2019/02/24

(KHC)クラフトハインツの2018年期末決算確認


(KHC)クラフトハインツの2018年期末決算を確認します。

決算後の株価20%以上マイナスと、大幅減配ということになっています。
ブログ主の保有銘柄ではありませんが、勉強のために確認します。

■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2014年2015年2016年2017年2018年
Revenue
売上
10922 18338 26487 26232 26259
Goodwill impairment losses
のれん減損
0 0 0 0 7272
Intangible asset impairment losses
無形資産減損
0 0 0 0 8667
Operating income
営業利益
1568 2639 6142 6773 -10193
Provision for income taxes
税金(マイナスは還付)
131 366 1381 -5460 -1006
Net income/(loss) attributable
to common shareholders
最終利益
-63 -266 3452 10999 -10229
Diluted EPS
一株利益
-0.17 -0.34 2.81 8.95 -8.39
Adjusted EPS
(調整後)一株利益
1.98 2.19 3.33 3.55 3.53
Net cash generated
from operating activities
営業CF
2140 1272 2649 527 未発表
Net cash used in
investing activities
投資CF
-349 -8309 1452 1156 未発表
Net cash used in
financing activities
財務CF
-1820 10047 -4621 -4226 未発表
Pension and postretirement
benefit plan contributions
年金・退職給付制度へ拠出(営業CF)
-102 -286 -344 -1518 未発表
Cash receipts on sold receivables
売掛金現金受領(投資CF)
0 1331 2589 2286 未発表
Payments to acquire
Kraft Foods Group, Inc.,
net of cash acquired
クラフト買収(投資CF)
0 -9468 0 0 未発表
Capital expenditures
設備投資(投資CF)
-399 -648 -1247 -1217 未発表
Dividends paid-common stock,
Preferred Stock
配当支払(普通株+優先株)(財務CF)
-720 -2202 -3764 -2888 未発表


まず、2015年に、クラフトと、ハインツが合併してますが、
前後の決算内容が全く異なる内容となっており、
推移の比較上は、2014年の決算は参考にならないと思います。


2018年の決算ですが、のれん減損と無形資産減損により営業利益が赤字になりました。
減損額は約160億ドルでした。

四半期配当が、0.625ドル(年間2.500ドル)から0.400ドル(年間1.600ドル)に減配(-36%減)されました。

■のれん、無形資産減損の影響考察


のれんと無形資産の減損前後の規模ですが、
以下のとおり、バランスシートの大部分を占めています。




金額的には約1000億ドルであったものが、減損で約850億ドルに減りました。
のれんと無形資産の中身は、過去に買収した企業の「のれん代」と
「ブランド」がほぼ全部のようです。


2016年の最終利益を当社の標準的な利益額と考えますと、
4~5年分くらいの額になります。

一般的に減損は、企業価値が当初より下がった場合に行われます。
企業価値とは、将来の利益見込み(≒売上見込み)に他ならないもので、
仮に将来20年分ののれんと仮定すると、
そのうちの4~5年分が消失したことになります。

割引率を考えると、割合はもっと少ないかもしれませんが、
20%くらいの価値が減ってしまったという見方ができそうです。


■売上・利益見通しが悪い?


四半期ごとの売上増減理由の推移を確認してみます。



数量の減少傾向が1年以上続いていましたが、直近2四半期は数量プラスになっています。
ただ、2016年の水準まで戻るかどうかは、しばらく決算追いかけてみないとわからなそうです。


■事前に気付けたか?


2017年までの決算書で当社銘柄の購入を避けれたか?という観点です。


一つ目は、営業CFと、「設備投資額+配当支払額」の比較です。
「設備投資額+配当支払額」が営業CFを大きく超えてしまっています。

会社側の立場で対策を考えますと、

・借入を大きく増やす?
・増資をする?
・「設備投資額+配当支払額」のどちらかを減らしたほうがよいのでは?
と考えられます。
つまり、減配リスクがややありと認識できます。



二つ目は、決算書の項目数値の変化率です。
決算書の項目の中で、前年と当年で数字が大きく変わっている項目が多いのが
当社の決算書の特徴のように感じます。

たとえば、

・営業CF 年金・退職給付制度へ拠出した額が急に増えた理由は?
・投資CF 何故マイナスでないか?
・財務CF 配当支払が増減している理由は?

おそらく、一つ一つには会社として正当な理由があり、開示されていますが、
こういった疑問点が多く、一つずつ調べるのがとても骨が折れる決算書です。
決算書の内容が難しすぎて、ブログ主は投資を敬遠してしまいます。
(とても主観的な感想ですみません)


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