2019/03/17

若手社員の給料の増やし方


資産形成には若いときからの投資が重要、と国も含めて
主張されてますが、投資の元手の作り方として
若手社員の給料の増やし方を考えてみます。


結論から言いますと、
会社内の自身の評価を高めると賃金が上昇しやすく、
目標管理の設定方法や、進捗管理はがんばっても賃金に影響は少ない
という分析結果になります。

■給料上昇率


年齢ごとの平均的な給料の増え方がどのくらいか
厚生労働省の2017年データで確認してみます。

性別階級賃金(百万円)前階級との差性別階級賃金(百万円)前階級との差
全年齢335.5全年齢246.1
20-24210.520-24202.5
25-29248.117.8%25-29225.911.5%
30-34289.016.4%30-34241.66.9%
35-39324.112.1%35-39254.05.1%
40-44358.710.6%40-44262.43.3%
45-49394.710.0%45-49268.22.2%
50-54424.07.4%50-54270.00.6%
55-59412.2-2.7%55-59262.9-2.6%
60-64294.1-28.6%60-64224.3-14.6%
65-69261.0-11.2%65-69220.1-1.8%

過去10年の年齢別平均給料を調べてみると、
男性は20代やや上昇、30代以降は横ばいもしくは下落、
女性は全年代でやや上昇していました。

言い換えると、「20-24歳」の方が5年経って「25-29歳」ゾーンに移行すると、
男性で17.8%、女性で11.5%給料が増えたという読み取り方ができます。


つまり、若い年齢のほうが給料が増えやすい傾向がありそうな感じがします。

■給料上昇要因の分析


つぎに、国の労働政策研究・研修機構の2016年データで、
若手社員(15歳~34歳)の賃金上昇要因を統計分析(重回帰分析)されていますので、
それを確認します。

<分析方法>

以下の項目が賃金上昇にどれだけ寄与しているかという分析になります。
データ数は、10390件です。

1.性別
2.年齢
3.最終学歴
 ・専修、各種学校
 ・短大、高専
 ・大学、大学院
4.勤続年数
5.入社時の月給額
6.採用形態
 ・新卒採用
 ・中途採用
 ・内部登用(非正規→正規)
7.企業規模
 ・10人未満
 ・10~49人
 ・50~99人
 ・100~299人
 ・300~499人
 ・500人以上
8.過去3年間の企業業績
 ・上昇
 ・下降
9.目標管理の方法
 ・利益目標の設定
 ・売上目標の設定
 ・成果物の数の設定
 ・チャレンジングな活動目標
 ・プロセスに関する目標
10.進捗管理の頻度
 ・毎日~週1度
 ・月1度
 ・四半期に1度
 ・半年に1度
 ・年に1度
 ・行っていない
11.自身の評価
 ・上位20%
 ・上位40~20%
 ・真ん中
 ・下位40~20%
 ・下位20%
12.労働組合加入

<分析結果>

産業別に賃金上昇に影響が大きいものの一覧になります。



例えば、情報通信業で賃金が上昇しやすい要因は、
性別(男性)、学歴(大学、大学院)、勤続年数、企業規模、自身の評価が
大きく関わっている企業が多いということになります。

自身の評価とは、今年度の会社でのあなたの評価(主観的)を指しています。

■分析結果の考察


分析していた項目の中で、個人の努力で属性を変えられるものと
変えられないものに分けられます。


社会人の方を想定して、個人の努力で変えられそうなものを抽出しますと、

・目標管理の方法
・進捗管理の頻度
・自身の評価

です。


大企業に転職する大技もあります。
ただし、同時に採用形態も新卒から中途に変わってしまいます。
建設業や、運輸・郵便、医療・福祉は中途が不利という傾向がありますので、
大企業に転職したのに賃金があまり変わらないということがあります。



これをふまえて分析結果をみてみると、
一番影響が大きいのは、「自身の評価」で、最も努力すべきでしょう。

逆にほとんど影響がないのが、「目標管理の方法」、「進捗管理の頻度」で
賃金とはほとんど関係ないという分析結果になっています。



業種別に考えますと、分析結果まとめ表の左上に〇がついている項目は
特に賃金上昇に影響が大きいので、その項目を努力すべきと考えられます。

情報通信業、宿泊・飲食・サービス業はがんばった分、賃金が増えやすい
ということになります。



上司の経験からくる根拠のない発言?も
こういったデータで分析できるとすっきりしますね。



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