えますと、
4~5年分くらいの額になります。
一般的に減損は、企業価値が当初より下がった場合に行われます。
企業価値とは、将来の利益見込み(≒売上見込み)に他ならないもので、
仮に将来20年分ののれんと仮定すると、
そのうちの4~5年分が消失したことになります。
割引率を考えると、割合はもっと少ないかもしれませんが、
20%くらいの価値が減ってしまったという見方ができそうです。
■売上・利益見通しが悪い?
四半期ごとの売上増減理由の推移を確認してみます。
数量の減少傾向が1年以上続いていましたが、直近2四半期は数量プラスになっています。
ただ、2016年の水準まで戻るかどうかは、しばらく決算追いかけてみないとわからなそうです。
■事前に気付けたか?
2017年までの決算書で当社銘柄の購入を避けれたか?という観点です。
一つ目は、営業CFと、「設備投資額+配当支払額」の比較です。
「設備投資額+配当支払額」が営業CFを大きく超えてしまっています。
会社側の立場で対策を考えますと、
・借入を大きく増やす?
・増資をする?
・「設備投資額+配当支払額」のどちらかを減らしたほうがよいのでは?
と考えられます。
つまり、減配リスクがややありと認識できます。
二つ目は、決算書の項目数値の変化率です。
決算書の項目の中で、前年と当年で数字が大きく変わっている項目が多いのが
当社の決算書の特徴のように感じます。
たとえば、
・営業CF 年金・退職給付制度へ拠出した額が急に増えた理由は?
・投資CF 何故マイナスでないか?
・財務CF 配当支払が増減している理由は?
おそらく、一つ一つには会社として正当な理由があり、開示されていますが、
こういった疑問点が多く、一つずつ調べるのがとても骨が折れる決算書です。
決算書の内容が難しすぎて、ブログ主は投資を敬遠してしまいます。
(とても主観的な感想ですみません)
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