2019/05/06

(WBK)ウエストパック銀行 配当6.9% 2019年3月中間決算


オーストラリアの4大銀行の1つ
(WBK)ウエストパック銀行
2019年3月中間決算が5/6に発表されました。

もともと見られていた通りかもしれませんが、
内容が悪くて、配当維持が危うくなってきている気がしました。


■銘柄概要


 上場先:銘柄コード
 オーストラリア:WBC.AU
 アメリカADR:WBK

 決算期:9月
 ADR株価:19.41 米ドル
 PER:11.4倍
 配当利回:6.9%


■配当推移


        配当(豪ドル)
1999  0.45
2000  0.50
2001  0.90
2002  0.70
2003  0.78
2004  0.86
2005  1.00
2006  1.16
2007  1.31
2008  1.42
2009  1.16
2010  1.39
2011  1.56
2012  1.66
2013  1.94 ※うち特別配当0.2
2014  1.82
2015  1.87
2016  1.88
2017  1.88
2018  1.88
2019  0.94 ※中間配当まで

中間配当は、前期と同様に、0.94豪ドルと変更ありません。

ただ、配当性向が100%を越えた点に関しては注意が必要だと思われます。
それによって、減配を主張するアナリストもいます。




■業績


・損益計算書、キャッシュフロー計算書
2015年2016年2017年2018年2019年
中間
Net operating income before operating expenses
売上
21642 20985 21802 22133 9979
Net profit attributable to owners of
Westpac Banking Corporation
最終利益
8012 7445 7990 8095 3173
Diluted EPS
一株利益
2.48 2.17 2.29 2.30 0.89
Net cash provided by operating activities
営業CF
-541 5497 2820 19802 -9294
Net cash provided by investing activities
投資CF
-18715 -7245 -1698 -1620 -6821
Net cash provided by financing activities
財務CF
5513 4573 552 -11092 8605
Loans
貸付金(営業CF)
-39569 -38082 -26815 -24740 -1789
Deposits and other borrowings
預金及びその他借入金(営業CF)
8526 38771 23062 23928 -7572
Dividend paid
配当支払(財務CF)
-4340 -5402 -4839 -5769 -2897


<損益計算書に関して>

売上は前年同期比-10%減収でした。アナリスト予想より約2%悪かったです。

EPSは前年同期比-24%減益でした。アナリスト予想より約9%悪かったです。


この決算に関して、CEOは「弱いビジネス環境と、当社の不正問題への対処、事業戦略の転換等により残念な決算となった。」とコメントしています。

Westpac Group CEO, Mr Brian Hartzer said: “This is a disappointing result reflecting weaker business conditions and the bank dealing decisively with outstanding issues, including remediation and resetting our wealth strategy.

ビジネス環境に関しては、金利マージンがやや低下しています。



不正問題の影響は、主に2点のことを指していると思われます。

・顧客の返済能力をこえた融資問題
→罰金や顧客への補償費用

・サービスを受けていない顧客からの手数料徴収
→顧客への補償費用、金融アドバイス事業からの撤退


過去6か月、これらの問題により顧客の信頼を失っており、
当社の事業改善および製品やサービスの改善を行い、
顧客の正しい利益をもたらすことで信頼を取り戻す

的なコメントがされています。
The past six months has been a turning point for the bank. We are proactively addressing legacy issues while improving our products and services to ensure they deliver the right customer outcomes.


<キャッシュフロー計算書に関して>

営業CFが大きな赤字になっています。

これは、預金及びその他借入金(Deposits and other borrowings)の
マイナスが大きく影響しています。


6か月ごとの預金残高推移です。



豪州顧客からの預金(銀行にとって負債)が流出していることが原因です。
これに関しては、別の手段で借入できていて問題ないように思います。


当社のキャッシュフローを評価する際に、
それらの影響を除いた「Cash earnings」が使われます




「Cash earnings」は減少しているものの、赤字には陥っておりませんし、
「一株 cash earnings」は、0.958豪ドルと、
一応、配当支払い額(0.94豪ドル)より多く稼げています。




■金利収入(Net interest income)


売上の大部分を占める金利収入です。
貸付(当社の場合、60~70%以上が住宅ローン)をして金利で収益を上げる形です。


6か月ごとの貸付残高と、金利収入の推移です。



金利収入は減少傾向です。

金利マージンが低下しているものの、貸付残高の増加で補っており、
微減収でとどまっています。


■非金利収入(Non-interest income)


非金利収入が大幅減収でした。

まず、非金利収入ビジネスは4部門に分かれています。

部門ごと、6か月ごとの非金利収入推移です。




「Net fee income(ATM等手数料)」、「Net wealth management and insurance income(資産運用)」の減収が大きく影響しています。


「Net fee income(ATM等手数料)」に関しては、もう現金を使う時代ではないので、説明不要でしょう。


「Net wealth management and insurance income(資産運用)」に関しては、
事業不正による顧客返金や、事業(Hastings business)撤退、保険金請求の増加により
大幅な減収となりました。


構造的な問題の印象があります。
復活にはかなり時間がかかるのではないかと考えています。

■感想


決算後の、豪州取引所で株価が-1.2%下落しました。



配当維持は結構ギリギリなところまで来ている印象を持ちました。


ブログ主が当社に期待しているのは、豪州金利上昇による利益拡大です。
それまでに、これ以上に業績が下がってしまったら、減配があるかもしれないです。


とりあえず配当は維持されて、かつ
豪州金利はまだ低いままなので、ホールド継続で考えています。



ブログの先パイに勧められてツイッターはじめてみました。





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